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平成22年度当初予算案記者会見

印刷用ページを表示する 更新日:2010年2月19日更新

                                            日時:平成22年2月12日(金)13時30分~
                                            場所:第一応接室


財政課長 ただいまより平成22年度当初予算案を発表いたします。
広瀬知事 それでは、私の方から22年度の当初予算案がまとまりましたので、ご報告をさせいただきます。お手元に三つ資料がありますが、平成22年度当初予算案のポイントというのがあります。ポイントでまずご説明をしたいと思います。
 今回の予算編成にあたりましては、とにかく景気・雇用の状況がこんな状況ですから、景気・雇用に特に配慮して、もう一つは、子どもに夢を暮らしに温もりをということで、中期行財政運営ビジョンの実施中であります。その我々のテーマであります、「子どもに夢を、暮らしに温もりを」というテーマに向かって前向きに進めていこうという、この二つの気持ちで編成したところであります。
 この枠内、当初予算の総計ですが、5,941億8,300万円ということでして、地方財政計画は、ご存じのようにマイナス0.5%ということになっていますが、大分県の場合にはプラス0.6%ということで、どうにか2年連続のプラス予算を組むことができました。
 特にこの中で、人件費は行財政改革で引き続き絞めてまいりましたからマイナス1.1%。その分事業費の方はプラス1.4%を確保することが出来たということで、積極予算を組ませていただいたところです。
 中でも苦労したのが投資的経費でして、国の公共事業費が大幅に削減され、マイナス18.3%ということですが、大分県では社会資本の整備が特に遅れていますので、道路あるいは防災等をむしろ積極的に受け入れまして、国全体で18.3%の減ですが、大分県の場合には13.4%の減に盛り返しています。
 また、県単独の投資的経費ですが、これも地財計画ではマイナス15%になっていますが、いろんな事業を積み上げて1.3%のプラスにすることにしています。
 それでも、投資的経費は全体として1,292億円で53億円の減になります。そこでもう一つ、2月に補正があります。国の方できめ細かな交付金というのが組まれていますが、これなどを受け入れて2月の補正でもう少し積み上げてみたいと考えています。
 全体として、投資的経費も13ヶ月予算というふうに見れば、プラスにもっていけるのではないかと、そういうにらみで今やっているところです。
 それから、雇用も大変きつくなっています。雇用や職業訓練予算につきましては、今30億円ぐらいですが、これを60億円ぐらいに倍増するということも考えています。
 そのようなことで、積極的な予算を組みながら、「子どもに夢を、暮らしに温もりを」という中期行財政運営ビジョンを前向きに進めていきたいので、ビジョンの実現枠についても13億4,000万円を計上しています。
 以下、施策の分野で幾つかご説明をしていきたいと思います。
 景気・雇用対策、いま申し上げたとおりですが、大きく二つの分野があります。
 一つは地元の中小企業、大変厳しい状況ですが、ここを何とかしのいで、更なる発展を担っていただきたいということで、中小企業の制度資金融資枠を拡大しました。全体として750億円で、70億円の融資枠拡大ということです。
 それからもう一つは、融資だけではなく事業をいろいろ実施していく必要があるということで、以下ここに書いてあります4つ、県単独の道路改良事業やあるいは社会福祉施設や病院等の耐震化・改築を前倒しでするとか、あるいは学校の耐震化を前倒しでするとか、私立学校についても耐震化に向けて助成をして、やってもらおうということで、どうしても県としてやらなければいけない事業ですので、前倒しをして、景気が悪い時ですから仕事を作っていくこともしてみたいと思っています。中小企業景気対策をする、併せて、雇用や就労支援についても力を入れていきたいと思っています。雇用基金が引き続き今年も用意されていますから、これを活用して新規の雇用を作り出していきたい。緊急雇用やふるさと雇用、併せて2,800人の雇用を確保していくことが一つ。
 高校新卒の就職状況が今年は大変厳しいです。何とか就職につなげていく努力を引き続きしたいと思いますが、残念ながら、それでも就職できない人が残るかもしれませんので、そういう人のためにトライアル就業というのをしてみたいと思っています。
 中小企業の皆さんに、とにかく雇ってください、その代わりいろんな企業等に応援をします、そして雇っているうちにこれはいいということになればそのまま就職につながっていく、というトライアル就業ということも努力の一つとしてしていきたいと思っています。
