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参加者は二十名余り。昼間は、大分県林業改良指導員の宿利政和さんが「
”やま“ってつくるもの?」と題して講義を行ったあと、全員が自己紹介。田舎暮らしにあこがれて来た、森林ボランティアに興味があった、山歩きが趣味など動機はさまざまだが、山や森のことを気に掛ける気持ちは強く伝わってきた。
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| 熱心に講義に聞き入るキャンプの参加者たち。 |
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この日はチェーンソーの使い方の実習も行われた。手取り足取り教わりながら丸太を実際に切ってみると、これがなかなかの快感。こんな実習ひとつでも、山作業への興味は深まるものだ。翌日は実際に山に入って伐採などを経験。次は二月に炭焼きの実習が予定されている。
中津江村を含む日田地区は日本三大林業地帯のひとつだが、杉山さんが言うように、林業が「辛い状況」にあることは、宿利さんから配られた資料を見るとわかる。杉を植えて住宅材を作る場合の投資額と収入の比較例だ。造林、下刈り、間伐、枝払いなどの作業にかかる費用を、木材販売で得る収入から差し引くと、助成金を受けても、一ha当たり、なんと五十九万七千円もの赤字になる計算である。
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原因は国産材価格の下落だ。国土の六十七%を森林が占める日本は木材資源が豊富にも関わらず、輸入材に押されて自給率は二十%を割り、国産材価格は下がる一方。しかも植林から出荷まで四十年。これでは放置する方がマシとなり、林業従事者は減り、間伐などの手入れをしない山はどんどん荒れていく。
山が荒廃すれば環境へのダメージも深刻だ。緑のダムといわれる森林は、良質な水を供給し、台風などによる土砂崩れを防ぎ、大気中の二酸化炭素を酸素に変える働きをしているからだ。
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| 山に入って仕事をする田嶋山業の小柳幸一さん。 |
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一年二百日、山で木の搬出作業を行う杉山さんは、この仕事を始めて七年目。海外で植林ボランティアも経験し、山仕事がしたくて業界に飛び込んだ。
「実際にやってみて、林業のハンパでなく厳しい現実が見えてきました。山には広葉樹を植えた方がいいというが、じゃあ今立っている杉は誰が伐るのか。最近は森林に興味を持つ若者は多いが、現状では雇えない。そんな中でこのキャンプをやって人とのつながりができたのがうれしい。都会の人、田舎の人、プロ、ボランティア、それぞれ山をめざす理由は違っても接点はあるはず。それが見つかれば山が面白くなると思うんです」
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樵の会代表の
杉山さん。 |
津江杉の間伐材作業を手がける溝口伸弥さん、池田陽子さん、松本健一さん。鯛生金山前の山村工芸館「木木(きき)」にて。 |
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| 参加者も主催者もキャンプでは皆仲間だ。 |
福岡県から毎回参加している井上香苗さんは幼稚園の先生。「子ども達にはいつも山の話をしています」 |
豪快な焼き肉はキャンプの一番の楽しみ |
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樵の会の松本健一さんは、田島山業の木工部門で、間伐材の杉を加工して器を作る仕事に挑戦している。「林業を助けるための木工、という点に惹かれました。以前から森林インストラクターにも興味を持ち、通信教育を続けています」と言う。
先が見えないと言われる林業をあえて選び、都会から人口わずか千四百人足らずの山村にやってきた若者たち。彼らの試行錯誤は始まったばかりだ。「森の応援団という言葉を心に残して帰ってほしい」と宿利さんは言った。山を守ろうと声高に叫ぶより、一歩山に入り、森と触れ合うこと、山の仕事を知ることが何より力になることを、彼らのキャンプは教えてくれた。
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