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竹の温もり

竹製車椅子
サン創ing 三浦陽治さん(日出町)
機能や強度は落とさずに、竹のよさを強調した
シンプルで美しい車椅子に仕上げたいんです。

手に触れる部分はすべて、冷たい感触の金属ではなく竹。
しなやかな竹の弾性を生かし一台一台手づくりされた竹製車椅子は
温もりある質感と、洗練された家具感覚のデザインが魅力だ。
竹製車椅子の写真
由布院『玉の湯』で使われている竹製車椅子。
これは発売初期の製品で、その後細部は改良されている。

全国屈指の竹加工技術を駆使し こだわりの職人の手で完成した車椅子の名品
 由布院温泉の老舗旅館『玉の湯』の一角にさりげなく置かれた竹の車椅子。それは緑溢れる美しい宿の空間に調和し、介護のための機具というより、洗練された家具といった印象だ。しなやかな曲線を描くフレームやハンドリム、卵型の可愛いブレーキグリップなどはすべて竹製。利用客からも「竹の優しい感触や温かな質感がいい」と好評で、これまでに数台の注文もあったという。
 この竹製車椅子を開発したのは、県産業科学技術センターと県竹工芸・訓練支援センター。平成11年度に開発がスタートし、JIS試験やモニタリングにより改良を繰り返して平成14年度に商品化された。開発スタッフの1人、県産業科学技術センターの中原恵さんは、「大分県は国内有数の竹材生産地で、別府を中心に竹の加工技術が集積しており、竹専門の研究機関と訓練校を有する全国唯一の地。この技術的な下地があったからこそ商品化までこぎつけることができた」と話す。
 これを引き継ぎ、改良を重ねて製作を行っている『サン創ing』の三浦陽治さんを日出町の工房に訪ねた。三浦さんは店舗や住宅家具製作のかたわら竹製車椅子に取り組んでいる。技術の基本は木の家具と共通するが、竹は弾性が強いため、特に輪っか状に曲げるハンドリムなどは、ベストなつくり方を見つけるまで苦労したという。
 「竹のよさを前面に出し、よりシンプルで美しい車椅子にしたい」と考えた三浦さんは、機能や強度を落とさないことを大前提に、金属部分を減らすか隠すことで竹の純度(全体の中で竹の占める割合)を上げ、特有のしなやかな曲線を強調する工夫を重ねた。完成した車椅子は座面の布を除けば全体の95%以上が竹。3〜4mm厚程度に薄く削った1.8mの竹板が1台当たり約65本使われている。もちろん「安全性が第一」と、細部まで点検を怠らない。竹は生き物だから、夏と冬でつくり方を変えるなどの工夫もなされている。
 販売代理店を請け負う理化学機器事業所、(株)エムツーアイの所長・羽矢宏嗣さんは、「いい職人さんに恵まれ、自信を持って販売しています。公共の場などに置いていただき多くの人に知ってもらえれば嬉しい」と話す。竹製バスケット付きで1台398,000円と高価だが、お年寄りや軽度障害者が家庭で長い時間を過ごすのにこんな家具感覚の車椅子があったら、心豊かな日々が送れるに違いない。
 常に自作の車椅子に乗って改善点を探っている三浦さんだが、「買っていただいたお客様には後日電話して使い心地を伺っています。ハンドルの感触がやわらかくていいね、などという声を聞くとやはり嬉しい。自分がつくった証しがほしいんですね(笑)」。こんな実直な職人さんの手で車椅子に生まれ変わる竹は、シアワセ者ですね、きっと。
竹のバスケットの写真
別府の編組技術を生かした竹のバスケットは、好評のため今年4月から標準装備となった
ハンドリムの写真
十分乾燥させたモソウチクの薄い板を7枚輪っか状に曲げて貼り合わせてつくるハンドリム
作業風景
加工に使う治具(ジグ・補助工具)は三浦さんが家具製作の経験から車椅子用につくったオリジナルだ
フレームの写真
美しい曲線を描くフレームは同形の2本の曲線パーツを向き合わせて組んだもの。作業の効率化のため、パーツごとにある程度まとめてつくって保管している
ブレーキハンドルの写真
「実はこれに一番神経を使う」という竹のブレーキハンドル。1個1個手の先で回しながら削っていくため、形や大きさを揃えるのが難しい
羽矢さん、三浦さん、浅倉さんの写真。
右から羽矢宏嗣さん、三浦陽治さん、三浦さんの弟子・浅倉雄毅さん。竹製車椅子の製作は日田市の『木工房 石橋』と共同で取り組んでいる。「今後は竹製シルバーカートや歩行器などファミリー商品も手掛けたい」と羽矢さん。左が最新型のもの。 
サン創ing
日出町大字豊岡4771
TEL0977-72-3338

株式会社 エムツーアイ
大分市宮崎416番地クマダ大分ビル4F
TEL097-554-6880

木工房石橋
日田市小迫町221
TEL0973-22-9503

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