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台風対策マニュアル(野菜)

印刷用ページを表示する掲載日:2014年8月19日更新

事前対策

    この時期は、トマト・ピーマン・なす・きゅうり等の果菜類や、ねぎ・にら・ほうれんそう・キャベツ等の茎葉菜類、にんじん・だいこん等の根菜類等の夏秋野菜の生育及び収穫時期であり、また秋冬野菜の播種、定植時期でもある。
 
1.共通事項
(1)被害にあったら、被覆ビニールやハウス資材、病害虫防除のための薬剤への注文が殺到する他、種のまき直しや代替作物の栽培として、これからの秋冬野菜の種子の注文が殺到することが考えられるので、事前に在庫の確認や確保を行っておくことが大切である。
 
(2)潮害も併行して起こるので海岸部ではベタがけ資材の準備や散水施設の整備を行わせるようにする。
 
2.施設保全対策
(1)ガラス温室
ア.屋根部やサイド部ガラスの留め具のはずれ、ガラスとガラスのずれ、ガラスの破損等があれば修繕しておく。
 
イ.出入り口や側窓がきちんと施錠できるか確認しておく。
 
ウ.ガラス温室周辺に、強風で飛ばされてガラスを破損するようなものがないようにしておく。
 
 
(2)ビニルハウス
ア.ハウス周囲に敷設してある防風ネットの補強、破損部の修繕を行っておく。
 
イ.ハウスビニルを押さえているハウスバンドを締め直し、たるみがないようにしておく。また、ハウスバンドの劣化(ほつれ、切断、金具のはずれ)の有無を点検し、あれば修繕しておく。
 
ウ.ビニペットのスプリングのはずれている箇所があれば修繕しておく。
 
エ.換気扇を設置しているハウスでは、換気扇の吸引能力と吸入口の開き度、ビニルの締め付け具合をみておき、シャッター取り付け部金具の腐食程度が大きければ取り替えておく。台風襲来時は、吸入口のシャッター及び換気扇シャッターの開き度とビニルの締め付け具合を勘案しながら、吸入口のシャッター開く度合いを調整できるようにしておく(シャッターの開き度が小さいと強風時にシャッターが押さえつけられて、空気の取り入れができなくなり、密閉度が高いビニルハウスほどビニルの締め付けが強まり、ビニルが破れてかえって大きな被害を生じることがある)。
 
オ.「台風等強風に対するハウスの補強のポイントと効果」を参考に、ハウスの補強を行っておく。
 
3.その他
ア.架台で育苗中のイチゴについては、直管で立脚部を補強しパネルも固定するとともに、寒冷紗等でイチゴ苗を覆い風害を避ける。
 
イ.ハウス回りの排水溝をさらえ、排水対策を万全にしておく。
 
ウ.海岸部では、ビニル除去あるいは破損に伴い潮風害が生じることが予想されるので、茎葉部に付着した塩分を洗い落とすために、農薬タンク等に水をためておく。
 
エ.重油タンクはしっかりと固定しておき、燃料コックを閉めておく。
 

接近時の対策

(1)テレビ、ラジオ、携帯で最新の台風情報を確認する。さらに、関係機関に問い合わせ情報の共有化を図る。
 
(2)天窓開閉装置の電源等は切っておく。
 
(3)出入り口の扉が風にあおられて開いたり、動いたりしないように、しっかりと固定しておく。
 
(4)暴風雨になる場合は、栽培施設には近寄らない。やむを得ない補強作業を行う場合はヘルメットを必ず着用し、作業服等にも配慮する。
 
(5)換気扇を設置しているハウスでは、換気扇を作動させてビニルのあおられ防止を行う。
 
(6)古いビニルの場合は破れやすくなっているので、暴風になることが予想される場合には、ビニルを除去あるいは破ってしまい、施設の倒壊を回避する。

fig1 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

fig2

    

     

      

  

     

1.いちご
(いちご育苗圃)
(1)雨よけ資材を除く前に炭そ病の薬剤散布を行う。
 
(2)棚式、雨よけ育苗では、棚の倒伏を防ぐための筋交いの設置、パネルやポリポットが飛ばされないように寒冷紗の被覆と重りをさげる。また、雨よけ資材は早めに取り除く。
  
