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台風対策マニュアル(水稲・大豆)

印刷用ページを表示する掲載日:2014年8月19日更新
 

台 風

〔水稲〕
1.被害の発生様相
(1) 水稲の発育時期や生育状態によって被害の様相は異なる。
 
(2) 茎葉の折損や裂傷、籾ずれ、脱粒、倒伏などの機械的障害と潮風やフェーン風などによる強制脱水などによる生理的障害があるが、別々に発生する場合と相互に関連して発生する場合がある。
 
(3) 陸上の風速が15m/S以上になると、稲の振動速度が大きくなり、茎葉の損傷が大きくなる。
 
(4) 9月上旬頃までの台風は、早期水稲の収穫期にあたるため、茎葉の裂傷のほかに倒伏し、排水の悪い圃場では刈遅 れによる穂発芽の発生で品質・収量とも低下する。普通期水稲で出穂前のものは、茎葉の裂傷が主体となるが、早生種などで出穂期直前のものは穎花数の減少で減収する。
 
(5) 9月中旬以降が最も台風に遭遇する確率が高く、被害も大きい。出穂前の被害は主に葉の損傷による生理的機能の低下、病害の発生による光合成能力の低下などにより一穂穎花数が減少する。出穂期や出穂直後のものは、しいなや屑米が多発する。しいなは受精した子房の初期発育防止により発生する。屑米は葉の損傷による光合成機能の低下と籾の損傷による貯蔵機能の低下によって発生する。
 
(6) 被害を最も受けやすい時期は出穂1週間後の前後数日間で、穂に対する被害が最も大きく、籾ずれ、登熟不良、千粒重の低下などをもたらす。
 
(7) 登熟後期~収穫期の被害は、茶米、変形米、心白米、不完全米が発生し、脱粒、倒伏により穂発芽をもたらすとともに収量、品質が低下する。
 
(8) 茎葉の損傷、籾ずれなどの被害を受けたものは、病害虫の発生が多くなるので早期防除が必要となる。
 
(9) 夜間の台風は稲の吸水量が少ないため、蒸散量とのバランスがくずれ、葉先の裂傷や倒伏が大きく、出穂期には白穂の原因となる。特に、乾燥した風の影響か大きい。しかし、昼間では白穂の発生は少ない。
 
(10) 沿岸地域では潮風による塩害で枯死または登熟不良となる。特に、台風通過と満潮時が重なる場合は危険度が大きい。
 
 
2.対策
(1) 熟期の異なる、早、中、晩生品種を組み合わせて危険分散をはかる。
 
(2) 倒伏抵抗性を大きくするため、深耕を行い、有機物やケイ酸、石灰など土壌改良剤を十分施し、土づくりに努め、根を深く張らせ丈夫な稲を育てる。
 
(3) 台風時は蒸発散が盛んになり、吸水量も多くなるので、台風情報などに注意し、早めに深水湛水する。深水湛水は稲体の激しい動揺を防ぎ、機械的損傷も軽減できる。なお、台風通過後も水田が乾かないように十分灌水する。
 
(4) 冠水した場合は、早期に汚濁水を排除し、新しい水と入れ換える。
 
(5) 水田に海水が侵入した場合は、直ちに排水し、真水と入れ換える。出来ればかけ流しを行って除塩する。干ばつ状態にしないこと。
 
(6) 幼穂形成期以降は、葉の損傷で、根の老化も急速に進むので、土壌中に酸素を補給し、根の活力維持をはかるため、間断灌水を励行する。
 
(7) 早期水稲の場合は、収穫直前のものはできるだけ台風前に収穫する。
 
(8) 台風通過後は、白葉枯病、穂いもち、紋枯病、トビイロウンカが多発するので、発生状況を確認し、防除を徹底する、また、籾ずれなどによるいもち病菌、ばか苗病菌、その他雑菌の侵入も多くなるので早期に防除する、(県主要農作物病害虫雑草防除基準を参照)
  
〔大豆〕
1.被害の発生様相
(1) 開花期以降~登熟期にかけて被害を受ける。
 
(2) 被害は茎の折損、葉の裂傷、落葉、倒伏などの発生で、光合成能力は低下し、生育障害を引き起こして減収する。
 
(3) 台風時の降雨による湿害などで、根の組織が壊死したり、木化して、生長が衰え減収する。特に落莢、莢数の減少、登熟不良による百粒重の低下で減収する。
 
(4) 冠水による被害は、半日(12時間)の場合、若莢期(開花期後5日)で5%程度、成莢期(開花期後30日)で15%程度の減収とされる。
   
2.対策
(1) 本県の大豆作付け圃場は転換畑が中心のため、排水不良による湿害で、生育障害をおこし、減収する場合が多いので、排水対策を徹底し、地下水位40cm程度を維持するように努める。
 
(2) 冠水を受けた場合は、直ちに排水を行う。
 
(3) 開花期までに2~3回の中耕、培土を行い、新根の発生を促すとともに、根の支持力を高めると倒伏防止効果は高い。
 
(4) 台風通過後は紫斑病の発生が多いので、防除を徹底する。
 
  

潮風害

〔水稲〕
1.被害の発生様相
(1) 台風の進路によって被害の発生に地域性がある。
 
(2) 水稲に対する減収率は海岸からの距離によって異なる。
 
(3) 日射の強い昼間の方が夜間よりも被害が大きい。
 
(4) 潮風のあとに雨が降れば被害は軽くなる。
  
 
2.対策
(1) 生育期に潮風害を受けた場合は応急的に深水や淡水のかけ流しを行い、塩分濃度を低くする。
 
(2) 成熟期に近いものは早刈りする。
 
(3) 被害がひどく、白化したものは早急に刈取り、圃場外へ搬出し、後地へ他の作物を栽培する。
 
  
〔大豆〕
1.被害の発生様相
(1) 基本的には水稲に準ずる。
 
(2) 潮風害は台風時に生ずることがほとんどのため、強風により葉の裂傷、落葉がともなう。
 
(3) 開花直後のものは収穫は期待できない。
 
(4) 登熟中に被害を受けたものは、収量、品質とも劣るか皆無となる。
  
  
2.対策
(1) 生育期のものについて動噴などを利用して淡水で洗浄する。
 
(2) 収穫期に近いものは1週間程度早くても収穫する。
 
(3) 白化し落葉したものは、早く刈取り、他の作物を作付けする。
  

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