vol.11 2000年7月発行
特集1 始めませんかボランティア
県政フラッシュ
地域からのメッセージ

始めませんかボランティア
 阪神・淡路大震災などをきっかけにボランティアに対する社会の関心が高まっている中、様々な分野でボランティアが活躍している。特に、福祉の分野では、介護保険制度が始まり、バリアフリーのまちづくりなどが進むにつれて、ますますボランティアの力が必要とされている。何かやりたい、特技を生かしたい、役に立ちたいと思っているあなた。できることから始めてみませんか。
 

こんなボランティアがあります。


写真:
点訳ボランティア
  大分県点訳朗読奉仕の会「図書館グループ」

 ボランティアを始めるあなたに5つのアドバイス

 1、まずはできることから始めよう
 2、相手の気持ちになって
 3、「ま、いっか」は絶対ダメ!約束・秘密は絶対に守る
 4、継続は力!小さいことでもコツコツと
 5、身近な人に理解を得よう
ボランティアの相談

 県内には24の市町村の社会福祉協議会にボランティアセンターがある。ボランティアについての相談を受け付けている。活動を始めたいが何をしていいかわからない、活動についてもっと知りたいという人は、まず、近くのボランティアセンターまたは社会福祉協議会に相談してみよう。自分が希望する活動が地元にない場合は、大分県ボランティアセンターへ相談しよう。  
 
■大分県ボランティアセンター    
ところ/大分市大津町2丁目1番41号     
Tel/097−558−3373    
Fax/097−558−1296
■大分県青少年ボランティアセンター  
平成11年8月に開設。ボランティア活動を希望する中学生・高校生の個人・団体と受け入れる施設などを登録し、活動を紹介したり活動についての相談や助言を行っている。    
ところ/別府市大字別府字野口原3030−1 大分県立生涯教育センター内  
Tel/0977−22−7763    
Fax/0977−26−4564
写真:有珠山噴火被災者への募金を呼びかける高校生

写真: ボランティアの話をする    
  妙中さん
●新しい自分を発見する   
妙中友美さん(大分県立上野丘高校2年生)は、 同じ高校の友人の話を聞いて、自分もボランティアをしてみたいとセンターに登録した。ボランティア活動を通じて他の学校の生徒、大学生、社会人などいろいろな人と交流が広がり、初対面の人と話すのが苦手だったという点も克服できるようになった。「人との交流が楽しいし、毎日が充実する。自分が何をしたいのかわかってきた。将来は、野生保護に関係する仕事に就きたい」と夢を語る。
ボランティアの充実のために

■大分県社会福祉介護研修センター  
  誰もが気軽に利用でき、介護に関する正しい知識や技術を学べる施設として平成5年に設置された。介護教室は初歩的なものから専門的なものまであり、福祉関係の求人・求職の紹介、高齢者の悩みごとの相談、福祉機器の展示など様々な取り組みが行われている。    
ところ/大分市明野東3丁目4番1号     
Tel/097−552−6888    
Fax/097−552−8880  
 
 
ボランティアの資質向上をめざして
 
大分市ボランティアセンターに登録されている198(4月1日現在)のボランティア団体のうち、およそ130の団体を会員にもつ大分市連絡協議会は、会員研修として大分県社会福祉介護研修センターを利用する。副会長の衛藤房子さんは、「車いすの体験、様々な道具を使って80歳のお年寄りになって生活をする擬似体験は、介護をする人に、高齢者への思いやりや見守る姿勢を育む。ボランティアは、数だけでなく質が大事。あの人だと安心できるといわれるような信頼されるボランティアでなければ」と語る。
 
写真:
高齢者の生活擬似体験研修

■大分県福祉ボランティア大学校
 介護保険制度の講義、介護実習などボランティア活動に必要な知識・技術、団体の結成・運営の方法などを体系的に学べる。地域で主体的に活動できる人材を育てるとともに、体験の場を提供することでボランティアの底辺を広げようと平成11年度から県内6地域で開校。現在、第1期卒業生181人が、それぞれの地域でリーダーとなり活躍している。
 写真:車いすを使った介護実習

地域の要望に応えていきたい「さわやか佐伯」
 佐伯市の主婦たちが集まり高齢者の介護や育児支援に取り組んでいるボランティアグループ「さわやか佐伯」。今年4月にNPO法人の認証を取得し、新しい活動にむけて準備をしている。  
 理事長の山本真寿美さんは、県福祉ボランティア大学校の第1期生。これまでおよそ20年間、障害者・老人福祉施設での手伝いなどのボランティア活動を続けてきた山本さん。
 今は、幼稚園から小学校低学年の子どもを放課後預かる保育サービスを始める準備で追われる毎日だ。
 「地域社会が求めていることを行政に提案しながら、行政と一体となって活動することが、NPO法人としての役割の一つ。ボランティアは自分のためでもあり、私の生きがい。」という言葉に、これまでのボランティア活動に対する自信と誇りが感じられる。  
 
