大分県庁のホームページ 『新時代おおいた』のバックナンバー
新時代おおいたVol.53(2007年7月発行) 新時代おおいたVol.53表紙
特集1 安全・安心まちづくり
特集2 スタートから1年 「森林環境税」で変わりゆく森林(もり)づくり
風紋 青年の交流
トピックス
県民ひろば
読書グループのお薦め図書コーナー
心ひらいて
とよの国の食彩
県内の各世帯に配布(奇数月に発行)しています。 ご意見・ご感想をお聞かせください。
メール:
a10400@pref.oita.lg.jp


自主防犯イメージイラスト特集1 安全・安心・まちづくり
 「安全・安心」は私たちの暮らしの基本。いきいきとした毎日を送るためには、安全で安心して暮らせる環境が何より大切です。
 大分県では平成15年に刑法犯の認知件数が17,362件と戦後最多を記録しました。1年間に県民の70人に1人が犯罪被害者となる計算になります。この危機的な状況を回復するため、平成16年に「大分県安全・安心まちづくり条例」を施行。県民団体、事業者、行政等からなる協議会組織を立ち上げ、県民運動として安全・安心まちづくりを進めてきました。
 同時に防犯意識の高まりから、県内では多くの自主防犯ボランティア団体が結成されました。その結果、刑法犯認知件数は3年連続で減少。平成18年には11,823件となりました。
 しかし、総件数は減少傾向にあるとはいえ、治安が良いと言われた昭和期に比べると依然として高水準の状態にあります。また、振り込め詐欺などの新たな手口の犯罪の増加や、子どもや女性が被害にあう犯罪の相次ぐ発生など、治安をめぐる情勢は厳しい状況が続いています。
 自らの暮らしや地域を守るために、私たちはどのようなことに心がければ良いのでしょうか。今回の特集では、犯罪防止のヒントをご紹介します。
安全パトロール隊のマーク自主防犯のポイントは?
 自分たちの地域は自分たちで守る―そんな意識の高まりから、自主防犯ボランティア活動を行う団体が増えています。隊員数400名を数える大分市の「西部地区総合安全対策推進協議会」は、県内でも最も規模が大きく、活発に取り組みを行っている団体の一つ。会長の荒金一義さんにお話を伺いました。
荒金さんの写真
会長の荒金一義さん
 「西部地区総合安全対策推進協議会は大分市春日、大道、西の台、八幡・神崎の5小学校区を統括する組織です。各校区の民生委員、自治委員、消防団など67団体で構成されています。もともとそれぞれの地区で活動をしていたのが、平成14年に手を結ぶこととなり、現在の形になりました。ネットワーク化のメリットとしては、防犯活動が活発に行われている地区同士が連携することにより、犯罪者が近寄れない範囲をより大きくできるという体制がとれることだと思います」
 協議会の活動は多岐にわたりますが、特に力を入れているのが広報活動。毎年、「安全で住みよい街づくり」推進大会を各校区、輪番制で開催。地域が広範囲のため、役員が各地区に出向く”おでかけ“開催としています。既に第5回を数え、参加者も500名以上。協議会の目的を理解してもらい、各団体が取り組んだ実践活動の報告、情報交換を行う場となっています。
 もちろんそれぞれの地区独自の活動もしっかりと行われています。例えば八幡・神崎地区では子どもの下校時間に合わせて毎日パトロールを実施。声かけ・見守りに取り組んでいます。
パトロールの様子1 パトロールの様子2
八幡地区のパトロール 各団体で担当の曜日を決めて実施している
  また、荒金さんが自治委員を務める春日地区は、大分県警察と大分県防犯協会が提唱する「一軒一灯運動」の推進モデル地区。今でこそ地域の中で浸透してきましたが、当初は苦労もあったようです。
 「最初は『電気代がもったいない』などと言われて、なかなか理解してもらうのは大変でした。そこでまずは街灯を設置して、町全体を明るくしたんです。そして『家にも灯りを点けませんか』と呼びかけると、周りが明るいので自分のところも点けようかという気になるようですね。今ではずいぶん明るい町になりました。
 地区の防犯活動のポイントは、こういうところにあると思うんですね。灯りを点ける、パトロールをする、看板を立てる。そうやって犯罪者に『この地区は防犯意識が高いんだぞ』ということを示す。すると犯罪者は近寄れなくなりますよね。私たちの防犯活動の役割は犯罪者を捕まえることではなく、寄せつけないことにあるんです」
 自分たちでアイデアを出し合い、積極的に防犯活動を展開している大分市西部地区の皆さん。会長の荒金さんに「これから防犯活動を始めたいと考えている皆さんにアドバイスはありますか」と聞くと、「こういった活動はたくさん人が集まらないと始められないと思っている方も多いのではないでしょうか。まずは数人からでも始めてみること、これが大切です。私たちの活動も最初は数人でした。それがだんだんと広がり、横の連携もできて、現在の形となったのです。
 おそらくこういった活動に関心がある方、必要性を感じている方はたくさんいらっしゃると思います。ただ、旗振り役が現れるのを皆さん待っていらっしゃるんじゃないでしょうか。ぜひ気負わず、自分から周りの方に声をかけてみていただきたいですね。すぐ前に進み始めると思いますよ。
 また、無理をしては絶対に続きません。できる時間にできる活動をする、それで十分なんです。特に若い方は仕事が忙しいこともあり、こういった活動を敬遠される方が多いようです。私たちの組織でも、若い方の参加は今後の課題の一つです。しかし、空いている時間にできる範囲のことをすることなら誰だってできるはず。自分の身を、子どもたちを、そして地域を守るために、まずは一歩を踏み出すことが大切だと思いますね」と語ってくださいました。
 振り込め詐欺や架空請求など、巧妙な手口の悪質な犯罪が増えています。大分県警察では「警察安全相談」のホームページを設けて、よくある手口とその対処方法をご紹介しています。

