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歴史・文化 【祭り・伝統行事[2]】

秋の祭り・冬の祭り
 9月1日に始まる大分市賀来神社の祭りは、卯と酉の6年目ごとに大名行列を行う。現在の形式は明治維新の際に、府内藩主から大名行列の道具が奉納されてからのことである。9月14日からの浜の市(大分市生石)は、柞原八幡宮の放生会に伴うもの。近世以降大変なにぎわいを見せていたが、名物のシキシ餅と一文人形に往事をとどめる。
 秋祭りは、豊作を祝う鎮守の祭りが中心である。ケベス祭り(国見町)やドブロク祭り(大田村)など宮座をはじめ古い形態を残す祭りもある。ケベス祭りは岩倉八幡社9月祭りの宵宮に行う火祭り(10月14日)が有名。奇怪な面のケベスが、燃えさかるシダを持った杖でかき回すと、それまでケベスから火を守っていた白装束の当場の人々が、棒に火の付いたシダの束を刺し見物人の間を火の粉を散らしながら走り回る。火の粉を浴びると無病息災という。大田村白髭神社のドブロク祭り(10月)は、新米で作ったドブロク(濁酒)を神前に供えて豊作を感謝し、参拝者にも振る舞う。
 霜月祭りと言えば甘酒を作る所が多いが、塚原(湯布院町)の甘酒祭りは祭りの当番の座前の家に茅葺きの酒蔵を建てるなど、古くからの伝統をよく受け継いでいる。また“カカア天下祭り”とも言われるように、祭りの後の宴は女性が主賓で男性はもっぱら給仕方にまわる。現在では12月11日に行われる。
 千歳村深山八幡社のヒョウタン祭りも霜月祭り。長さ1・2メートル、重さ八キロもある大わらじを履き、長さ80センチのヒョウタンの冠をかぶったヒョウタン様が、参拝者にお神酒を振る舞いながらよたよた歩いて行くというまことにユーモラスな祭りである。

民俗芸能
 主に祭りで奉納される芸能に、ほぼ全県的に見られる神楽、国東半島などを中心に行われる楽、県南地方の風流・杖、豊肥地方の獅子舞・白熊捻りなどがある。
 神楽は清川村御嶽社の御嶽流を中心とした岩戸神楽が最も広く分布する。国東半島部の楽は、ヘラ皮の腰蓑をつけ、前に締め太鼓、背に旗差し物を負って踊る念仏踊りの要素が濃いもので、吉弘楽(武蔵町)がその代表。ほかに久大地方の杖楽、下毛郡の河童楽など特色のある楽もある。県南地方で主に春祭りに奉納する風流・杖は、これに獅子舞を加えて三つの芸能をセットとすることが多い。この場合の風流は風流踊りや風流歌である。現在約80組の獅子舞の組がある大野郡は御嶽流の獅子が主流を占めるが、県南地方の獅子舞は異なる系統のもの。白熊捻りは白熊練りなどとも呼ばれ、大名行列の毛槍練りを伝えたもので神輿の先供をする。
 中津市古要神社の傀儡子の舞や、同市の北原人形芝居は県内に伝わる人形芝居として貴重なものである。
 
浜の市(大分市)


ケベス祭り(国見町)


ドブロク祭り(大田村)

宮座 部落の祭祀組織。
霜月祭り 収穫祭あるいは、氏神祭が多い。
放生会 仏教の不殺生の思想に基づいて、捕えられた生類を山野や池沼に放ちやる儀式。


ヒョウタン祭り(千歳村)


岩戸神楽
((c) 県立歴史博物館)


北原人形芝居(中津市)

吉弘楽 五穀豊穣、害虫防除を祈願する。大友時代領主吉弘氏が始めた。
河童楽 河童の動作を所作に取り入れたものと、大団扇で河童を封じ込めるものがある。
傀儡子 歌に合わせて舞わせるあやつり人形。