 また、工業高校の学生さんは、高校の間に専門的な知識を付けていますので、就職は他に比べて結構スムーズにいっているということで、工業系高校の技能というのは非常に大事なんだということで、技能資格の取得を推進するということで、受講する、あるいは試験を受けるという時にそういうものを応援をしていくというようなこともやっていきたいと思ってます。
 それから離職者の再就職、あるいは障がい者の就職促進というようなことで職業訓練を大幅に拡充します。こういうコース、こういうコースというようにコースが決まっていますが、コースを倍増すると受けられる人の数も倍増するということで離職者や障がい者の職業訓練も倍増したいと思っています。
 それから、福祉施設で働いている人なども、ぜひ安定的に働いてもらいたいということで、そこで働きながら資格を取得すると、例えば介護福祉士といった資格がありますが、そういう資格を取得出来るようなプログラムも実施をしていくということで、きめ細かな雇用、就労支援をしていくことを考えています。
 景気・雇用対策をまずしっかりとしていきたい。
 併せて、中期行財政運営ビジョンの推進も大事でして、何といっても「子育て満足度日本一」を目指しています。
 妊婦さんの無料検診制度が出来ており、14回受けられることになっていますが、そこに必要な検査項目を追加をして、より充実した無料検診が受けられることも考えています。
 それから、新生児の病院が全県に整備されていればいいのですが、なかなかそうもいかないので、新生児用の高規格救急車、保育器が備わった救急車を別府医療センターに配備するということが一つあります。
 それから、もう一つは生まれた後ですが、子どもの医療費は、今就学前までの医療費を実質無料化をしているのですが、特に入院医療費については、不意に多額の医療費を要することになるので非常に要望がありますから、この子どもの入院医療費については、中学3年まで対象を広げることも実施したいと思っています。
 こども女性相談支援センターの相談機能を充実して、子ども子育てについて24時間電話相談に応じることで、地域をあげて子ども子育てを応援していることを実感してもらおうと思っています。
 「子育て満足度日本一」の大事なポイントとしてもう一つ、教育環境の充実があります。
 小学校の学力向上支援教員を18人から36人に倍増するとか、あるいは小学校の4年生、5年生、小数や分数、図形などが入って丁度つまずきが生じるところですが、そこのところに夏休みの補習学習を実施するということです。
 それから、高校生の学力向上に合同セミナーを設けようということです。進学指導重点校が8校ありますが、そこだけではなく、私もそこで勉強したいという時には合同セミナーに誰でも来ていいということで、そういうセミナーを開催することも考えています。
知事近景 高校の奨学金の貸与ですが、対象の生徒数を増やすことが一つ。それから、入学支度金の貸付制度を設けようということで、授業料だけではなく入学支度金も結構大変なので、その分についても応援をすることが一つ。
 それから、来年度授業料は、公立高校は実質無料化になるわけですが、私立高校についてもある程度対策は講じられていますが、私立高校に通う子どもにとって、自己負担分がいくつか残っています。特に低所得の世帯に向けては、県費を上乗せして応援をしましょうということで、それによって私立高校に通う子どもさん、特に所得の低い家庭の皆さんについては実質無償化を実現することも考えたいと思っています。
 科学・文化の振興ですが、一つは常設の科学体験ルームを街なかに開設してみたらどうだろうかということです。
 子どもの理科離れ、科学離れがよく言われますが、結構、面白い実験を子どもに見せているグループがあります。そういうところに行ってみますと、子どもさんの目は輝いていますので、いい機会を与えればそういうことに興味を持ってくれるのではないかということで科学体験ルームを設けます。
 どういう人がこれを運営するかということですが、いろんな企業の方がボランティアをしたり、あるいはNGOの方がしたりということがありますから、そういう人たちにお願いをしようと思っています。
 それから、この場でも議論がありましたが、美術品がたくさんあるのに死蔵しているのではないかというお話があり、それはもったいない話ですから、県所蔵の美術品を県庁や県立病院、図書館などいろんなところで見てもらえるような手も打っていきたいと思います。
 県立の美術館構想の検討も引き続き行っていきたいと思います。
 「子育て満足度日本一」を目指すということです。
 それからもう一つは、暮らしの安全・安心対策、環境先進県対策も大事なことだと思います。
 高齢者の応援ということで、今見守りや宅配サービス、サロン提供などいろんなことを行っていますが、これを積極的にいろんな地域で行ってもらおうということで、支え合い推進協議会を市町村が作っていこうという動きがあります。それを応援しながら是非共助の体制を作り上げていきたいと思っています。
