特集1
実践しよう!ユニバーサルデザイン
特集2
ありがとう!おおいた国体・おおいた大会
風紋
ありがとうございました
県民ひろば
心ひらいて
とよの国の食彩
県内の各世帯に配布(奇数月に発行)しています。 ご意見・ご感想をお聞かせください。
メール:
a10400@pref.oita.lg.jp
県が平成20年9月に実施した調査によると、「ユニバーサルデザイン」という言葉を見聞きしたことがあるという人は79%。一方、まったく知らないという人も21%います。
「ユニバーサルデザイン」は、1980年代にアメリカのロナルド・メイス氏(ノースカロライナ州立大学)によって初めて提唱された概念です。日本語では「万人向け設計」、「みんなのためのデザイン」と訳されています。
つまり、障がい者や高齢者はもちろん、子ども、妊産婦、左ききの人、外国人などあらゆる立場の人に配慮してデザインすること。具体的には「使えない人はいないだろうか?」「こうすればもっと使える人が増えるのでは?」と考えながら、ものづくりやまちづくりなどを行うことを意味します。
ユニバーサルデザインの考え方が広まっている社会を「ユニバーサル社会(共生社会)」といいます。この特集を読んで、少しでもユニバーサルデザインを理解し、できることから実践してみませんか。みんなが暮らしやすいユニバーサル社会の実現を目指して―。
洗面台に鏡が設置されています。この高さでは車いす使用者や子どもは使えません。
バリアフリーとして斜めの鏡が設置されました。しかし、これでは使う人が限られてしまいます。
今度は縦長の鏡を設置しました。これならみんなが使えます。
バリアフリーとユニバーサルデザインは車の両輪です。今あるバリアは「バリアフリー」で取り除く。今から新しくつくるものは「ユニバーサルデザイン」の考え方でつくる。はじめからユニバーサルデザインでつくれば、バリアフリーはいずれ必要なくなります。ユニバーサルデザインの輪はどんどん大きくなる、バリアフリーの輪はどんどん小さくなる―
目指すはそういう世の中です。
多言語案内標識
外国人も読めます。
ピクトグラム(絵文字)は小さな子どもでも意味が分かりやすいです。
点字付き
アルコール飲料
目が不自由な人でも、アルコールと清涼飲料水などを区別できます。
数字が四隅にある
トランプ
左ききの人でも使いやすいです。
はじめから近接して
整備された昇降設備
階段、エスカレーター、エレベーターが隣接しています。自分の身体的状況などに応じて、「使いたいものを自分の意思で選ぶ」ことができます。
背の低い自動販売機
子どもも高齢者も車いす使用者も、だれもが使いやすいです。
商品取り出し口も自動で開くような工夫がされています。
10月11日から13日にかけて開催されたチャレンジ!おおいた大会(第8回全国障害者スポーツ大会)。この大会をきっかけに、UDへの理解が急速に広まっています。
おおいた大会で200名近い障がい者の宿泊利用があったという大分東洋ホテル(大分市)を訪ねました。「当館の玄関には15cmほどの段差があり、ご高齢の方や車いす利用の方にご不便をおかけしていました。今回、おおいた大会を一つのきっかけとして、ユニバーサルデザインの視点に立った改修を行いました」とおっしゃるのは宿泊部支配人の岩尾さんです。
東洋ホテルでは玄関にスロープを設置。手すりには、にぎりやすい「波形手すり」を採用しました。「改修に当たっては、県の『ユニバーサルデザイン実践モデル事業』の補助を受けましたが、県職員と話し合いながら進めていけたのでUDへの理解が深まりました」。常に「お客様にとって一番便利なのはどのような形だろう」と考えながら決めていったといいます。
「大会を機に社員の意識も高まったと思います。これからも、ハード面はもちろん、スタッフの配置や気配りなどソフト面も充実を図り、皆さんが使いやすいホテルを目指します」と岩尾さん。ユニバーサル社会実現のために、このような取り組みの一層の広がりが期待されています。
おおいた大会に向けて実現した画期的な取り組みがあります。インターネットでの「多目的トイレマップ」の情報提供がそれです。
サービスを提供しているのは、県内の民間企業3社(有限会社ライフ・エモーション、株式会社Be-project、株式会社ザイナス)。「障がいのある方の『外出するとき、トイレのことが気になって…』という一言から、このサービスの必要性を強く感じました」とおっしゃるのはライフ・エモーションの藤元さん。「多目的トイレはいろんな施設に整備されています。せっかく整備されているトイレの情報を、みんなで共有できるようにと作成しました」。
利用者はこのサービスをどのようにとらえているのでしょうか。「実際のトイレの写真が見られるし、コメントや評価を見て選ぶこともできるので、安心して出かけられます。」とおっしゃるのは車いす使用者の原野さんです。「便利なサービスなので、もっと多くの人に活用してもらいたい。そうすればますます内容も充実してくるのではないでしょうか」。
このサイトのコンセプトは「みんなで作る」。閲覧するだけでなく、どなたでも自分の知っているトイレの情報を登録できるようになっています。「広く使っていただけるよう、パソコンや各社の携帯電話、カーナビなどさまざまな機種で対応するようにしています」と藤元さん。皆さんの活用によって育つ「多目的トイレマップ」。ぜひご利用と情報登録をお願いします。
おおいた・バリアフリーマップ
トイレ以外のさまざまな施設や交通情報がご覧いただけます
http://www.pref.oita.jp/12000/bfmap/
多目的トイレマップ
●パソコン版
http://wc.m47.jp/
●モバイル版
http://wc.m47.jp/m/
まちがユニバーサルデザインで整備されていても、それを使う私たちがマナーを守らなければまったく意味のないものになってしまいます。
例えば…
健常者なのに車いすマーク駐車場に停めていませんか? 車いす使用者は、車いすマーク駐車場でないと駐車することができません。3.5mの幅がないと、車から乗り降りできないからです
UDは特定の人だけに関係のあることではありません。年を取る、子どもができる、ケガをする…、だれにでも起こりえることです。
だからこそ、UDが必要なのです。だれもが暮らしやすいユニバーサル社会の実現に向けて、皆さんもできることからはじめてみませんか?
小中学校を対象に県が実施している「UD出前授業」。
児童・生徒の「こころのUD」を育むことを目指している。
地域福祉推進室
tel:097-506-2622
http://www.pref.oita.jp/12030/ud/
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