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四日市遺跡第16次発掘調査速報

印刷用ページを表示する掲載日:2018年3月29日更新

事業名

玖珠工業団地造成事業に伴う埋蔵文化財発掘調査

所在地

玖珠郡玖珠町大字四日市

調査期間

平成29年4月19日~平成29年9月29日

調査概要

 四日市遺跡は平成14年度から継続して調査を行ってきました。今年度は台地東部分の約19,740平方メートルの調査を行い、発掘調査は今年度をもって終了しました。

 調査の結果、旧石器時代の包含層調査では約24,000~20,000年前のナイフ形石器が出土しました。また弥生時代中期後半(2,000年前)と弥生時代後期終末~古墳時代初頭(約1,800年前)の2時期の集落跡を確認しました。

検出遺構

 弥生時代の集落を構成する竪穴建物・掘立柱建物・貯蔵穴・小児用甕棺・土坑・円形周溝遺構が検出されました。特に後期終末~古墳時代初頭の竪穴建物には、中央にある炉跡の周囲にU字形の土坑が認められる事例が多く、他地域ではあまり類例のない特徴が認められました。

遺物の出土状況

 竪穴建物や貯蔵穴からは弥生土器がまとまって出土しましたが、他の時代の遺物はほとんど出土していません。

調査のまとめ

 竪穴建物などの遺構の分布から集落の範囲が推測できます。弥生時代中期後半段階の集落は、四日市の台地東半分に広く展開しており、過去の調査で確認していた溝状遺構が集落の境を示すように機能していた可能性が考えられます。また弥生時代後期末~古墳時代初頭段階の集落は、中期後半段階よりも狭い範囲で展開することが確認できました。大分県下の弥生時代集落の様相を考える上で貴重な成果といえます。

写真

四日市遺跡遠景

                 16次調査区 遠景

竪穴建物小児用甕棺

   竪穴建物(中央炉跡とU字形土坑)          小児用甕棺