 障がい者に対しては、介護職員の報酬等を引き上げて障がい者サービスを充実しようという事業者に対して応援するということで、これもしていきたいと思っています。
 暮らしの安全の中で、医療の確保が非常に大事なテーマです。これまでも地域の中核病院等に行って仕事をしてくれるお医者さんが、2年にいっぺんぐらい研修をすることが出来るように研修機会を与える、応援をするということもしていますが、併せて、そういうところで研修をするお医者さんに対して奨学金を出すこともしていきたいと思います。
 後期研修を受ける研修医に対する資金助成は、今10人ぐらいしていますが、一気に30人ぐらいに増やしていきたいと思っています。
 看護師に対する支援、看護師の確保も大事です。看護師養成施設での演習資機材の提供や看護師の研修体制の充実についても力を入れていきたいと思います。
 平成24年にはドクターヘリを導入したいということで、そのための検討も始めたいと思います。
 新型インフルエンザは、おかげさまで今回は弱毒性ということもあって、大きな混乱なく収束に向かっていますが、これからは強毒性の方向に向かうという心配もあります。そういう意味で、初診や入院対応、医療機関の施設を充実していくことも必要だと思っています。医師の確保、医療の安全です。
 それから暮らしの安全・安心ですが、一つは防災行政無線の整備を行います。また地域活性化総合補助金、旧町村部に限られていた活力創造枠を過疎地域全体に広げていこうということで、小規模集落対策等にも使えるようにします。
 それから、小規模集落対策がますます重要になってくると思いますが、例えば安全な飲用水確保のための施策をするというようなことです。小規模集落では、山から湧水を引っ張ってきてということがありますが、集落機能が非常に低下すると引っ張ってくるのも大変だということもあり、この辺をもう一度我々として応援をしていかなくてはいけないということです。暮らしの安全・安心にも力を入れていきたい。
 それから環境問題ですが、住宅用の太陽光発電設備を整備するときに助成をしようということです。住宅用の太陽光設備を置くというだけではかなり普及していますので、併せて省エネ設備を家に置くなど複合的なことをする時に応援をしていきたいと考えています。
 CO2の排出量取引が課題になっていますが、県内の中小企業の場合には排出量取引に見合う量がなかなかそろわない。そうすると、取引の相手にされないということもありますから、量をまとめて取引できるような体制を作ろうということで、クレジット認証事例を創っていこうと思っています。
 伐採後の再造林問題も深刻になってきています。木材業界が再造林をする林業家に応援をすることになってますので、我々も一緒に上乗せして、再造林をできるだけ進めやすい体制を作っていこうと思っています。
 次に重要なのが、やはり産業の底力発揮・飛躍だろうと思います。
 商工業の底力のところに書いてありますが、県内の企業の中で太陽電池の製造装置等の開発を進めてきて事業化が間近、というところも幾つか出て来ています。
 あるいは、そういう自然エネルギーの活用にあたって、高効率の蓄電技術が非常に大事になってきます。いくら分散型の電源を開発しても、それを蓄電しないと安定的に使えないというところがありますが、その蓄電技術についても県内の中小企業で非常に前向きに研究して、いい成果を上げそうなところもありますので、そういった環境関連のシーズとして大いに応援していきたいと思っています。
 東九州地域の医療産業についても引き続き進めていきたいと思います。
 それから、ものづくりについては、すでにビジネスプラングランプリをして、かなりいい成果が出てきていますが、これを商店街振興にも活かしたらどうだろうかということで、商業版のビジネスプラングランプリみたいなものをしてみたいと思っています。アイデアを公募して、実際にやってみようという人に応援をするということをやりたいと思います。
 それから、建設業者自身が構造改善に向けて勉強する時の応援も考えています。
 農林水産業の構造改革も非常に大事なテーマです。農林水産業については、ようやく2年連続プラスという成果も出てきていますので、産出額2,000億円を目指していきたいと思っているところです。
 流通改革アドバイザーの配置を応援したり、あるいは豊後牛の高品質PRを応援したり、冠地どりの処理加工施設を助成したり、水産業については、ブリフィレの加工施設を整備することもします。「かぼすブリ」をご存じだと思いますが、カボスを食べさせるとブリの鮮度がより保てるということもあります。
 農林水産業は、やはり大分県の基幹産業ですから引き続きしていきたい。
 それから、観光ツーリズムの展開についてもしていきます。
 特に今年は、上海万博が開催されます。九州・沖縄ウィークも予定されていますから、そういうところを利用して観光宣伝隊の派遣等を考えていきたい。PRを大いにしたいと思っています。
 社会資本の整備、これは大分県にとって大変大事なテーマですが、東九州自動車道の新直轄区間について必要額を確保したということです。
