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温泉の知識

印刷ページの表示 ページ番号:0000102380 更新日:2018年4月1日更新

温泉とは

温泉の定義

 温泉法において、「温泉」とは、地中から湧出する温水、鉱水及び水蒸気その他のガス(炭酸水素を主成分とする天然ガスを除く。)で、温度が25℃以上、または総硫黄、総鉄イオン、遊離二酸化炭素等の19種類の物質のうちいずれか一つでも一定以上含むものをいいます。
 また、温泉のうち、特に治療の目的に供しうるものを療養泉といいます。

温泉の湧出メカニズム

 温泉水の殆どは、天水(雨や雪)が地中に浸み込んで地下で熱や成分などを得て、長い年月の後、再び地上に湧き出した循環水になります。温泉は、その熱源の違いによって、火山性温泉と非火山性温泉に大別されます。

火山性温泉

 火山地帯では、地下数km~十数kmという比較的浅い部分に、地下内部から上昇してきたマグマがマグマ溜まりをつくり1000度に達するほどの高温度になっています。そのような場所にしみ込んだ地下水は、マグマから熱や成分を受けとり、断層などの自然の地下構造やボーリング孔を通って湧き出てきます。これが火山性温泉です。

非火山性温泉

 地下では、深度が深くなるほど地温が上昇し、火山活動のない場所では、一般的に100m当たり約3℃上昇するといわれています。地温で温められた地下水が地上に出てきたものを、非火山性温泉と言います。代表的な非火山性温泉は、平野や盆地などの堆積層中に閉じ込められた大昔の水で、天水起源と海水起源の2種類があります。 温泉湧出のメカニズム

温泉の分類

 温泉は、泉温や液性、浸透圧、含有する化学成分などで分類されます。また、療養泉の場合は、温度もしくは主な含有成分によって10種類(単純温泉、二酸化炭素泉、塩化物泉、炭酸水素塩泉、硫酸塩泉、含鉄泉、含よう素泉、硫黄泉、酸性泉、放射能泉)に分類されます。

天瀬温泉  湯の花小屋
 日田市天ヶ瀬町・天瀬温泉        別府市明礬温泉(湯の花小屋)

温泉の作用

 多くの温泉地は古くから湯治場として人々に親しまれ、利用されてきました。働く人々が余暇を利用して心身を休め、健康の増進を図り、あるいは疾病を治療するところが温泉地でした。

温泉および温泉地による作用

 温泉治療は、近代医学からみても各種の慢性疾患などに優れた効果があることが立証されており、障害者のリハビリテーション施設等にも多く利用されています。
 温泉および温泉地が人体に及ぼす影響には、温泉そのものの効果と転地や気候、食事、運動等の総合効果として現れるものがあるといわれています。

化学的作用

 温泉中のガスやイオンなどが体内に吸収されて現れる効果です。温泉の成分が皮膚から吸収され、血液に入って全身にいきわたり、皮膚、皮下組織、筋肉などの細胞に作用すると同時に、神経系にも作用するものです。

物理的作用

 温泉の物理的作用としては、温熱・浮力・水圧による作用があります。

暖かい温泉による神経系・循環器系を興奮させ刺激する作用、ぬるい温泉によ鎮痛作用・神経系・循環器系の興奮を押さえる作用
浮力体重が軽くなり水中の運動が容易になる作用
水圧循環器系・筋肉骨格系の鍛錬作用

変調作用

 体内に吸収された温泉成分の刺激によってホルモンの分泌を調整する作用があります。

転地や気候による作用

 日常生活やストレスからの開放や、温泉地の自然環境が身体によい影響を及ぼす作用があります。

温泉の禁忌症・療養泉の適応症

 温泉の効用は、その温度、化学的成分、温泉地の環境、利用者の生活状態の変化などの総合作用に対する生体反応によるものです。そのため、温泉の成分のみによって各温泉の効用を確定することは困難ですが、温泉の禁忌症及び療養泉の適応症はおおむね以下のとおりです。

