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新時代おおいたVol.42(2005年9月発行)
新時代おおいたVol42表紙

Vol.42 2005年9月発行


県内の各世帯に配布(奇数月に発行)しています。 ご意見・ご感想をお聞かせください。
メール:
a10400@pref.oita.lg.jp

【表紙の写真】
 
9月末に開催される「全国商人塾サミット」の成功を目指す実行委員会メンバー
 佐藤いづ美さん(大分市)

 大分市中央町の大分マートの中で「お豆腐と角打ちの店 いよや」を経営する佐藤さんは「豊の国商人塾」の第18期生。焼酎アドバイザーの資格を持ち、古い映画のポスターに囲まれた店内で「これがおすすめ」とてきぱき接客する姿が印象的な佐藤さん。実はお酒は弱いのだそうです。
 「講義のすべてが役に立ちました。お金があったらもう一回受講したいぐらい。1年間を通してみると、あのとき受けた講義がこの場面で役に立つんだ、という経験をしました。受講して本当によかったです」「全国商人塾サミット」実行委員会のメンバーの中で最年少の佐藤さん。全国各地の参加者で会場のiichikoグランシアタをいっぱいにしようと、フットワークよく走り回っているようです。


特集1

キラリと光る大分の商工業、ここにあります

「大分が全国に誇れるもの」「大分県で始まったこと」と聞かれたら、何を思い浮かべますか? 温泉にシイタケ、関アジ・関サバ。神輿(みこし)発祥の地と言われる宇佐神宮や西洋音楽発祥の地であることを思い出す方も多いでしょう。
竹工芸も有名です。まだけ竹材生産量は全国一、「県竹工芸・職業支援センター」は全国唯一の竹工芸の職業能力開発校です。今年11月には、「第46回全国竹の大会大分県大会」も開催されます。
新しい次代を担う商人育成のための「商人塾」を全国に先駆けて開催したのも大分県。そして今、県内でつくられている意外な製品が国内で高いシェアを誇っています。
プロ野球から少年野球まで
全国で使われるピッチングマシン
 従業員10名の会社が製造するグラウンド用ピッチングマシンの販売シェアが業界第2位、そんな会社が別府市にあることをご存じでしょうか。「プロ野球チームへの販売実績では、おそらくうちの製品のシェアがトップではないでしょうか」と言うのは、有限会社ニッシンエスピーエムの高橋陽郎さん。
  同社では、プロ仕様のストレートやカーブ、スライダーなどさまざまな球種が選べるマシンから、少年野球チームも使える手ごろな価格のマシンまで、20種類程度のピッチングマシンを製造しています。
最も大切なこと 安全性
 「ピッチングマシンの市場というのは、もともと非常に小さなものです。大手企業があまり入り込んでこないニッチ(すき間)産業なんです」その小さな市場に、新技術を開発してどんどん新製品を送り込むニッシンエスピーエム。製品を開発する際に一番気を遣っているのはどういうところでしょうか?
  「安全性です。少年野球でも使われていますし、高速で回転するローターやアームを使っていますから、安全性が確保できるかを最重視しています。もちろん、ボールのコントロールやキレ・ノビの向上、多機能マシンの開発なども重要です」さらに、修理や点検のためのメンテナンス体制も強化しているそうです。
視野にあるのはアジアの市場
 決して大きいとは言えないピッチングマシンの市場規模。最近はサッカーなど野球以外のスポーツも盛んになっています。今後どのように事業を展開するのでしょうか?
  「北京オリンピックをにらんで、中国への進出を考えています。難しい部分も多いのですが、市場規模を考えると、中国は大変魅力的です」今後は中国、アジアの巨大なマーケットに挑戦していくようです。
  最後にニッシンエスピーエムの代表取締役社長、高橋清則さんにお話を伺いました。
「現在の経営体制になったのが平成11年と若い会社ですが、技術開発に力を入れています。現在、グラウンド用ピッチングマシンの販売台数は、年間約500台ですが、来年はアーム式マシンの新製品(特許申請済)の発売を予定してますので、販売台数の拡大が見込まれます」安全性確保を最重点に、現状に甘んじることなく技術革新や新しいマーケットを開発するための努力を怠らない。これが10人の社員で業界2位のシェアを維持する秘訣なのでしょう。
ピッチングマシンを修理している写真
↑製品は、修理・点検のアフターサービスが大切
有限会社ニッシンエスピーエム社長、高橋さんの写真
「技術者が仕事がしやすい環境を整えています」と話す高橋社長
ピッチングマシンが並んでいる写真
メンテナンスのために、全国から製品が送られてくる
商人塾発祥の地 大分県
 昭和62年「新しい時代を担うスケールの大きな商人」を育成しようと、全国に先駆けて設置されたのが「豊の国商人塾」です。平成17年度までに18期420人余の塾生が修塾しています。
伝えるのは「理念」
 「ここで学んでほしいのは、商人としての志、理念です。店舗のつくり方や帳簿のつけ方などのノウハウを教えるものではありません」豊の国商人塾の第一期生、太田旗店専務取締役の太田恵三さんはこう言います。「『商人』というと、商店街の中でモノを売っている人、というイメージがあるかもしれませんが、商人塾は『顧客』に対しモノやサービスを提供する人すべてが対象です。医療機関では患者が、金融機関ではお金を預けてくれる人も顧客ですね。来期は生産者の方も販売や商業を学びたいと入塾されます。お互いに刺激が生まれ、新しいネットワークが構築されるのが楽しみです」さまざまな業種の方に豊の国商人塾に参加してもらおうと塾生の会は頑張っています。
「全国承認塾サミット」実現へ
 修塾後も「塾生の会」を結成し、情報交換や後進の育成など活発に動いているメンバー。成果の一つが、9月に開催される「全国商人塾サミット大分県大会」です。実行委員長の太田さん始め、塾生の会が中心になり、サミット開催の準備を行っています。全国商人塾サミットの開催を通じて、全国的な新しい形態での商業者のネットワークづくりが始まろうとしているのです。

