| 大分県は、知恵を出し、汗をかいて、儲かる農業を目指しており、そのためには次の四つのポイントが重要だと考えている。 |
| ● |
「安全」 消費者はこれまで以上に安全な食品を求めるようになっており、これに応えていくことが重要である。 |
| ● |
「生産性の向上」 規模の拡大や、集落営農などの共同化によるコスト削減などの取り組みによって競争に打ち勝ち儲かる農業を進めていく。 |
| ● |
「販売戦略」 流通の変化に対応して、販売形態、相手方、価格設定などの作戦を十分に練った上で生産に取り組むことが必要である。販売の対象は国内に限らず、輸出など攻めの農業も目指していく。 |
| ● |
「付加価値」 農産物そのものの付加価値を高めていく とともに、グリーンツーリズム(農家民泊)や農村の癒やしの機能を生かした保健、医療などのサービス産業との 融合で、付加価値を高めていく。 |
|
[県の施策] |
| ● |
空き店舗等活用事業 |
| |
商店街が魅力ある商店街形成を行うために空き地、空き店舗を活 用して店舗等を誘致する際に必要な賃料、改修費を補助するもの。
〈問い合わせ先〉 商業・流通課 商業振興係
(16年4月から商業・サービス業振興課 商業サービス業支援係)
097−536−1111 内線/3284・3285・3286 |
| ● |
エコファーマー |
| |
土づくり、化学肥料・農薬の使用の低減を一体的に行う計画を策 定し、実行する農業者を県知事が認定する制度。大分県では平成 16年3月までに958人が認定を受け、年々増加している。
〈問い合わせ先〉営農指導課 生産環境係
(16年4月から農産振興課 安全流通室 生産環境担当) 097−536−1111
内線/3651・3652・3653 |
|
|
|
| 綱引きの縁で |
平成2年、ロスアンゼルス市のブラッドレー市長に挑戦状を送り付け、大分県から綱引きの団体がアメリカへたった。挑戦を受けて立ったブラッドレー市長をはじめとする2500人がロスのズーマビーチに集まって綱を引き合い、その模様は全米にテレビ放送された。
このとき現地のヤオハンで開かれた大分県物産展に株式会社山忠の海藻サラダが出品され反響を呼んだ。山忠は佐伯市の海藻加工メーカーで、海藻サラダを最初に開発した企業であり、ヒジキの加工では日本一の実績を持っている。山城繁樹社長はこのチャンスを逃さなかった。このとき知り合ったミューチャルトレーディングという会社の副社長が大分県三重町の出身だったという地縁もあり、それ以後、5回にわたってアメリカへ海藻の売り込みに行ったのだ。
いま日本ではヘルシーフードへの関心が高まっているが、その点ではアメリカのほうがずっと先輩である。アナハイムのディズニーランドの入り口で毎年『ヘルシーフードエキスポ』が開かれ、ミューチャルトレーディングがブースを持っていたので山城社長もそこへ出品させてもらった。こうした5回にわたる売り込みの努力が実を結び、アメリカのヘルシーフードの世界へ輸出できるようになった。日本で人気のあるオリジナル商品「海藻サラダ」はアメリカバージョンのPB(プライベートブランド)をつくった。それがアメリカで売られている「Ocean Greensオーシャングリーンズ」である。
現在、株式会社山忠が年間アメリカに輸出している海藻とその加工食品は次のような構成になっている。赤とさか、青とさか、白とさか、赤のり、合わせて約1.5t。(以上は塩蔵)
オーシャングリーンズ、茎ワカメ、米ヒジキ、長ヒジキ、ワカメ、海藻サラダミックス、炊き込みワカメ、ヒジキ白あえの素 、合わせて約10t。 |
| 高級レストランの海藻サラダ |
| ヨーロッパの人たちは海藻を食べないと言われてきた。事実、日本から養殖用に輸出したカキにワカメの種がついていき、ヨーロッパ北西部のビスケー湾にワカメが大量発生したことがあったが、フランスやスペインではそれを食用にではなく海藻肥料や飼料にしたという。 ところが、ここ10年で食べ物の趣向が変わってきた。佐伯市出身の小西さんというレストラン経営者がスペインのコスタ・デル・ソルに開いた高級レストランでヘルシーフードの海藻料理を出したところ人気が出て注文が多いという。そのレストラン一軒に向けて山忠から年間、海藻サラダと彩り海藻が輸出されている。 |
| 赤トサカなんと5t |
韓国で大皿の刺し身料理が出されるとき、刺し身の下にパリパリした太いはるさめのようなものが敷かれていることがある。普通の観光客なら見過ごすかもしれないその食材に目を止め、山城社長は食べてみた。プチプチパリパリして面白い食感だった。原材料は海藻だという。すぐにその食材のメーカーを調べ、まもなく業務提携し、九州の清流番匠川の水を使った佐伯市での加工に踏み切った。こうして山忠の「プチマリン」という人気商品が開発されている。
欧米に比べれば韓国はなんといってもお隣であり、お互いに”ごはん文化圏“の国である。海藻を使った人気料理が韓国でできないかと、プチマリンで業務提携した会社の社長に提案し、両社で開発したのが「海藻ビビンバ」である。現在、ソウルに「海藻ビビンバ」の専門店ができて人気を呼んでいる。
韓国へ山忠から輸出されている海藻のトップはなんといっても赤トサカの年間5tである。それから新しい現象としては、ヒジキを食べないと言われていた韓国で「ひじきふりかけ」の人気が高く、初回だけで200s輸出されていること。食べてみておいしければ受け入れられる。世界の食の傾向もアプローチしだいで変わってくるようだ。 |
| ヒジキーいまなら日本一の産地になれる |
21世紀は海の時代と言われるが、山城社長は海藻を21世紀の地球人にとって大切な食糧と考えている。ビタミン、ミネラル、食物繊維といった健康に必要なものが摂取できることが一つ、海藻は無尽蔵といえる量で食糧危機に備えられるということもある。さらに海藻は人類にとって生命の源である海を浄化する。海藻を育てることは、環境を守ることだと言う。
山忠には「国東半島ひじき畑構想」というプロジェクトがある。国見町と蒲江町に漁協の養殖場があり、大分県海洋水産センター浅海研究所が中心になって平成11年から試験段階の養殖を続けている。国見町はもともと大分県一の天然ヒジキの産地なので、この試験にも関心が深く、漁協の委員長が協力しているという。 日本のヒジキの7〜8割は韓国などからの輸入品だが、「国産」「地産地消」ということに購買者がこだわりを見せはじめた現在、国産の養殖場をつくることに大きな意味があると関係者は言う。この試験場でできたヒジキは山忠で試験的に加工されている。山城社長は「国東半島ひじき畑構想をぜひ成功させたい。他県がどこも手をつけていない試みで、いまなら大分県がまちがいなく日本一のヒジキの産地になれる。いまがチャンスです。」と熱く語る。 |
|