大分県庁のホームページ 『新時代おおいた』のバックナンバー
新時代おおいたVol.57(2008年3月発行) 新時代おおいたVol.57表紙
特集1 “大分県産”のチャレンジ
特集2 みんなで子育てを応援〜放課後子どもプラン
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大分県産のチャレンジ
 私たちの大分県には全国に誇れるおいしいもの、素晴らしいものがたくさんあります。
そんな自慢の県産品を、県外の人にも知ってもらいたい−
そう考える人たちが県産品を全国へ売り出そうと今、あらゆる試みに取り組んでいます。
それはどのような取り組みなのでしょうか? そしてその成果は?
目指すは県外進出。大分県産を売り込むさまざまな「チャレンジ」を追いました。
平野昭副知事
県産品がズラリ大分フェア

    スーパーマーケットの一角にきれいに陳列された日田産のなし。そしてずらりと並んだ「The・おおいた」ののぼり旗。大分県内のスーパーかなと思いきや、実はここはジャスコ福岡東店(福岡県粕屋町)。大型ショッピングモールの中にあり、福岡県内のジャスコの中でも最も集客の多い店舗です。
   昨年11月15日から18日にかけてイオン九州株式会社の主催により開催された「The・おおいたうまいものフェア」(共催:大分県、社団法人大分県物産協会)。イオン九州では「九州各地域の物産を他県の皆様にも知っていただきたい」と、地産地消を一歩進めた取り組みとして、『地産消』
The・おおいたののぼり旗
の活動に積極的に取り組んでいます。その一環で開催された大分フェアでは、福岡東店やパークプレイス大分店をはじめとするジャスコとイオンスーパーセンターの38もの店舗で、300品目を超える県産品が販売されました。   基幹店である福岡東店では期間中、大分をPRするさまざまなイベントも開催されました。まず登場したのは県民の皆さんにはおなじみのめじろん・カボたん。普段から大分県のPRに一役も二役も買っているめじろんとカボたんですが、今回の役目は子どもを対象にしたじゃんけん大会のお相手。県外の方にとってはなじみのないキャラクターにもかかわらず、その愛らしい姿は一目で子どもたちのハートをがっちりつかんだ様子。大会は大いに盛り上がりました。
   また、メインイベントとして開催された県産品オークションには平野大分県副知事や臼杵市長、日田市長が参加し、特産品や観光商品のトップセールスを行いました。大分自慢の海産物や豊後牛、別府温泉の宿泊券などがお得に購入できるとあってオークションは大盛況のうちに終了。多くの人に県の特産品をPRすることができました。
   「大分県には農・水・畜産物全般にわたり豊富な産物があり、観光資源も豊富です。大分県の良さを広く皆様に知っていただきたい」というイオン九州の思いと県産品をPRしたいという大分県民の願いが結実した今回のフェア。福岡をはじめとする九州の皆さんに大分県産の魅力を伝える良い機会となったようです。
大分高原白ねぎの挑戦

   豊後高田市は白ねぎの一大産地。生産者の仲井さんのもとを、この日県職員が訪ねていました。マーケター、白ねぎプロジェクトチームのリーダー、そして北部振興局の普及指導員の3人です。
  マーケターとは販路拡大に取り組む専任の職員のこと。県産品を県外へ売り込むとともに、市場のニーズを産地へ伝えます。プロジェクトチームは県の本庁、振興局、研究所の職員で結成された、生産者を総合的に支援するためのチーム。生産と流通は車の両輪。県ではここを集中的に支援することによって、生産と消費が同時に拡大していく好循環を目指しています。
 
仲井貞一さん
仲井貞一さん
  大分県は九州一の白ねぎ生産地。特に大きなシェアを占める福岡市場への出荷をより拡大していくために、昨夏、新たな挑戦が始まりました。高原地域で生産する夏秋白ねぎを「大分高原白ねぎ」と名称統一して豊後高田市と玖珠九重地域の生産者がともに出荷する取り組みです。
   「白ねぎは暑さに弱く、ここ豊後高田市での夏場の生産には限界がありました。そこで4年前から夏場は冷涼な飯田高原まで通って生産することを始めたんです。今回、現地の生産者とも連携をして安定出荷できる体制が整い、名称統一を果たすことができました」と大分白ねぎ連絡協議会の会長を務める仲井さんはおっしゃいます。
   大変な苦労をされてまで夏場に白ねぎを生産するのはなぜなのでしょうか。「今、小売店では産地を表示して販売しています。できれば年間を通して同じ産地のものが欲しいというのが小売店のニーズです。大分白ねぎの競争力を高めるためには、同等の品質のものを周年で安定的に出荷することが大切なんです。それができれば市場から信頼が得られて、価格にも跳ね返ってくることにつながると思います」
   県は現在、乾しいたけに続く大分の「顔」となる品目を育てる「The・おおいた」ブランドづくりに取り組んでいます。ブランド化に向けて大きな一歩を踏み出した白ねぎですが、課題も残っているようです。「これからは消費者のほうを向いて、ニーズに応える産地にならないといけないと思うんです。そのためには生産者の意識統一が何より重要です。白ねぎブランドの確立に向けて、生産者一丸となって頑張っていきたいですね」と最後に仲井さんは語ってくださいました。
仲井さんと県職員 ねぎ畑
ねぎの収穫

