大分県庁のホームページ 『新時代おおいた』のバックナンバー
新時代おおいたVol.46(2006年5月発行) 新時代おおいたVol.46表紙
特集1 各地に芽吹いた取り組みをたくましく育てる
平成18年度一般会計予算
特集2 あなたの500円が森林を守る 「森林環境税」を導入しました
風紋 団塊世代への期待
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県内の各世帯に配布(奇数月に発行)しています。 ご意見・ご感想をお聞かせください。
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特集1 各地に芽吹いた取り組みをたくましく育てる平成18年度一般会計予算
新しい長期総合計画の実行元年に当たる平成18年度一般会計予算は、前年度比0.3%増の5,933億5,200万円、6年ぶりのプラス予算となりました。
人件費や公債費の抑制による義務的経費の3年連続減少や、県債残高の36年ぶりの減少など行財政改革の着実な推進と、投資的経費の増など新長期計画の実行に向けた積極的な取り組みという「車の両輪」の実現を目指した平成18年度予算。
県民の皆さんからのご意見とともに、新年度予算の概要を紹介します。
歳入5,934(億円) 県税1,100億円(18.5%) 地方交付税1,765億円(29.7%) 国保支出金999億円(16.8%) 諸収入428億円(7.2%) 県債731億円(12.3%) その他911億円(15.5%)
平成18年度 一般会計予算5,933億5,200万円
歳出5,934(億円)
用語の解説
 
一般会計・・・・・ 行政運営のための基本的な経費を計上した会計
県税・・・・・・・・・ 県民税、事業税、不動産取得税、自動車税など県が徴収する税金
地方交付税・・・ 所得税や消費税など国に納めた税金の中から、一定の基準によって配分されるもので各自治体が自由に使途を決めることができるもの
国保支出金・・・ 社会保障や教育、公共事業など、あらかじめ国が使途を決めて交付するもの
県債・・・・・・・・・ 将来にわたって便益が及ぶ社会資本整備などのために借り入れたもの
公債費・・・・・・・ 県債の元利償還金

県民一人あたりの歳出予算額
484,109円
平成18年度一般会計予算の特長

総務費27,442円 県の仕事を総合的に進めるため
福祉生活費33,847円 福祉の充実のため
保健環境費20,725円 保健や環境を守るため
商工費・労働費28,484円
6年ぶりのプラス予算(0.3%
重点戦略枠73事業に16億円の事業費を投入
県単の投資的経費(道路等の基盤整備、学校などの公共施設の建設等、将来に残るものに支出される経費)の増額(1.9%
県税収入が5年ぶりに1,100億円台に回復(法人関係税の増加)
36年ぶりの県債残高の減少
18年度発行額731億円 償還額749億円
扶助費増加の中、義務的経費全体は縮小
扶助費9.7%、人件費・公債費は減、全体で0.1%の減少
財政調整用基金の取崩額を前年以下に抑制
145億円143億円
平成18年度一般会計予算の特長
「1兆円を超える県債残高」「県民1人あたり80万円以上の借金」−こんな数字を耳にすると、県の財政は大丈夫なの?と不安を感じる方も多いと思います。なぜ県はこんなに借金をする必要があるのでしょうか? 道路や病院、学校など、県民の皆さんが何十年も使える公共施設をつくる場合、膨大な費用がかかります。こうした施設は、今税金を支払っている人だけではなく、今後何十年もの間、多くの人たちが利用します。そこで、将来利用する人にも建設にかかる費用を負担してもらうため、県は施設をつくる時に国や銀行から借入をしておいて、何年、何十年とかけて返済していきます。
こうすることで、将来利用する人たちの税金も県債返済のために使われる(間接的に費用を負担してもらえる)ことになります。県債は、こういった「世代間の公平」という考え方に基づいて行われる借入なのです。 たとえば、県債を発行せずにA市とB市を結ぶ道路を造ることを考えてみてください。県の収入を20年間蓄えて道路を造るとしたら、A市やB市の住民は、道路ができるまで20年間待たなければなりません。 金利がかかるとしても、先に借り入れをして道路をつくり、後の世代の人にもその費用を負担してもらう方が、多くの人が利用でき、しかも世代間の負担も公平になるのです。

社会で支える子育ての取り組みを
石和真紀子さんの写真  別府市の石和真紀子さんは、おおいた子ども・子育て応援県民会議の公募委員の1人。1年間の活動を振り返っていただきました。
「子育て中の母親の生の声を聞いてもらえてよかったです。他の委員さんからの意見も聞けて勉強になりました。
 母親の育児不安解消のためには、社会で支える子育てが必要ですね。子育てにかかる経済的な負担の軽減もその1つです。  
子どもを取り巻く自然環境や周囲の人々の対応も大切ですね。周囲にいる大人が、自分から進んで子どもたちにあいさつしたり、私たち母親に声をかけてくれるのもうれしいものです。  
 子育て支援センターや幼稚園・保育所なども、子育てには欠かせないものです。そういうサービスをうまく利用して、母親もリフレッシュする環境が大切ですね」  
 経済的な支援、周囲の人々の支援、自然環境そのものなど「社会で支える子育て」のために必要なものを考え、提案しながら生活していきたいと石和さんは考えています。