温泉の禁忌症

 禁忌症とは、1回の温泉入浴又は飲用でも有害事象を生じる危険性がある病気・病態のことをいいます。

(1)一般的禁忌症(浴用)
病気の活動期(特に熱のあるとき)、活動性の結核、進行した悪性腫瘍又は高度の貧血など身体衰弱の著しい場合、少し動くと息苦しくなるような重い心臓又は肺の病気、むくみのあるような重い腎臓の病気、消化管出血、目に見える出血があるとき、慢性の病気の急性増悪

(2)泉質別禁忌症

掲示用泉質浴用飲用
酸性泉皮膚又は粘膜の過敏な人、高齢者の皮膚乾燥症

硫黄泉

酸性泉に同じ

(3)含有成分別禁忌症

成分浴用飲用

ナトリウムイオンを含む温泉を1日(1200/A×1000)mlを超えて飲用する場合

塩分制限の必要な病態(腎不全、心不全、肝硬変、虚血性心疾患、高血圧など)

カリウムイオンを含む温泉を1日(900/A×1000)mlを超えて飲用する場合

カリウム制限の必要な病態(腎不全、副腎皮質機能低下症)
マグネシウムイオンを含む温泉を1日(300/A×1000)mlを超えて飲用する場合

下痢、腎不全
よう化物イオンを含む温泉を1日(0.1/A×1000)mlを超えて飲用する場合

甲状腺機能亢進症
上記のうち、2つ以上に該当する場合

該当するすべての禁忌症

 (注)Aは、温泉1kg中に含まれる各成分の重量(mg)を指す。

療養泉の適応症

 温泉療養では、特定の病気を治療させるよりも、療養を行う人の持つ症状、苦痛を軽減し、健康の回復、増進を図り、全体的な改善効用を得ることを目的とします。
 短期間でも精神的なリフレッシュなど相応の効用が得られるものの、十分な効用を得るためには2~3週間の療養期間が適当とされています。
 なお、適応症でも、その病期又は療養を行う人の状態によっては悪化する場合があるので、専門的知識を有する医師の指示、指導のもと行うことが望まれます。
(1)一般的適応症(浴用)
筋肉若しくは関節の慢性的な痛み又はこわばり(関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、神経痛、五十肩、打撲、捻挫などの慢性期)、運動麻痺における筋肉のこわばり、冷え性、末梢循環障害、胃腸機能の低下(胃がもたれる、腸にガスがたまるなど)、軽症高血圧、耐糖能異常(糖尿病)、軽い高コレステロール血症、軽い喘息又は肺気腫、痔の痛み、自律神経不安定症、ストレスによる諸症状(睡眠障害、うつ状態など)、病後回復期、疲労回復、健康増進
(2)泉質別適応症
掲示用泉質浴用飲用
単純温泉自律神経不安定症、不眠症、うつ状態

塩化物泉

きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症

萎縮性胃炎、便秘
炭酸水素塩泉

きりきず、末梢循環障害、冷え性、皮膚乾燥症

胃十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、耐糖能異常(糖尿病)、高尿酸血症(痛風)
硫酸塩泉

塩化物泉に同じ

胆道系機能障害、高コレステロール血症、便秘
二酸化炭素泉

きりきず、末梢循環障害、冷え性、自律神経不安定症

胃腸機能低下
含鉄泉

鉄欠乏性貧血
酸性泉

アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、 耐糖能異常(糖尿病)、表皮化膿症

含よう素泉

高コレステロール血症
硫黄泉

アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、 慢性湿疹、表皮化膿症(硫化水素型については、末梢循環障害を加える)

耐糖能異常(糖尿病)、高コレステロール血症
放射能泉高尿酸血症(痛風)、関節リウマチ、強直性脊髄炎など

上記のうち2つ以上に該当する場合該当するすべての適応症該当するすべての適応症