 それから治水ダムの稲葉ダム、玉来ダムの整備促進をしていきたい。稲葉ダムは22年、今年完成ですが、玉来ダムについては調査設計等進めていきます。
 それから、路線バスの公共交通ICカード導入の助成がありますが、いまnimocaやSuicaなどいろいろあります。大分でそういうものにも対応出来るカードづくりを考えていますが、県としても応援していきたいと考えています。
 社会資本の整備も非常に大事なテーマだと考えています。
 その他に、ここには書かれていませんが、大野川大橋、米良、空港道路の無料化の話です。これについては、当初予算ではなくて2月の補正予算で対応することになると思います。
 もう一つ、大分トリニータの件ですが、今再建計画に基づいて、いろいろ行われています。それを受けてJリーグの方から先日融資が完了したところです。その時にJリーグからはあと3,000万円支出を切り詰めるようと言われているわけです。
 2010シーズンが始まるまでに完了しておきたいという気持ちもあります。大分トリニータに対しては、今九石ドームの使用料を3分の2程度減免しています。3分の1はいただいています。その分が約2,700万円になります。Jリーグから求められている3,000万円の削減の話もあります。苦しい時ですから県民の皆さんのご理解をいただいて、来シーズンは九石ドームの使用料を全額減免しようと考えています。そうなるとかなり支出減になるだろうと思います。 それはいいが、そうすると維持管理がまた大変になるのではないかというお話です。大変になりますので、ネーミングライツをとにかく、最後の最後まで粘って見つけ出さなくてはいけないと考えています。出来るだけ県費の負担にならないように、ネーミングライツは引き続き確保に向けて努力をしていこうと思っています。
 そういうことで、積極予算を組んでいますが、そんな予算を組む財源がどこにあるのだ、大丈夫か、とご心配をいただいていると思います。
 歳入をご覧いただきますと、ご心配のとおりでして大変きついわけです。
 県税収入がマイナス10.1%ということです。地方財政計画では、この県税収入は16.2%のマイナスということになっていますが、大分県の場合には、誘致企業に輸出型の製造業が多いということで少し持ち直していることもあり、落ち込みが少し緩くなっていますが、それでも10%の減ということです。全国の16%と比べると少し楽ですが、大きい落ち込みになっています。
 地方交付税は、国の方では久方ぶりにプラスになりました。大分県も期待をしていましたが、特に、これまで不交付団体だったり交付団体としても少しの交付だったところの景気が随分落ち込んできていて、都市部の景気の落ち込みもありますから、交付税がそういうところに取られる。加えて市町村へ重点的に配分するということもあり、残念ながら、結果的に大分県に来る分はややマイナスと計算せざる得ない状況になっています。
 国庫支出金も、公共事業等の抑制がありマイナス4.3%ということになっています。頼みの県税、交付税、国庫支出金がいずれもマイナスになっていますが、それではなにて賄ったかといいますと、繰入金が一つ、それから臨時財政対策債が一つあります。繰入金は後ほど説明するとして県債の方です。
 県債全体として3.6%のプラスになっていますが、そのうち臨時財政対策債が36.6%のプラス、これは後で全額交付税でみてもらうということもありますから、実質、地方交付税みたいなものですが、これを活用するというのが一つです。
 それと、繰入金ということであります。県債は相当増えますが、県債そのものは出来るだけ押さえて3.6%の伸びに止めたということです。
 繰入金の内訳をご覧いただきますと、財政調整用基金を相当取り崩したと思われるかもしれませんが、財政調整用基金の方は、75億円の取り崩しということにしています。21年度が95億円ですから、取り崩し額としては20億円減らしています。その分は国の補正活用基金と公共投資交付金の活用基金、この両方で何とかまかなったということです。
 昨年来、いろいろな景気対策等で国の方から、交付金が配分されています。それを基金で積んでいまして、それを活用して今回何とかプラスの予算を組み、財政調整用基金や県債に大きな負担を残さずにすむことが出来たのではないかと思っています。
 以上、苦しい時でしたが、一応、景気・雇用に配慮しながら、政策実現に向けた積極予算を組むことが出来ました。報告を申し上げます。
財政課長  では、質問のある方お願いします。
記者 14年ぶりにマイナスシーリングを撤廃したと思うのですが、その影響が編成作業の中でどのように出たのかということと、暫定的なもので1年で終わるのか、来年度以降もマイナスシーリングの撤廃をし続けるとかということをお伺いしたいと思います。
