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伝統 [酒造り] [Vol.20] 2008. SPRING
久家本店の酒造り
ニーハオ! 中国出身のヨウ・サンサン(楊珊珊)です。私が生まれた山東省は、ビールと魚介類が有名な都市です。若い人から年配の方まで、よくお酒を飲みます。今日は、臼杵で約150年間愛され続けているという、伝統の蔵元を訪ねました。
商人が育んだ食文化
 
   臼杵といえばフグ! 引きしまった身の歯ごたえと旨みは、なんとも言えないおいしさです。そんな豊後水道の豊かな食材に恵まれた臼杵では、古くから醸造業を中心とした商工業が栄えてきました。お酒は料理とともに、この地で育まれてきたのだといいます。
   江戸時代から受け継がれているという久家本店を訪ねると、杜氏の松野勇夫さんが酒蔵を案内してくれました。冬の寒い朝、蔵の外で洗米を行うそうですが、水分の加減で味が大きく変わってくるので、とても気を使う作業なのだとか。寒さで手を真っ赤にしながら、蔵人(酒造りの職人を現場ではこう呼びます)たちが丁寧に手洗いしている姿が目に浮かびます。
 
 
素材の風味を生かした日本料理には清酒がぴったり   昔は米も蒸していたという大きな窯


手作業で丹念に仕込まれる清酒
 
   蒸した米に麹(こうじ)をつける部屋に移動すると、甘い香りでいっぱい! 30℃ほどに温められた部屋には、まるで赤ちゃんを大事に包むように、米に布団がかぶせられていました。米を混ぜる作業を、昔はふんどし1枚でしていたと聞き、とてもびっくり。汗びっしょりになりながら、一生懸命混ぜるので、米の甘みが増し、とてもおいしいお酒ができるんですね。
   ほかにも、酵母菌を増やすタンクやお酒をしぼった後の作業を見せていただきました。どの作業も手間をかけて一つひとつ丁寧に人の手でやっていることを知り、蔵人のこだわりを感じました。中国のお酒はアルコールの度数が高く、酔うために飲むことが多いです。しかし、日本のお酒は、水と米の本来のおいしさを味わうために、とても繊細な技でお酒を造っているんですね。


酒造りに情熱を燃やす杜氏
 
   24歳の頃から酒造りを始めたという松野さんは、約10年で酒造りを覚え、今では責任者として、蔵を管理している若い杜氏です。お話を伺うと、酒の仕込み方は、先代の杜氏から受け継がれて教わったのだとか。今でも先代の技を見て学びながら、新しい酒造りに積極的に挑戦しているそうです。また、お酒は、気温の変化や環境によって、毎年味が変わります。受け継がれてきた味を変えずに、基本を忠実に守ることが一番難しいと語っていました。
   昼夜を問わず、何度も品質管理をしたり、寝る時間を削って麹(こうじ)を作ったり。このような杜氏の酒造りへの愛着と情熱が、江戸時代から愛されてきた日本酒に込められているんですね。
 
朝と夕方にこうやって混ぜるそうです

 
お米を触るとあったかい   お酒をしぼった後の酒粕は、甘酒などでいただきます

長い歴史を感じさせる焼酎の蔵

 
臼杵市中心部にある久家本店のアンテナショップ「満寿屋(ますや)」   杜氏の松野勇夫さん


久家本店
臼杵市江無田382
TEL:0972-63-8000 FAX:0972-63-8022
http://www.ichinoide.co.jp/

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