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| 大分市の新興住宅地の広場へと向かう道が子どもたちの手作りランタンで照らされる。別府市の大通りから奥に入った路地裏は、キャンドルで幻想的にライトアップされて明治時代から営まれている木造の温泉へと続いていた。 6月21日夏至の日に、「ごみゼロおおいた作戦」の一環として県内各地で実施している「121万人夏の夜の大作戦〜キャンドルナイト〜」での風景である。「省エネに取り組み、地球温暖化防止に努めよう」と平成16年度に始まった取り組みで、このイベントに参加する事業所数は平成16年度の475施設から、平成17年度には1,154施設と2倍強となった。これは今、県民あげて取り組んでいる「ごみゼロおおいた作戦」の推進団体となっている「ごみゼロおおいた作戦県民会議」からの発案である。 県民からの発案といえば、子ども県議会の中学生から「県民一人ひとりが年に何回かゴミを拾えば、121万×回数分のごみが、たちどころになくなる」という大変素晴らしいご提言をいただき、「121万人県民一斉ごみゼロ大行動」として、県内一斉の美化活動を実施している。この活動への参加者も、平成16年度の11万人から平成17年度は22万人と倍増し、大分市では「全市いっせい ごみ拾い大作戦」という市民の3人に1人が参加するイベントも行われた。 「ごみゼロおおいた作戦」は、豊かな天然自然に磨きをかけ、後世に引き継いでいこうと、県内各地域で取り組まれている活動を取りまとめて県民運動として盛り上げていくものだ。本県は、澄んだ空気、きれいな水、豊かな海や森林など全国に誇れる天然自然に恵まれており、この美しい天然自然と快適な環境を守ることは、それ自体重要であるばかりでなく、新しい価値を生み育てる活力の源泉ともなるものである。環境の世紀といわれる21世紀、私は県民が安心して暮らせる社会を実現するためには環境対策が非常に重要であると考え、「ごみゼロおおいた作戦」に取り組んでいる。 「ごみゼロおおいた作戦」の開始当初、臨済宗相国寺派管長の有馬頼底師と対談させていただいたおりに、「ごみゼロ」と心をきれいにすることは一致するものであるという話になり、子どもたちがきれいな気持ちで育っていくことが大事だとの思いを強め、この作戦を展開しているところでもある。 それに加えて、大分の恵み豊かな天然自然を守り磨きをかけるには、例えば、林業があって豊かな森が守られるように、自然を相手に仕事をする農林水産業等の振興も不可欠だ。「ごみゼロ」と言ってもここで生活する、事業するということになれば、廃棄物は避けられない。それに対して「ごみを減らす、再使用・再利用する」という3Rで対処することになれば環境技術の開発や環境産業の振興が必要になってくる。さらには、クリーンエネルギーの普及や地球温暖化防止への取り組みもおのずと出てくる。そして、これらの活動による美しい県土づくりは、大分に多くの観光客を招き寄せるというふうに、一石五鳥にも六鳥にもなる取り組みを通じて新しい地域おこし、持続可能な地域づくりを進める運動でもある。 この作戦を始めて2年が経過したが、この間冒頭に述べたようなボランタリーな活動の他に、業界団体が廃棄物の不法投棄防止パトロールを自主的に始めたり、環境美化や環境保全に自主的に取り組む「ごみゼロ隊」への登録が1,000団体、30,000人を超えたことなど、県民主導・県民総参加の運動として定着しつつある。 3年後の2008年には、第63回国民体育大会、第8回全国障害者スポーツ大会が本県で開催される。その際には、一石五鳥のつながりの中で「進化」していく「夢の多い挑戦」であり、安心から活力、そして発展を生み出す「新しい大分の魅力づくり」である「ごみゼロおおいた作戦」を、環境の世紀の切り札として、大分県から全国へ発信していきたい。 |
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『都道府県展望』(全国知事会(財)都道府県会館発行)平成17年11月号「知事随想」 |
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