http://www.pref.oita.jp/keisatu/
kouhou/soudan/


また、電話相談にも応じています。
大分県警察 広報課
TEL097−534−9110(♯9110)
 大分県警察「まもめーる」は不審者の情報や防犯情報、交通安全情報などを電子メールでお届けしています。
 登録を希望される方はe@ansin-oita.jpに空メールを送信してください。返信メールにて登録方法をご案内します。

詳しくは 
http://ansin-oita.jp/seian/mls/

大分県警察 安全・安心まちづくり推進室
TEL097−536−2131(代表電話)

ご存じですか?
犯罪防止のガイドライン
犯罪の被害者にならないために、普段の暮らしの中で私たちはどのようなことに気をつけたら良いのでしょうか。
県では、県民や事業者の皆さんに配慮していただきたい防犯上のポイントをまとめたガイドライン(防犯指針)を策定しています。
主なポイントをご紹介しますので、参考にしてください。
住宅の防犯
玄関扉の防犯:カギかけ
●破壊に強い箱錠
●ツーロック(補助錠の設置)
●こじ開け防止のガードカバー
●サムターンカバー 等カギかけ
大分県ではカギをかけていないために窃盗被害にあったケースが全国平均の約2倍あり、施錠率の低さが特徴となっています。少しの時間でも「カギをかける」ことを習慣にしましょう。
見通しの確保
●植栽や塀を低く
●見通しのよい手すり共同住宅:カギかけ
●防犯カメラ  ●オートロックシステム
●屋上扉の施錠 ●見通しの確保
●明るさの確保 ●防犯設備の点検整備
●自主防犯活動の推進 等連携

公園の防犯警察署
●建築確認の助言
●情報の提供
●技術的助言
防犯ボランティアの
活動拠点設置
●公園での犯罪防止は、
 保護者と地域住民の協力
 が不可欠です。 連携
駐車場の防犯明るさの確保
●夜間、人の行動が
 確認できる

見通しの確保
●植栽のせん定
●周囲から見通せる遊具周囲との区分
●フェンス、柵等に
 より周囲と区分見通しの確保
●見通しのよい柵の設置
●死角にミラーの設置
パトロール青色パトカー子供連絡者
子ども連絡所
*防犯指針について、詳しくは
http://www.pref.oita.jp/13100/anzen/sisin/sisin.html
をご覧ください。
 誰もが安心して心豊かに暮らせる大分県を実現するために、県では、平成19年2月に「大分県安全・安心まちづくり推進本部」を設置しました。県、県教育委員会、県警察本部で行政同士の横の連携を図り、一致団結して効果的・効率的な安全・安心まちづくりを推進していきます。
  安全・安心まちづくりに関する情報は「大分県安全・安心まちづくり推進本部」のホームページをご覧ください。
 
大分県安全・安心まちづくり推進本部
http://www.pref.oita.jp/13100/anzen/
今回の特集で取り上げた「安全・安心まちづくり」を含め、大分県では県庁ホームページ上に総合的な安全・安心情報を提供する「大分県安全・安心のページ」を設けています。災害情報や食の安全・安心に関する情報などを随時提供していますので、ご利用ください。

大分県安全・安心のページ
http://www.pref.oita.jp/10400/anzen/


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