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この「シニアネット大分豊の国」の支部第一号として、昨年十一月、挾間支部がスタート。今年一月に、挾間町、別府大学と三者共催で「シニアのためのパソコン教室」を開講した。町民を対象に三十名の参加者を募ったところ、倍の六十名もの応募があり、急きょ一日二講座に増やしたという、大人気の講座である。
パソコンの電源の入れ方から始まって、文字の入力、インターネットや電子メールの利用までを学ぶこの講座は、無料で週二回、四週間にわたって開催。講座最終日の三月一日、別府大学短期大学部大分キャンパスにある会場を訪れ、教室の様子を拝見した。たまたまその前日、「シニアネット大分豊の国」は、NPO法(特定非営利活動促進法)に基づくNPO法人として認証を受けたところだった。
最終回のこの日は、インターネットに接続して温泉情報を見るのが課題。講師は、同会挾間支部副支部長の小森満治さんだ。小森さんは二年前に東京から大分へ移り住んだが、東京時代からパソコンを習っていたというベテラン。別府大学商経学科一年の女子学生八名がアルバイトで補佐役をつとめ、受講生三〜四人に一人の割合で傍に付いてサポートをする。五十〜七十代の受講生たちは、一人一台設置されたパソコンの前に座り、真剣な顔つきでキーボードに向かっている。
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| 左からシニアネット挾間支部副支部長の小森さん、支部長の丹生さん、会計の川野さん。 |
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「ちょっとこれ、画面どうやって動かすの?」
「あんた、地図が出た?」
「あれっ、消えちゃったぁ」
隣の人の画面をのぞき込んだり、近くの学生を呼びつけ(?)たり、独り言をつぶやいたりしながら、それでも何とか「伊豆温泉」や「別府温泉」の宿情報にたどり着いていく。最後に修了証書を手にしたみんなの顔は実に晴れやかだった。
受講者六十名中、最高齢の小野久仁子さん(75)は、一人暮らしをしながら、町内の生活改善グループのリーダーをつとめる活動的な女性。「私はまったく機械オンチなんですが、時代の流れは無視できないと思って申し込みました。習い始めてからパソコンも買い、ローマ字の打ち方からおけいこしたんですが、時間はかかるけど楽しかったです。孫みたいな学生さんが可愛くてね」とにっこり。
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(上)お孫さんとのメール交換を楽しみにする谷川さん。
(下)とても70代には見えない小野さん。何にでも前向きな姿勢が若さの秘訣?
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谷川浅喜さん(73)は、「名古屋の大学に通う孫とメールをしたくて受講しました。先生の説明がわかりやすかったのと、何よりみんなが同じようなレベルだったのがとてもよかったです。隣の人と教え合ったりして、なんとかできるようになりました。さっそく帰って孫にメールを送ります」。町会議員をつとめる大津留博子さん(53)は、「インターネットはこれから絶対必要なものだと思い、受講しました。初めてローマ字で打てたときはうれしかったです」
教わるのも教えるのもシニア、というのが、この教室の大きな特徴。講師の小森さんは、「年輩の方はまず横文字がわからないという人も多いので、それをいかにわかりやすく教えるかがポイントです。例えば『エンターキー』と言わずに、『上から○番目』と言う方がわかるわけ。若い人はそういうことには気づかないですよね。シニアの方は、文字が大きくなったり色が付いたりしただけで手を叩いて喜びます。みんな素直ですね」と言う。
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この日教室で世話役をつとめていた川野茜さんは、この会でインターネットを覚えた一人だ。「ボランティアで教わったから、ボランティアでお返しをしたい。男性は職場でパソコンに触れる機会がありますが、家庭の主婦はなかなかチャンスがありません。でも覚えたいという気持ちはみんなすごくあると思うんです」
同じ年代が集まるだけに、ただインターネットを習うだけでなく、これをきっかけに一緒に遊んだり勉強をしたいと、同好会もできた。ハイキングやゴルフ、パソコンでのお絵かきクラブなどは特に人気が高いという。インターネットをきっかけに仲間の輪が広がり、孫や友達との交流が深まる楽しさに、みんな夢中だ。
「今後は、地元の小学校で子どもたちにパソコンを教えるアシスタントをするのが夢。今は町内でもお互い顔を知らないおじいちゃんと子どもが多いですが、そうやって交流が持てたら楽しいと思うんです。全国でも一番にやりたいですね」と目を輝かせる小森さん。目下、挾間町に働きかけをしているところだ。パソコンというハイテクな「機械」が、人と人の「心」の交流を生み、世代間のギャップを埋める媒体となる。シニアネットの活動の原点は、ここにある。
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