広瀬知事 今回マイナスシーリングを撤廃したのは、相当財源が厳しいということで、わざわざマイナスシーリングをしなくても、皆さんが切り詰めてくれるだろうということがあったのが一つ。もう一つは、マイナスシーリングにしますと、既存の予算の維持確保に力がいってしまうということもありますので、むしろ、そこを取り除いて全体で何が必要かを見てほしいということで、政策県庁を言っているわけですから、今の時代の風の中でどういうことが必要かをもう一度ゼロから見直したらいいのではないかということでやってみたわけです。
 結果的には、マイナスシーリングの撤廃を前向きにとらえてくれたというか、政策の見直し、そして選択と集中、いいものは是非新しく作っていこう、それに伴う廃止すべきものは廃止していこうということで考えてくれたと思います。
 今朝の部長への内示の時にもそれを言ったのですが、随分よく考えてくれたのが良かった、むしろマイナスシーリングの廃止で、突出するのではないかと心配していましたが、政策的に全体を見直してスクラップビルドをしてくれたのではないかと思います。中身のある予算が組めたのは、そういうことではないかと思います。来年度以降どうするかについては今決めていません。
記者 目的の一つに、政権交代による国の大幅な施策変更に柔軟に対応するという狙いもあったと思いますが、その辺も達成できたのでしょうか。
広瀬知事 社会資本の整備が非常に抑えられるということもあったのだが、大分県の事情を踏まえながら、うちとしてやらなければならないことはどういうことだということも考えてみた。それから、財源のところも国と違った目でいろいろ財源探しをしてくれたのではないかと思っています。
記者 今回、政権交代後初めての当初予算編成になったのですが、編成面でやりやすかった点と、ここは困った点というのがあれば、それぞれ教えてもらいたいと思います。
広瀬知事 国民の生活が第一ということで子ども手当や高校の授業料無償化など、新しい基軸を出してくれたわけですが、そういう点はうまくそれを活用しながら、足りないところを上乗せで県として手当を打ったということで、そのあたりは一体的にできてよかったと思っています。
 他方、足らなかった点は、そちらに没頭せざるを得なかったということもあったのですが、景気・雇用への配慮がまだまだ十分ではなかったと思います。
 あるいは、社会資本の整備もその一環かもしれませんが、そのあたりは大分県の事情からすると、あるいは景気の現状からすると、足りなかった点ではないかと思いますが、そこは県として出来るだけ補完していったという思いです。
記者 それに関連してお伺いしたいのですが、民主党の公共事業削減で、18%あまり削減を国の予算がして、県では13.4%ということで、具体的な事業をみても、例えば農道の整備は事業仕分けで廃止にされ国の予算がだいぶ減額されたものを、県はある程度で止めている、その辺どういう気持ちで編成作業に当たったかと、こういう結果が出てきたことに対する知事の評価というか、思いを。
広瀬知事 例えば18.3%の公共事業の減がありましたが、大分県の場合には13.4%の減になっている。とにかく社会資本の整備は非常に大事で、そんなに減らしたのでは、せっかく地域主権と言っているが、その実が伴わないのではないかということを言っていたわけです。だから、総額をもう少し考えた方がいいのではないかということは言っていました。
 加えて、仮に、なかなか難しいというなら真に社会資本の整備の必要なところにちゃんと配分をすることが大事です、ということを言っていたのだが、全体としては伸びなくて18%の減になったのだが、しかし、大分県の場合には、非常に社会資本の整備が遅れている、したがって重点的にみようということで13%の減に止まった。つまり、我々も出来るだけ引っ張り込む努力をしたわけですが、どうしてもできなければ選択と集中で、本当に必要なところに配分するぐらいのことをしてくださいと言っていましたので、何とかなったのだと思っています。
 もう一つは、それでもまだ足りないところがあるかもしれないが、県が足りないところを全部補うわけにはいかないが、出来るだけ、ここはやっておいた方がいい、やらなくては大変だというところについて、県として補ったというところもあります。
記者 交付税が若干減りましたが、臨時財政対策債で相当カバーされている。トータル的に地方を重視すると新政権が言っていますが、その辺との絡みで今回の措置というのをどんなふうにお考えでしょうか。
広瀬知事 一番いいのは、後から全部見てくれるとはいえ県の借入金になるので、本当は交付税でみてもらえればそれが一番いいわけだが、国もなかなか大変な時だから、臨時財政対策債という手段もやむを得ないと思います。
 大満足、というわけではないが受容可能な範囲ではなかったかと思っています。
記者 それなりに配慮されたという感じは。
広瀬知事 そこも含めて考えると、地方の大変厳しい財政事情は配慮されたのではないかと思います。
 しかし、今回一番効いたのは、これまで数次にわたる国の補正がありました。それをうまく活用して、ちゃんと基金を積み立てていたのが非常に大きかった。それを取り崩して使ったところが大きいと思います。
 400億円ぐらいありますから。
