ようこそ知事室へ

「変わる雇用とひとづくりシンポジウム」にて
平成17年8月22日
 
 日本経済は景気回復を続けておりますけれども、大分県におきましても企業誘致を積極的に進める中で、大分キヤノン大分事業所やダイハツ車体の操業開始、大分キヤノンマテリアルの新工場建設着手など、大手製造業を中心とした大型設備投資が行われ、県内産業に活気が出てきているところです。このように先端ものづくり産業をはじめ、多様な分野の事業所が集積して県内産業に厚みが増してくる中で、優秀な人材への需要がますます大きくなってきているところです。
  こうした中で、製造業を中心に、一部で労働力不足の声も聞かれるようになってまいりました。私も一生懸命、企業誘致をするために東京や大阪に出かけております。そして、「大分県には、いい土地もあります、きれいな水もあります、そして優れた人材がたくさんいますから」、こう言って勧誘をするのですが、そうやって来ていただいた企業の皆さんから最近は、「そうは言っていても、来たけれども大分県は人がいないではないか」と、こうよく言われているところでございます。
  今後の少子高齢化に伴う労働力の減少も考慮しますと、企業で求められる産業人材の育成確保というのは、一刻も猶予できない課題であると考えています。
  その一方で、企業が厳しい競争を展開する中で、雇用・就業の形態も人材派遣だとか、あるいはパートタイム労働、あるいは業務請負など多様化が進んでいるところです。こうした非正規雇用の増加やアウトソーシングの拡大というのは、企業の経営戦略に基づくところが大きく、今後の経済を見通せば避けて通れない面があります。
  しかし、こうした形で働く皆さんにとっては雇用の継続や、昇給、昇格の面で将来への見通しが立ちにくく、また、能力開発などにおいても不安をお持ちの方が多いのではないかと思います。
  本県が今年の1月に策定いたしました「おおいた産業活力創造戦略」では、「産業を支える人材育成・雇用政策」を戦略的に取り組むべき柱の一つに据えておりまして、雇用・就業形態の多様化の拡大を踏まえた産業人材の育成や若年者の就業支援に取り組むこととしているところです。
  本年度は、計画的な研修を行って、昇給、昇格制度を備えて安定雇用に努める人材派遣会社や請負会社を「人材育成型企業」と位置付けて支援を行っていくことによりまして、こうした皆さんの不安の解消に取り組むこととしています。
  人材派遣業、その派遣された先におきましては非正規職員になるわけですが、派遣企業にとりましては、これはまさに正規雇用になるわけでございます。そこでいかに人材を育成し、そしていかに人材を大事に扱って、昇給、昇格のシステムづくりをやっていくかということが、非常に大事な関心事になるわけでございます。そういうことを我々もよく調査して、そして位置付けていかなければならないと考えているわけです。
  また、若者のための就職支援センターである「ジョブカフェおおいた」におきましても、産業人材を育成する各種の研修プログラムを行って、若者の人材育成に取り組んでおります。こうした取り組みはまだ緒に就いたばかりですけれど、今後も産業界、労働界、教育界など幅広くご意見を伺う中で、適宜見直しを行いながら効果的な施策を実施していきたいと考えているところです。