おおいターン

日本にもっと車いす競技の国際大会を
輝く大分人 おーいた

パラリンピックや、数々の国際レースでの輝かしい成績を誇る車いすアスリート、廣道純さんが、ここ大分に暮らしている。自身のトレーニングやレース以外にも、車いすレース普及のために積極的に活動している廣道さんにお話をうかがった。

車椅子アスリート廣道純さん
廣道さんの写真

ケガをきっかけに見つけた自分の生きる道
 高校1年の時、バイクの事故で脊椎を損傷したんです。3カ月寝たきりで過ごし、その後車いすの生活になりました。でも、全然落ち込まなかったんですよ。「死んでいたかもしれないのに助かった。動けなくなっていたかもしれないのに、車いすを使えば動けるんだ」とプラス思考になれたんです。むしろ生きている喜びを強く感じていたくらい。車いすに乗れた時も嬉しくて、同年齢の子たちと病院の中をものすごいスピードで競争して、先生によく怒られてましたね。入院中、リハビリの先生のすすめで「大阪市長居障害者スポーツセンター」の見学に行って、そこで障がい者でも努力次第で勝負できる世界があることを知ったんです。車いすマラソンとの出会いもこの時。風を切って走るあのスピード感が何とも言えず気持ち良かったですね。
 99年、大分の「ホンダ太陽」へ入社して以来、大分にずっと住んでいるんですけど、僕が引っ越してきたことが地元の新聞の夕刊に大きく載ったんですよ! びっくりしました。それだけ、車いすレースを純粋なスポーツとして見てくれている人たちが多い場所なんでしょうね。
日本での国際大会をもっと増やしたい
 2004年3月からプロの道に進みました。活動の幅をもっと広げたいという気持ちがあったからです。今は講演活動もしています。日本ではまだ、僕のようにある日突然車いすの生活になる人にとって、この先どうすればいいのかという情報量がすごく少ない。ただただ絶望する人も多いはず。車いすレースの道なんて思いつかないでしょうね。車いすレースは、第ニの人生のレース。だから、この素晴らしい世界のことを少しでも多くの人に知ってもらいたいんです。
 車いすレースの普及をめざして、選手の育成や大会の運営にも取り組んでいます。日本での国際大会を増やしたいんです。海外の大会に出場して感じるのは、車いすレースの、陸上競技としての認識の高さ。スタンドいっぱいの声援といったらすごいですよ。9月に大阪で開催される世界陸上も楽しみです。選手が世界各国から集まるのはもちろん、世界中の陸上ファンが見に来てくれるから。会場は大阪市長居陸上競技場。初めて車いすレースに出会った長居ですからね。思い入れの強さはひとしおですよ
ストイックに鍛錬する毎日
 普段の練習は、別府市野口原総合運動公園、大分市営陸上競技場、田ノ浦などで行ないます。西大分のかんたんで海をぼーっと眺めているのが好きで、朝から練習を始めるまでずっといることが多いですね。トレーニング法はひたすら走ること。トラックでのスピードの練習、ロードの練習、坂を走ったり。講演など特別なことがない限りは、ほぼ毎日練習します。
 目下の目標は、世界陸上と北京オリンピックで金メダルを獲ることです。2年前に結婚したんですけど、いつかは子どもがほしい。父親になって、なおレーサーとして活躍していたい。これも僕の中での大きな目標です。

↑廣道 純さん(34)
大阪府堺市出身。94年、ボストンマラソンを皮切りに世界各国のレースに出場。96年の大分国際車いすマラソンでは、日本人初の総合2位に。2000年シドニーパラリンピック800mで銀メダル、04年アテネパラリンピック800mで銅メダルを獲得。04年、プロへ転向。レースに出場しつつ、テレビ、ラジオの出演、講演、選手育成、車いすレースの大会運営などにも取り組んでいる。


●最新情報●
大阪で開催された「世界陸上」で、廣道さんが1500m車いす競技において、6位に入賞しました。廣道さんは、10月28日(日)開催の「第27回大分国際車いすマラソン大会」にも出場する予定です。みんなで応援しましょう! 

練習風景の写真

別府市野口原総合運動公園での練習風景

2004年アテネオリンピックの写真

2004年アテネオリンピック800mで
銅メダルを獲得


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