活力ある地域・安心して暮らせる地域づくり
高橋美和さんの写真

高橋文子さんの写真
 佐伯市本匠在住の県政モニター高橋美和さん。「愛の里工房」で母親の文子さんらとともに地元のシイタケを使った「雪ん子寿し」の販路拡大に取り組んでいます。  
 「大分県物産品求評・商談会への出品がきっかけで、大手スーパーとの取り引きが始まりました。また、『雪ん子花御膳』弁当を長距離配送するため購入した冷蔵車は、県のコミュニティビジネス支援事業の助成を受けています」  
 地元産のシイタケの消費拡大と雇用の創出に、そして林業の振興につなげようと事業に取り組む高橋さん。林業がだめになれば山が荒れる、何より災害の発生が心配と語ります。  
 「県には地域の皆さんの取り組みを支援する事業がたくさんありますね。ただ、私もインターネットを使って制度を知りましたが、知らない人も多いし、知っていても申請までの手続きが難しいです。制度をみんなに知ってもらうことと、振興局などの職員の支援が必要ですね」  
 地域の活性化で雇用の場を増やしたい|高橋さんの取り組みは続きます。


雪ん子寿司の写真

里親として輝くセカンドライフ
中園雄司さんの写真

 経営教育コンサルタントとして首都圏で活躍していた中園雄司さんが、杵築市に移り住んだのは7年前、定年退職後のことでした。  
 いまは大分県里親協議会会長として、多忙な毎日を送る中園さん。これからどんな活動に取り組むご予定ですか? 「今は、まだ里親制度に対する理解が十分ではありません。里親体験事業(トライアル里親)もできましたので、少しでも多くの人に里親に関心を持ってもらいたいですね。また、里親同士が自由に悩みなどを話し合う場もつくりたいです」  
 県内には、さまざまな理由で親と暮らすことができない子どもたちが五百人近くいます。里親に育てられている子どもはその10分の1以下。大半の子どもたちは児童養護施設などで暮らしていますが、より家庭的な環境で子どもたちを育てるため、中園さんは県とともに里親事業の普及啓発に努めています。  
 10数年間里親として子どもを育ててきた中園さん。「退職後も子どもを育てることで、2回目の人生を生きているようです。子育ては楽しいですよ」と語ります。里親として社会貢献することで、退職後の生活も輝きに満ちているようです。

自ら変化する仕組みづくりで自動車関連産業への参入を果たそう
(有)キキメック三人の写真
(有)キキメック代表取締秋山さん(中央)と工場長の藤本さん(左)、検査・生枝部長の四辻さん(右)

(有)キキメック内、機械の写真
 「ここにある機械はすべて中古。修理しながら使うことで、初期投資を抑えつつ、部品の量産加工が可能になりました」説明してくれるのは、中津市三光の(有)キキメック代表取締役秋山源八さん。自転車の変速機に使われる部品などの量産加工を得意とする同社は、平成14年に設立された若い会社です。
  「機械の修理や営業、納品など、睡眠時間もなかなか取れない状況でしたが、少し落ち着きました。社会保険などに加入する時は、商工会にも助けられましたよ。
  自動車関連産業に参入するには、量産体制以外にコストダウンや品質保証の理論づけなど、ハードルがたくさんあります。そこで、今年はISO9001の取得を目指します」
「泳ぎ続けないと死んでしまうマグロ」のように、自ら変化していく仕組みを持ち常に改善を続けて高いハードルを越えようとする秋山さん。
  県も昨年度「大分県自動車関連産業振興プログラム」を策定しました。ビジネスチャンスの実現に向けて取り組む地場企業を支援していきます。

 
子育て支援
医療の写真
乳幼児医療費の助成対象年齢の拡大(通院:3歳未満児→小 学校就学前まで)
「子育て応援団」の編成(子育て家庭に対する料金割引を行う店舗等)
母親の育児不安を軽減する支援プログラムの普及
里親委託推進員の配置や里親体験事業の実施
二豊学園寮舎の改築

教育の充実
30人学級を小学校2学年までに拡大
全小・中学校に学校安全ボランティア「スクールガード」を配置
大分養護学校の高等部設置に着手

福祉の充実
旧町村部が設置する総合相談窓口への支援
介護予防の取り組みの推進
在宅知的障がい者や障がい児が高齢者デイサービスセンターを利用できる仕組みの導入(構造改革特区)

美しい大分県づくり
清掃活動の写真
二酸化炭素の排出抑制と四季折々の省エネ型ライフスタイル実践の呼びかけ
地域通貨「めじろん」の発行
森林環境税を活用した美しい里山づくりと荒廃林の整備

地域づくりの支援
6振興局をワンストップ窓口とした新たな地域づくり総合補助金の創設
コミュニティバスや福祉バスの運行に取り組む新市への支援
 
 
防災・災害対策
被災して崩壊した家屋の写真
被災した個人住宅の早期復旧に向けた県独自の住宅再建支援制度の創設
木造住宅の耐震診断助成による耐震改修の促進

農林水産業への支援
農業の写真
「e-naおおいた農産物認証制度」(減化学肥料、減農薬生産)の推進
肉用牛の生産工程を明らかにするJAS公表制度の普及
農地の集積に向けての、農作業の受委託や営農の組織化推進
タチウオの資源回復計画の策定に着手

団塊の世代への支援
団塊の世代が地域社会で活躍するためのセミナー開催や人材データベースの構築

商工業への支援、社会資本の整備
東九州自動車道の空撮写真
自動車関連産業へ県内企業の参入を進めるため、地場企業の技術力向上や人材育成の取り組みを支援
高校生に対する企業と連携した実践的なインターンシップの取り組み
東九州自動車道の早期整備に向けて、用地買収等について県、地元の協力体制の構築



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