打ち合わせをしている写真
「 講師の対応は…」「交流会の流れは…」など、入念な打ち合わせをする
「全国商人塾サミット」実行委員会のメンバー

頑張る者が報われる地域社会へ
 「ものが売れない」と言われる消費不況の時代にあって、新たなニーズの掘り起こしや市場の開拓は、たやすいことではありません。しかし、新しい試みに前向きに挑戦する企業や商店、人材がなければ、大分県の産業は停滞してしまいます。雇用対策にもつながる産業の活性化は非常に重要です。
  そこで、県では平成17年1月に「産業の活力を創造すること」を基本思想とした「おおいた産業活力創造戦略」を策定しました。 この戦略では、企業や人材のやる気や努力を引き出し、「頑張る者が報われる地域社会」を目指しています。具体的には、21世紀型の産業集積を目指すものづくり産業の振興、地域の活力を創出する商業・物産・サービス業の振興、産業を支える雇用・人材育成に取り組み、活力ある大分県づくりを進めていきます。
おおいた産業活力創造戦略
http://www.pref.oita.jp/14000/senryaku/index.html
全国商人塾サミット 大分県大会
◎平成17年9月29日(木)・30日(金)
  iichikoグランシアタ(大分市)

登録料:5,000円(聴講及び交流会の参加費)
受講料:3,000円(聴講のみ−資料作成費等)
申込方法
こちらのホームページから申し込んでください
http://www.shonin-juku.com
:大分県商店街振興組合連合会
TEL:097-536-3056

◎9月29日(木)
開会式 13:00〜13:30
基調講演 13:30〜14:45
「不況と競争を乗り切る変化対応経営の実践哲学」
〜いま店と企業に真に問われているものは何か
イトーヨーカドーグループCEO 鈴木 敏文
講義 14:45〜15:45
パネルディスカッション 16:00〜18:00
「志高き商人たれ!! 商人(あきんど)としてのあり方」
コーディネーター 緒方 知行 塾頭
交流会 18:30〜20:30

◎9月30日(金)
開講挨拶9:00〜9:15
講演 9:15〜10:15
(株)石見銀山生活文化研究所取締役所長 松場 登美
全国商人塾討論会 10:30〜12:30
「商人塾の現状と行方 ― 君たちの志を問う!」
コーディネーター 多摩大学教授 望月 輝彦
エキスカーション13:00〜
地元商店街クリニック
第46回 全国竹の大会 大分県大会
◎平成17年11月18日(金)
  ビーコンプラザ
(別府市)フィルハーモニアホール 他
受付 9:30〜
情報交換会(分科会) 10:00〜12:00
[1]竹材・竹製品部会:フィルハーモニアホール
[2]たけのこ部会:小会議室
[3]竹炭・竹粉部会:中会議室
大会式典 13:30〜15:00 フィルハーモニアホール
特別記念講演 15:15〜16:30 フィルハーモニアホール
「竹材産地の構造変化と課題―九州を中心として」
京都大学大学院森林学専攻 教授 岩井 吉彌

:大分県林産振興室
TEL:097-536-1111 内線3835
竹で作られたモニュメントの写真
「第45回 全国竹の大会」会場に飾られたモニュメント

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