写真:
活動の準備に忙しい山本さん(左)

「NPO」ってなに?
 阪神・淡路大震災での活発なボランティア活動をきっかけに、平成10年3月、特定非営利活動促進法(NPO法)が制定された。営利を目的とせず、公益(社会)のための活動(=非営利活動)をする民間団体が法人格を持つことで、銀行口座を開設、事務所を借りるなどの契約が団体名でできる。また、組織として社会的信用が高まり、運営がやりやすくなるなどの利点がある。



年々活発になるボランティア活動
 
市町村ボランティアセンター連絡先
市町村名  
電話番号
市町村名  
電話番号
大分市 097・533・0821 湯布院町 0977・84・3610
別府市 0977・26・6070 弥生町 0972・46・0265
中津市 0979・22・1111 宇目町 0972・25・4121
日田市 0973・24・7026 荻 町 0974・68・3050
佐伯市 0972・23・7450 九重町 09737・6・2500
臼杵市 0972・64・0123 玖珠町 09737・2・5513
津久見市 0972・82・5000 天瀬町 0973・57・3157
竹田市 0974・63・1544 三光村 0979・43・5194
杵築市 0978・62・2649 本耶馬渓町 0979・53・2245
安岐町 0978・67・1283 耶馬渓町 0979・54・3505
挾間町 097・583・4344 山国町 0979・62・2898
庄内町 097・582・2756 安心院町 0978・44・0334
 
   
     
2002年FIFAワールドカップボランティア登録者募集
対     象 平成12年4月1日現在で18歳以上の人、ワールドカップのボランティア活動に参加したいと考えている人、興味や関心のある人  
※今回の登録は、大会会場内のボランティアを募集するものではありません。
登録者研修会 (内容)ワールドカップの概要、簡単な外国語会話、ワールドカップボランティアの活動について
(時期)1回目:7〜12月  2回目:平成13年1月頃
問い合わせ  2002年FIFAワールドカップ 大分推進委員会
Tel 097−513−2828

立命館アジア太平洋大学開学
 5月20日、別府市のビーコン・プラザで立命館アジア太平洋大学の記念式典、開学祭が開かれた。
 式典には、アジアを中心とした各国の大使、大学や地元の関係者およそ3000人が出席。平松知事は、 「今回の開学は、大分県がアジア太平洋地域の人材養成の拠点として飛躍するための大きな一歩。 大分県の活性化に大きく役立つことを期待する」とあいさつ。
  学生代表、シンガポール共和国出身のテイ・シャオ・ブーンさんは、 「アジア太平洋地域が有望な経済、文化などの中心となるために、多くの知識を学びたい」と抱負を述べた。 学園祭の会場となった別府公園では、アジア料理の模擬店、コンサートのほか、華やかな民族衣装を身につけた留学生の母国の踊りなどがあり、 多くの市民でにぎわった。

第9回地球環境大賞「優秀環境自治体賞」受賞
 地球の環境保全に貢献している企業や自治体に贈られる第9回地球環境大賞(日本工業新聞社主催)で、大分県が優秀環境自治体賞を受賞した。
 本格的な環境マネジメントシステムを構築し、平成10年度に全国の都道府県で初めて、環境管理シ ステムの国際規格であるISO14001の認証を取得したことなど環境に配慮した取り組みを進めていることが評価された。 県では、今後も引き続き環境に配慮した様々な施策を進め、エコおおいたの創造を目指す。

中津江村でキャンプ  
  5月2日から6日までの5日間、サッカー日本代表候補U−16(16歳以下) 25人が中津江村の鯛生スポーツセンターでキャンプをした。周囲が山に囲まれ練習に集中できる環境や天然芝のグラウンドが3面あるなど施設面の充実が評価されたもので、日本代表チームの県内でのキャンプは初めて。中津江村は、2002年日韓共催ワールドカップのキャンプ地に立候補している。同センターの長谷俊介所長は、「今回のキャンプは、受け入れる側にとって施設整備、食事などの面でとても勉強になった。これを活かし、2002年ワールドカップに向け受け入れ体制の準備を進めていきたい」と語る。
 

労働行政で連携強化
 5月17日、県庁で「第1回大分労働関係連絡会議」が開かれた。 今年4月に労働省の地方機関が統合され大分労働局が設置された。これまで県で行われ ていた職業紹介、雇用保険手続きなどの業務が国の機関へ移った。平松知事は「労働行政 を取り巻く環境が依然として厳しいなかで、高い水準の住民サービスを行うためには、大分労働局と県との連携が極めて重要」とあいさつし、情報交換の必要性を強調した。今後は、 定期的に連絡会議を開催するほか、Uターン希望者や高校・大学卒業者の就職対策、 高齢者の雇用対策、女性労働力の確保対策などに共同して取り組んでいく。
 