記者 先ほど来、知事が、財政状況が厳しいということを何度か指摘されていて、その中で積極予算を組んだこの編成作業を振り返って、どういう思いを強くしてされたのかというところと、出来上ったものをどう考えるかというのを。
広瀬知事 本当は、堂々たる積極予算ですと申し上げたいのだが、先ほど中身を全部ぶち開けてしまいましたから、ご存じのとおり堂々たる積極予算というわけにはいきません。工夫をして、背伸びとは言いませんが、つま先立ちの積極予算という感じではないでしょうか。
 いろいろ国の交付金等を基金として積み上げておいて、それを活用して少しつま先立ちをしながら、しかし、どうしても今回は積極予算を組みたい、景気が悪い時ですからという思いを果たしたということで、実感として何となくつま先立ちの積極予算という感じです。
記者 それでも、積極予算を組まなければならないと思った背景、何度も出ていますが。
広瀬知事 それは景気、特に雇用の状況が非常に心配されるということです。
 大分県の場合には、企業誘致が進んで、その誘致企業は輸出型が多いから、少し持ち直しの気配があると言われているが、しかし、まだ下手をすると政策的にバックアップをしていかないと二番底の心配もあると言われています。
 まして、地元の中小企業にはまだそういう曙光がきてないこともあり、供給サイドではなくて需要サイドから景気をよくする、と政府はおっしゃいますが、とてもそういう絵は描けていないと思います。むしろ、我々としては出来るだけ従来の方式で仕事を作り出していくことが大事だろう。そのためには、積極予算を組まざるを得ないということです。どうしても組めないのを、無理して借金ばかりしてということをする必要は、する勇気はありませんが、たまたま基金等がありましたから、それをフルに活用させてもらったということです。
 思いは、景気をよくしていかないと、一時的な雇用を作ることは出来るわけですが、それでは基本的な解決にならない。長期的、安定的な雇用の機会を作っていくことが大事なので、そのためには景気のところをしていかなければいけない、そういう思いです。
 是非、これが県内の景気雇用の下支えになればありがたいと思っています。
記者 関連しますが、臨時財政対策債が36.6%、前年度より増えてまして、建前では、これは国が後で肩代りすることになってはいますが、国も財政状況が非常に厳しい中で、将来的に交付税全体を減らすという形で地方に返済分を付け回ししてくるということがあり得ないでもないことだと思います。こういう形で、かなり臨時対策債に依存する形、いっても借金は借金なので、予算になってしまったということと、将来にわたる県の財政改革との両立をどのようにお考えなのか、お聞かせください。
広瀬知事 先ほど申し上げましたが、100点満点は交付税が増えることです。それが出来れば一番いいのだが、おっしゃるように国が大変だという中で、実質的な交付税と言われている臨時財政対策債に頼らざるを得なかった、その意味では国に対して、本当は100点満点を付けるような予算を交付税にしてもらいたかったという思いは変わりません。しかし、ある程度臨時財政対策債の性格から言えば、これがこれからの財政運営の安定性を大きく損なうということはないだろうと思っていまして、そこのところはあまり心配していません。それが、一つの方針として組まれているわけですから。
記者 県債の残高が、歳入全体に占める県債の比率としても過去20年でおそらく最大ということで、臨時財政対策債も含めてですが、借金依存の体質が強まっているという部分も否めないと思うのですが。
広瀬知事 臨時財政対策債は、借金というふうにあまり考えなくていいのではないでしょうか。そうすると、かなりまともな数字になってくるのではないかと思います。
 借金が少しでも増えたら大変だということよりも、財政の弾力性を考えてみると、景気が悪い時にはとにかく雇用を確保し、経済を上向かせて雇用を確保することを優先的にしなくてはいけない。それが出来るのは国であり、県だと考えると、ある程度、積極財政を組まざるを得ない。しかも、それは時代の要請だと思います。
 そこは、あんまり全体の額だけで心配をする必要もないのではないかと思います。
 時代が何を求めてるかを考えていかないといけない。
記者 それと絡むのですが、県債残高が、今年度末と来年度末、1兆円を超えているのですが、このあたりの1兆円というラインは知事ご自身、気にはされておられるのかということですが。それと解消されるとすればどういう目標で行かれるかいうことを。
広瀬知事 本当は少ない方がいいでしょう。次の世代に負担を残さないように、ただし、何回も申しますが、これが次の世代に総て負担が残るわけではなくて、おっしゃるように実質交付税とみられるものも相当あるわけですから、そういうふうに見ていただきたいのですが、それでも出来るだけ少ない方がいいということはそうなのだが、しかし、財政知事遠景というのは、ある程度長い目で見なくてはいけないから、今借金をしてでも手を打たなければいけない時と、今はとにかく借金を返す時だというところが時代によって出て来るので、そこを適正に判断していくことが大事なのではないかと思います。