(3)地床育苗では、冠水防止のため、周辺の排水溝設置、ポリポットが飛ばされないよう寒冷紗で覆う。
 
 
(いちご本圃) 
(1)高設栽培では、ベンチの倒伏を防止するための筋交いの設置、台風通過後に定植できるようベンチ内の排水コックを開いておく。
 
(2)地床栽培では、台風通過後に適期定植できるよう、元肥を施用、作畦してから古ビニールをかけておく、また、圃場周りの排水溝を設置する。
 
(3)定植後の場合、茎葉が吹き廻されないよう防風ネットや寒冷紗で押さえる。
 
 
2.露地野菜
(1)圃場回りの排水対策を徹底する。
 
(2)きゅうりやなす等果菜類については、支柱の補強や支柱への誘引を徹底する。但し、強風が予想される場合は、きゅうりやインゲン等は、誘引をほどいて植物体を引き降ろしできるものについては樹高をできるだけ低く下げ、風害をできるだけ回避できるようにする。
 
(3)キャベツ等茎葉菜類については、寒冷紗や防虫ネット、不織布等で覆い風害をできるだけ回避できるようにしておく。
 
(4)白ねぎでは、支柱を立ててヒモを張り、倒伏防止を行う。圃場内に管理機を入れることが可能であれば、土寄せを行う。また、滞水しないように排水対策をおこなう。
 
  

台風通過後の対策

1.施設の復旧
(1)早急に施設を点検し、破損箇所があった場合は修繕する。
 
(2)環境制御などの電源を入れて作動を回復させ、ハウス内環境を復旧させる。
 
(3)サイドビニルをあげ、換気に努める。
 
  
2.いちご
(いちご育苗圃)
(1)寒冷紗等の被覆資材を早急に取り除き、炭そ病、疫病の薬剤散布を行う。
 
(2)育苗圃場周辺の迅速な排水に努める。
  
 
(いちご本圃)
(1)台風通過後に適期定植できるよう、定植準備を行う。
 
(2)定植後の場合、速やかに防風ネットや寒冷紗をはぎ、圃場周辺の迅速な排水に努め、炭そ病、疫病の薬剤散布を行う
 
(3)特に地床栽培では、壊れた畦を再度土上げしたり、中耕を行い、生育促進に努める。
 
 
3.トマト
(1)茎葉の傷みが激しいと思われるので早急に薬剤散布を行い、薄い液肥か少量の化成肥料の追肥を行う。
 
(2)ビニールが剥がれた場合、茎葉の傷みに伴う、樹勢低下が起こると思われるので、薄い液肥か少量の化成肥料の追肥を行う。
 
(3)茎葉の傷みにより斑点細菌病等細菌性の病害の発生が予想されるので、銅剤等による予防散布を行う。また、他の病害(灰色かび病、葉かび病、疫病等)の発生が心配されるので適用薬剤の速やかな散布を行う。
 
(4)風で根元が動き、浮いていることも考えられるので土寄せや、軽い鎮圧を行い根の浮きをなくしてやる。
 
(5)促成栽培において、台風に遭遇した場合、茎葉が折れたものは側枝を発生させるか、腋芽のさし木により苗を養成するともに、ビニール被覆を急ぐ。
 
(6)樹への負担を軽くするため被害を受けた後の収穫は小果で行う。
 
(7)草勢の回復を早めるために葉面散布も取り入れる。
 
 
4.白ねぎ
(1)圃場が滞水している場合は、圃場周囲の排水溝の切り直しや補助溝を設ける等、速やかに排水する。
 
(2)強風で葉・茎折れ等の傷みや、土壌の流出による倒伏、長時間の滞水・冠水による根傷み等による病害の蔓延が懸念されるため、台風通過後速やかに薬剤を散布する(軟腐病、黒斑病、疫病、白絹病等)。
 
(3)大雨等で肥料落ちとみられる圃場は必ず追肥をおこなう。
 
(4)生育初期(定植間もないもの)・生育中期のものは倒伏しても4日程度で回復してくるので、台風通過後、起こすとともに追肥し、軽く土寄せをする(地温が高い場合はしない)。
 
 
5.こねぎ
(1)収穫期をむかえてビニールが剥げた、または剥がした場合、品質低下が懸念されるので農協等と協議して出荷できる範囲を確定して出荷する。とくに、水きり後の水分吸収は葉を軟弱にしているし、葉おれ等も起きているので注意する。
    出荷不能のねぎは除去し、早急に播き直しを行う。
 