 
西暦2000年世界地熱会議別府市で開催
 5月28日から6月2日まで別府市、九重町で開催。 1970年から5年に一度開催されているが、アジア地域では初めて。県内の地熱発電量は全国 の28%(全国第1位)を占めるほか、花き栽培、宿泊施設の暖房など幅広い分野で盛んに地熱 が利用されていることが今回の開催につながった。「地球に優しい地熱エネルギーを21世紀の活力に」 をテーマに、60か国以上、およそ1300人の研究者、企業、関係者が参加した。 フィリピン、インドネシア、中国のエネルギー政策や地熱開発の取り組みなども発表され、 会場は各国から参加した人々の地熱さながらの熱気に包まれていた。


広がれ!国際交流の輪
 
立命館アジア太平洋大学の開学により別府市内では留学生が大幅に増加する。こうした留学生の生活を支援するために設置されたのが、別府市国際交流推進協議会の住宅部会だ。国際交流のボランティアグループ、企業など14の団体で構成されている。自治会をまわり、留学生のための住宅情報の提供依頼やホームステイ・ホームビジット(泊まらずに家庭でお茶や会話を楽しむ)受入れ家庭の協力呼びかけを行っている。  部会長の河島昭彦さんは、「留学生が楽しく安心して生活するには、地域のみなさんの理解や協力が不可欠。別府だけでなく県内全体にホームステイのネットワークを広げて国際交流を進めていきたい」と熱く語る。
 


村めぐりで当てよう
県内の11村が連携して"村"の活性化をめざす「ぶんご村」は、「村めぐりスタンプラリー」を実施中。名所やレジャー施設などあわせて19か所のスタンプポイントから、11村のスタンプを集めると、抽選で10万円分の旅行クーポン券、また4村以上のスタンプでは3千円相当の一村一品が当たる。応募の締め切りは11月30日。スタンプラリーのマップは各村役場やスタンプポイントに備えている。事務局を担当する三光村役場の中原さんは、「それぞれの村には自慢の一村一品や恵まれた自然がいっぱい。ぜひ、気軽に立ち寄って」と呼びかけている。  
問い合わせ   ぶんご村事務局・三光村役場総務企画課   (0979−43−2050)


地ビールで地域を売り込む!
 来年4月、「新しい農業、農村に出会える公園」としてオープンする「大分農業文化公園」。その中核施設となるバーベキューレストランに併設された地ビール醸造所から5月25日、山香ビールが初出荷された。種類は、フルーティな「ヴァイツェン」、風味豊かで喉ごしもよい「エール」、アルコール度8%で深みのある黒ビール「スタウト」の3つ。出荷先は別府市内のホテルや旅館が中心で、地麦酒「別府八湯」という商品名で売り出される。「大分農業文化公園」のオープン後は、バーベキューレストランで、山香ビールを味わえるほか、山香牛、有機栽培の山香米や野菜などの料理も楽しめる。地域農業活性化の起爆剤として期待が高まる。


森林で地域おこし
 祖母山に連なり、ニホンカモシカの保護区がある緩木岳。そのふもと、およそ160戸の九重野地区で、昭和63年に緩木森林の保護や地域の活性化をめざして設立されたのが「緩木森林公園開発推進委員会」だ。会員は、自治会、林研グループなど35名で構成され、年間を通じて、森林の下刈り、登山道の整備、林道沿いのコスモスの植栽、イロハモミジの植樹など緩木森林の環境整備を行っている。秋には「緩木森林公園紅葉まつり」を開催し、緩木森林のすばらしさ、保存の大切さを域外からの参加者に伝えている。
  「今後は、緩木森林とあわせて周辺の白水ダムの環境整備にも取り組み、たくさんの人が訪れるような地域をつくっていきたい」と会長の工藤都士生さん。


そばの里づくり 
 本匠村の因尾、堂ノ間地区のメンバー26人で構成される「あけぼの機械利用組合」は夏そばの栽培で村の活性化をめざしている。組合は、平成7年のほ場整備をきっかけに結成され、機械を共同購入し組合員の管理作業を請け負っている。平成10年からは愛媛大学の協力のもとに稲作の裏作として実験的に夏そばの栽培を始めた。今年は6haに広げ、本格的に生産に取り組み、できぐあいは上々。夏そばの栽培は、水田の高度利用になり、茎を鋤き込むと肥料になることや、白い花畑が里山の風景に映えるなどいいことずくめ。代表の吉良尚友さんは、「夏そばの栽培を村内にもっと広げたい」と語る。生産されたそばは村内の「水車茶屋」で味わえる。