 それでは、この借金が1兆円を切れるのはいつだろうかということですが、しばらく県税収入の方も、今度は950億円だが、1,000億円を超えていたわけです。久方ぶりに1,000億円を切ったということもあるわけですから、景気がよくなった時には民間の力で、いろんな仕事ができるようになる。そうすると支出を減らすことが出来るかもしれないし、県税収入が上がるかもしれない。そういう時代を見ながらしていくことが大事なのではないかと思います。
 それでは、幾らでもいいのかということは、先ほどから申し上げたように出来るだけ少ない方がいいに決まっているのだが、それが大事と考えるのもどうかと思っています。
記者 公共事業の話で、こうやって予算を編成した後、振り返ってみて民主党の公共事業削減の方針であるとか、あるいは事業仕分けであるとか、そういうのをどうお感じになるか、いま感じていることがあれば教えてください。
広瀬知事 まず、公共事業の削減については、私はこれまでも二つ申し上げてきました。一つは18%の削減というのは、それを長く続けていると大変なことになります。社会資本の整備が進んでいる都市部と、そうでない地域の格差が広がると、地域主権と言いながら、その地域主権の目指すところは、それぞれの地域が自立して、そしてお互いに活力を出し合って、切磋琢磨して活力のある地域づくり、国づくりをしていこうではないかということだと思うのですが、そういうことすら出来なくなるということで、総額はある程度地域のことを考えて増やすべきではないかと言ってきました。
 もう一つは、どうしても減らさなくてはいけないときには、選択と集中、本当に必要なところに付けてくださいと言ってきまして、その二点を引き続きこれからも言っていきたいと思っています。
記者 財源のことで、先ほどの基金からの繰り入れのことですが、言うなれば、国のこれまでの補正で、このような基金を、前政権の自民党時代に景気対策で打たれた部分が大きくて、それが250億円ぐらい、そうして、ようやくつじつまが合っているかという印象ですが、これがなかったら大変なことなのかという面で、前政権の分で何とかなったということをどう受け止めているのかということと、あと、先ほど弾力性というお話になっていましたが、財政調整用基金の取り崩しは少なくして、300億円ぐらいと表がありますが、それに向けた見通しは。
広瀬知事 このような時期を考えながら基金を積み上げてきたということがあるわけです。前政権だけではなくて、現政権になっても、いろいろ交付金的なものを作ってくれているから、それを基金に積み立てているということがあるし、きめ細かな交付金が今度の補正予算で出来ました。そういうものも使っていきたいと思っています。
 それはそれで、前政権、現政権のものをうまく使っていくということが大事ではないか、逆に言うと、これがなかったらどうするのかということですが、あったからこの予算が出来たので、なかったらどうするのかは、その時にきっと知恵の多い大分県庁の人ですから何か考えるでしょう。
 そういうことを今心配をしていたら、それでは10年後はどうするか、20年後はどうするかと大変ですから、その頃は景気が隆々となって、税金が余っているかもしれません。
記者 例の中期行財政運営ビジョン300億円という目標は。
広瀬知事 中期行財政運営ビジョンは、今最終的な試算をさせていますが、今回取り崩しをかなり抑えています。基金等のおかげでです。したがって、300億円という目標は頭に、全体の歳出の5%ぐらいいるでしょうと申し上げましたが、それは何とか確保でき、その程度のことをもうとてもじゃない、考えられない、ということはないと思います。維持しながらやっていけると思います。
 それから、先ほど仕分けとの関係のお話がありましたが、私はいつも言っているのですが、予算編成というのは、まさに仕分けです。マイナスシーリングを撤廃して何をするかというと、全予算を見てほしいということで見ていたはずです。仕分けをしてくれたと思います。
 川柳ではありませんが、毎年、予算の編成で語呂合わせをしているのだが、非公表の方の語呂合わせの方では、「ご注目、必殺事業仕分け人、いつもやってる査定では」というのがありまして、まさにそのとおりでして、我々は常にそういう気持ちで、行財政改革にあたる我々としては、仕分けというのはパフォーマンスではなくて毎日やっていることです。
記者 トリニータの関係ですが、予算に看板のスポンサー料も入っているようですが。
広瀬知事 入っています。トリニータ全体はいろいろありまして、ピッチの看板に県政のいろいろな広報をしよう、消費者保護や悪徳商法の被害防止など、皆さんにぜひ認識してもらいたいことをPRしようということで、PR費も1,000万円を計上しています。
