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伝統 [北原人形芝居] [Vol.17] 2007. SUMMER.
人々に愛され続けた北原の人形芝居
2月の万年願では、三保小学校人形劇クラブも立派に演じます
始まりは鎌倉時代 中津に根付いた人形芝居の歴史
 
   中津市では、毎年2月の第1日曜日に、原田神社の万年願というお祭りで、北原人形芝居が奉納されます。この人形芝居は、県指定無形民俗文化財に指定されていて、約770年前に始まったとされています。その当時、北条時頼(ほうじょうときより)というお殿様が中津で病気になり、その病気が治ったお祝いに、北原の村人が、手の甲に墨で目や鼻を描き、演芸をしたのが人形芝居の始まりなんだとか。江戸時代後期には、人形遣いが中津や府内(今の大分市)の殿様から特別に待遇されるほどの人気があったそうです。  
3人1組で一体の人形を動かします

“日本独特の文化”を体験
 
   私が初めて北原人形芝居を見たのは、2、3年前です。ニュージーランドには、このような人形芝居はないので、とても素敵だと思いました。人形たちは、日本の伝統衣装である着物を着ています。その着物がとっても鮮やかで、興味をひかれました。また、人形の動きには、伝統的な日本舞踊の動きを取り入れているそうです。独特のゆっくりとした動きやしぐさが美しく、見とれてしまいました。ストーリーは、昔の日本の社会風俗を描いているので、理解するのが少し難しいですが、人形の動きに合わせて演奏される音楽や細やかな人形のしぐさで、大体の話の筋が分かりますよ。


細かい技術に感激! 人間の心を表現する人形の魅力
 
   今回、私は「八百屋お七(やおやおしち)」という物語の主人公である、お七さんという人形を見せてもらいました。人形には仕掛けがあり、糸を引っ張ると目をつぶったり、指を動かせるような仕組みになっています。顔をうつむかせ、手を目元に持っていくと、人形の表情が悲しそうに見えました。ちょっとした仕草や目の動きで、人形の表情がみるみる変わるので、まるで生きているかのようです。そして、三味線や太鼓、浄瑠璃などの音と合わせて、シーンの状況や人形の感情を表現しています。


次世代へ受け継がれる伝統芸能
 
   時代の流れとともに、人形芝居の伝統が消えてしまいそうな時期もあったそうです。しかし、この危機をきっかけに、「なんとかしなければ」と立ち上がった地元市民が、北原人形芝居保存会を平成3年に結成。会長の澤村大助さんは、「多くの人の心を魅了し、愛され続けた郷土の芝居を大切にしていきたい」と語ってくれました。伝統を一生懸命守ろうとする熱い思いが伝わってきました。今では、地元の小学生たちも人形芝居を習っているそうです。子どもたちから、またその次の世代へ、この素晴らしい伝統芸能を伝えてほしいと思いました。
 
  「日高川安珍清姫(あんちんきよひめ)道行の段」は、一体の人形を一人で操る北原独自の「はさみ遣い」(一人遣い)で演じます

  人形の遣い方を教えてくれた、北原人形芝居保存会・会長の澤村大助さん(右)と副会長の吉田隆博さん(左)


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