(2)荷時期までに期間があるものはビニル被覆を早急に行い、風雨による傷みが生じている場合、病害の発生が心配されるので防除を実施する。
 
(3)また、台風通過後に害虫の飛び込みによる被害の発生が心配されるので害虫防除は早めに実施する。
 
(4)台風直後の晴天により倒伏を引き起こす可能性が高くなるので寒冷紗等の被覆を行って倒伏を回避する。また、晴れが想定される状況では潅水可能なものには潅水を行い倒伏の軽減を図る。
 
(5)収穫不能の圃場は早期に蒔き直しを行って出荷量の早期回復を図る。
 
(6)種子不足が懸念されるので、種子確保を急ぐ。
 
 
6.ピーマン
(1)損傷を受けたビニールや支柱の修復を早急に行う。防虫ネットを外した場合は天候をみて再度展張する。
 
(2)収穫可能なものは早急に収穫して着果負担をできるだけ軽くする。傷みの大きいものについては、強摘果して樹勢の向上を図る。
 
(3)傷んだ茎葉の整理を行い、早急に細菌性病害の予防散布を行う。
 
(4)風雨により根元が動き、浮いていることも考えられるので土寄せを行うとともに、肥料の流亡が考えられるので、液肥を追肥する。
 
(5)草勢の回復を早めるために葉面散布も取り入れる。
 
  
7.にら
(1)夏にら・冬にらともに株養成期間の茎葉損傷は株養成に影響が大きいので、病害虫防除を徹底させ、追肥 をして株養成を促進する。
 
(2)夏にらの収穫間際のものでビニ一ルが剥がされたものは、品質の低下が予想されるので農協等と十分協議し、低品質の物を出荷しないよう心掛ける。葉の傷みがひどいものは、刈捨てを行い新しい茎葉を発生させる。
 
(3)風雨により葉が傷み病害発生が心配されるので薬剤散布を行う。発生予想病害としてはさび病、白斑葉枯病が考えられるので予防散布を早急にする。特にさび病は気温の低下に併せて発生が増加する事が懸念されるので防除を徹底する。
 
 
8.きゅうり
(1)夏秋きゅうりは、支柱の立て直しを早急に行い、収穫可能なものは早急に収穫し、着果負担を軽くする。傷みの大きいものは幼果まで全て除去して樹勢の回復を図る。傷んだ茎葉の整理を行い、早急に細菌性病害の予防散布を行う。根元が動き、浮いていることも考えられるので土寄せを行うとともに、液肥の追肥を行う。場合によっては葉面散布も取り入れる。
 
(2)抑制きゅうりについては、茎葉の傷みが激しいと思われ回復が困難なものは、促成や半促成に切り換える
 
 
9.なす
(1)露地が主体であり、収穫可能なものは早急に収穫して樹勢の回復を図る。傷みの大きいものは強摘果を実施する。
  
(2)傷んだ茎葉の整理を行い、早急に細菌性病害の予防散布を行う。
 
(3)風雨により根元が動き、浮いていることも考えられるので土寄せを行うとともに、肥料の流亡が考えられるので、液肥を追肥する。
 
 
10.キャベツ 
(1)風雨により茎葉の傷みや根元が動き、浮いていることも考えられるので細菌性病害の発生が懸念される。土寄せを行うとともに黒腐病の防除を急ぐ。
 
(2)収穫可能なものは早急に収穫する。
 
 
11.ダイコン
(1)風雨により茎葉の傷みや根元が動き、浮いていることも考えられるので細菌性病害の発生が懸念される。土寄せを行うとともに防除を急ぐ。
 
(2)播種直後~生育初期のものについて被害の激しいものは、作型を考えて品種を選び、種子の確保を急ぎ、まき直しを行う。
 
 
12.はくさい
(1)風雨により茎葉の傷みや根元が動き、浮いていることも考えられるのでべと病等細菌性病害の発生が懸念される。土寄せを行うとともに防除を急ぐ。
  
(2)播種直後~生育初期のものについて被害の激しいものは、作型を考えて品種を選び、種子の確保を急ぎ、まき直しを行う。
 
 
13.その他野菜
(1)収穫可能なものは早急に収穫する。
 
(2)病害の発生が予想されるので薬剤散布を早急に行う。
 
(3)風雨により根が浮いている場合は、土寄せを行い、液肥の追肥を早急に行う。
 
(4)損傷の大きい場合は、次作の検討を関係機関と協議の上すすめる。
 
 

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