 それから、地域スポーツの啓発ということで、チームの選手やコーチが、小中学校に行って指導者へ技術指導してもらったり、あるいは県民デー、今大分市がしていますがそこだけではお金が集まりませんから、それを県全体に広げて、いろんなところから県民に紹介して、そして試合を楽しんでもらい、トリニータに対する応援の輪を広げていこうということも考えています。いろんなことをすることにしています。
記者 いままで、資金的な支援は基本的にこれ以上は、という話があったかと思うのですが、公金を入れて看板スポンサーをするのは初めてだと思うのですが、公金をトリニータに支援、投入することの意義というか、どういうことで入れるのか。
広瀬知事 これ以上はやりません、基本的にはもう十分にしてますと、私は言ってまいりました。むしろ、トリニータですから、みんなで支える体制を作ることが大事です、県は先にやり過ぎているぐらいです、という気持ちでいましたが、ようやく体制も整い、県民の皆さんもみな心配してくれています。出来るだけ協力しようということも言っていただいてます。
 そういう中で、新しく資金を投入するというか、それではなくて減免をするというぐらいはいいのではないかと思っているところです。
記者 減免ですが22年度限りという話ですか。
広瀬知事 今、23年度のことは考えてません。22年度は考えていますが、減免は臨時的なことなので、本当は全額もらいたいぐらいです。
 ずっと長い間するということではありません。
記者 ちょっとずれるかもしれませんが、今日の話でも、さんざん社会資本整備で民主党の話が出て来た中で、今日、民主党の副大臣と大蘇ダムの関連でお会いになると発表があったのですが、直接民主党の方にもの申す機会だと思うのですが、その中で、どういったことを直接おっしゃりたいかをお伺いできればと思います。
広瀬知事 民主党の方にお話するのではなくて、副大臣とお話するつもりです。
 大蘇ダムについては、副大臣の方から県知事と話をしてみたいという話がこの間ありました。いよいよ話し合いの時期になってきた。そこで、土地改良区の皆さん、これまで長い間水の供給を待ち望んでいたわけですから、そういう皆さんの意見も1回聞いてみたい。そして、しっかり地元として副大臣に意見を言ってこなくてはいけないと思っているところです。
 私としては二つ大事なことがあると思っています。一つは、大蘇ダムを中心にして農業用水を供給する計画の基本があります。それを早く実現可能にしてもらいたいということです。
 水漏れがあるという話があれば、水漏れを早く修理してください、安全性の問題があるというなら、安全性を確認してください、そして大蘇ダムによる水の供給をしっかりしてもらいたいというのが一つ。
 もう一つは、これまで最初は約130億円から始まって、いま約594億円まで事業が拡大して、それに伴って県の負担は約73億円、竹田市の負担が約23億円とずっと拡大してきたのですが、これからは是非国の責任で、約束どおり水を供給出来る体制を作ってください、ということをしっかり言ってこなくてはいけないと思っているところです。
 いずれにしても、地元の皆さんとよく話し合いをして、そして言うべきことを整理して持って行きたいと思っています。
記者 先ほどつま先立ちの積極予算だということですが、これまで芽だし予算とか、若木予算とかいうのがありましたが、何か一言でくくるというのがあれば。
 それと、先ほど非公表の方が出ましたが、公表の語呂合わせがありましたら。
広瀬知事 公表の方は、「雇用と(5) 暮らしを(9) 下支え(4)、いきいき(1) はつらつ(8) 県予算(4)」ということで、今回の予算の思いもそんなところかと。つま先立ちの積極予算を組んだわけですが、その思いは景気、雇用、暮らし、これを下支えしていくことだと思います。
財政課長 他によろしいでしょうか。

 


記者 予算外を一点だけ。
 昨日県教委の職員が逮捕された件で、県民とは切れないところもあると思いますので、知事ご自身の見解を。


広瀬知事 飲酒運転の撲滅は、県をあげて取り組んでいる課題です。したがって、県庁もいろんな問題があった中で、このことについては、特に力を入れてきたところです。
 職員一人ひとりに綱紀粛正を徹底するだけではなく、ご家族に対してもこんなことがあったら大変ですからよろしくお願いします、ということも含めて徹底してきたつもりです。
 そういう中で、またこういう問題が起こって、本当に遺憾なことだと思います。
 今朝からその対応に動いていますが、飲酒運転の撲滅について主旨をもう一度よく職員の皆さんに徹底して、再発防止をしていかなければいけない、一日も早い信頼回復を実践していかなければならないと思っているところです。
 誠に残念です。

財政課長 他によろしいでしょうか。ありがとうございました。
広瀬知事 ありがとうございました。
※知事及び記者の発言内容については、単純ミスと思われる字句、重複した言葉づかい等を整理の上、作成しています。

[記録作成:企画振興部広報広聴課]

 
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