こだわりのはちみつプラス地域資源で全国へ
  
   杵築市山香町に工場を置く有限会社近藤養蜂場。明治42年の創業以来、手作りの味にこだわり、ミツバチの飼育からはちみつの生産までを一貫して行う養蜂家です。ここ10年ほどはジュースやジャムなどはちみつを使った加工品も手がけるようになり、国産はちみつブームの後押しも受けて首都圏をはじめとする全国へ販路を広げてきました。
   「10年間ほど県外へ出ていた時期があるんです。だからこそ分かったのが、自分は『大分が好きだ』ということ。大分の素晴らしい農産物や観光を全国に発信したいと思いました」とおっしゃるのは同社専務の近藤成明さんです。そのような考えのもと現在、従来のはちみつ加工品に加え、大分県ならではの新商品の開発にも取り組んでいます。その第1弾として誕生したのが県産のかぼす、ゆずとはちみつをブレンドしたジュース「かぼすの雫」と「ゆずの雫」。
近藤成明さん
近藤成明さん
かぼす    かぼすやゆずなど、本県の特徴的な「地域資源」の活用は、工夫次第で他の商品と差別化することができ、東京や福岡などの大消費地でも通用する地域ブランド商品となり得るものです。このような取り組みは、農業生産者、製造業者から流通業者まで大きな波及効果があり、地域の活性化にもつながります。
   国では、今年度から地場企業の地域資源を活用した商品開発や販路開拓を支援する「中小企業地域資源活用プログラム」を創設しました。近藤養蜂場はこのプログラムによる支援を受けるための国の認定を受けています。
   また、県でも新商品開発や販路開拓に対する助成制度を今年度から新設し、地場企業のチャレンジを支援しています。
   そうした支援制度を活用し、近藤養蜂場は3月に開催される国際食品・飲料展「フーデックスジャパン」に出展することが決まりました。「制度のおかげもあって、自分たちがやりたいことに少しずつ近づけていると思います」。
   制度を利用して積極的な事業展開を図る近藤養蜂場。「大分を全国の人に知ってほしいという自分の思いと今回の制度がちょうどマッチしていたと思います。これからも手作りの味を守りつつ、全国で勝負したい」と近藤さん。夢は広がります。
かぼすジュース

全国で好評 かぼすアイスキャンデー

   昨年7月、コンビニエンスストアの「ローソン」で全国発売され、好評を博した商品があります。それは「かぼすキャンデー」。大分県産のかぼす果汁を使用した、アイスキャンデーです。「他にはないさっぱり感で、あらゆる年代のお客様に受けました。暑い時期だけでなく秋までロングランで売れましたので、味が評価されたということだと思います」とおっしゃるのは九州ローソン支社で商品開発を手がける九州商品部マーチャンダイザーの森さんです。
  県と株式会社ローソンとは包括協定を締結し、地域の活性化と県民サービスの向上を目指して、協働で事業に取り組んでいます。「かぼすキャンデー」のような県とタイアップした商品開発もこの一環。「コンビニという特性を生かしながら、行政と連携し、いかに地域の皆さんに喜んでいただけるかがテーマ」と九州ローソン支社九州FCサポートシニアマネージャーの萩尾さん。その言葉どおり、県の活動を後押しするとともに、地域に密着した取り組みが始まっています。
  中でも最も進んでいるのが商品開発の分野。現在発売中の豊後牛・豊後鶏を使用したおにぎりや、ねぎを使用した惣菜・サラダなど「The・おおいた」マークのついた商品が続々と生まれています。「大分の食材は豊後牛にしろ大分味一ねぎにしろ、味が良いと思います。開発のしがいがありますね。これからも県と一緒に大分の良いものを、九州、ひいては全国に広めていきたいです」と力を込めておっしゃる森さん。関係者の努力の甲斐あって、いずれの商品も予想を上回る好調な売れ行きを示しています。
森洋人さんと萩尾伸廣さん
森洋人さん(左)と萩尾伸廣さん
豊後牛のおにぎり   おおいた国体が開催される今年。「この機会に県外の方に大分をしっかり紹介したい」との思いから、現在開発が進んでいるのが国体応援弁当。大分の名物・食材を使用し、大分を丸ごと味わえるような幕の内弁当を企画中だそうです。「国体があって良かったな、と思えるように頑張ってPRします」と森さん。
  最後に今後の展開について萩尾さんに伺うと「県とタッグを組むことによって、コンビニエンスストアの我々には、よりいっそう地域に密着した取り組みがいろいろとできるんじゃないかと思うんです。今後はより連携を密にして、できることを一つ一つ形にしていきたいですね」と語ってくださいました。

全国で売り出される大分県産
東京都内の量販店でカボスの試食・宣伝販売を
実施(平成19年9月) 関西の量販店で農林水産物の「大分県フェア」を
実施(平成19年9月
東京都内の量販店でカボスの試食・宣伝販売を 実施(平成19年9月) 関西の量販店で農林水産物の「大分県フェア」を 実施(平成19年9月)


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