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あなたにもできる!簡単な史料管理術-箱に入れて、年に1度は虫干しを!-

印刷用ページを表示する掲載日:2010年8月27日更新
  1. 日常のお世話方法
  2. 容器にも注意
  3. 史料が痛んでいたら
  4. 家庭でもできる修復・保全方法

1.日常のお世話方法

ホコリをはらう

  定期的にホコリをはらいましょう。ホコリがたまると虫も発生しやすくなります。

外気にあてる

  年に1度は外気に触れさせて、虫干しをしてください。
  降雨の直後や梅雨期など湿気が多い時期は避け、直射日光に当てないよう陰干しをしてください。

防虫剤を入れる

  防虫剤を入れると、虫の害を減らすことができます。市販の防虫剤が使用できます。
  ただし、種類が異なるものや違うメーカーのものを複数同時に使用しないでください。
  防虫剤を入れたり虫干しをした日をノートに記録して史料と一緒にしておくと、管理が便利です。

箱に大きく表示

  史料の箱に収納されているものを紙に大きく書いて、箱の側面に貼りつけましょう。
  表に表示しておくことで、中身を見なくてもある程度内容が確認でき、利用後の返却場所もはっきりします。
  表示面が見えるように箱の置き方も工夫してください。
  箱が多数になる場合は、収納場所の簡単な見取り図があると一層便利です。

保管場所の清掃

  箱の内部だけでなく、箱を置いておく場所にも気をつけてください。
  ゴミやホコリがたまると、虫の被害を招くだけでなく、近寄りたくないと人の気持ちも遠ざける元にもなりかね
  ません。

2.容器にも注意

保存容器への詰め方

  保存容器には、史料をぎゅうぎゅうに詰めないでください。
  重くなると持ち運びに手間取りますし、容器自体の破損にもつながります。
  詰める重さの基準はありませんが、無理なく持ち上げられる程度の量に留めてください。
  容器の中に多少の空間があると防虫剤の効果が行き届き、管理しやすくなります。

保管場所

  保存容器の置き場にも注意してください。
  水濡れ対策と風の通り道確保のためにも箱は床に置かず、すのこなどを敷いた上に置く事をおすすめします。

保存容器の材質

  ダンボール箱は、強度や耐水性の面からおすすめしません。
  プラスチック衣装ケースや木箱・茶箱などがいいようです。
  文書箪笥(たんす)に収められている場合は、そのままの方が元の管理状況がわかるのでいいかもしれません。

  ※痛んだ史料の修復には、膨大な時間と費用がかかります。傷みや散佚(さんいつ)から大切な記録を
    守るためにも、少しの手間で済む日頃のケアを大切に!

3.史料が痛んでいたら

水に濡れた場合

   史料を直射日光にあてるのはタブーです。日陰で風通しの良い場所で自然乾燥させてください。
  紙と紙が張り付いてしまったら、無理にはがそうとしないでください。
  紙がめくれる場合には、吸水性の高い紙(キッチンペーパー・和紙など)をはさみ込むと良いです。
  はさんだ紙が濡れてきたら、新しい紙と交換してください。
  風があまり通らない場所では、扇風機などを利用して風の流れを作れば同様の効果があります。

虫に喰(く)われた場合

  喰われてしまった箇所は元に戻りません。
    これ以上の被害を防ぐために、1点1点の史料のホコリ払いをして虫を払いのけましょう。
    箱もきれいに掃除して、防虫剤を入れておきましょう。

カビが生えた場合

    カビは、風通しが悪く、湿度の高いところで発生します。
    すぐに箱から取り出し、目に見えるカビは払い落としますが、水ぶきなどはしないでください。
    そして風通しの良いところに置いて自然乾燥させてください。
    ダンボール箱の場合は箱自体がカビていると思われますので、新しい箱に詰め替えてください。

ホコリやゴミがついてる場合

    ホコリやゴミを放置しておくと、虫やカビの温床になります。
    こまめに掃除し、箱の中を清潔に保ってください。
    箱の周りの環境も大切です。棚や床の掃除なども日頃から心がけてください。

のりが剥げてる場合

    のりがとれて紙も剥がれているときは、断片がバラバラにならないように気をつけてください。
    剥がれた箇所を修理するときはでんぷんのりを使ってください。
    化学のりやセロテープ・クリップ・ステープラ(ホッチキス)などを使うと紙を傷めます。

 ※地震や洪水などの災害にあっても、簡単に史料を捨てたり売ったりしないでください。地域や家族の
   歴史を伝える貴重な記録は、災害からの復興の際に「こころの支え」となります。

4.家庭でもできる修復・保全方法

 ※とにかく捨てないでください。修復できるケースがあります。

やってはいけないこと

    冊子を無理にこじ開けません。濡れた箇所から破れます。
    天日やアイロンなどで急激に乾燥させてはいけません。乾くと硬く固まり、開けなくなります。

できること

    被災後48~72時間を目安に救助。夏場は特にカビが生えやすいので要注意。
    電気・水道などのライフラインの復旧状況が許す範囲で下記の対応を行ってください。

軽い水濡れの場合

    キッチンペーパーなどの紙で吸水処理。できるだけ風通しをよくして行います。

冊子状の場合

    頁がはがれるようなら間に紙をはさみます。ただし、無理に開けてはいけません。

一紙(いっし)ものの場合

    キッチンペーパーではさみます。

皺やカビに注意。

    薬局等で市販されている消毒用アルコールを噴霧すると良いようです。
    そのまま陰干しをしてください。

泥などで汚れている場合

    きれいな水で史料を軽く洗浄します。その際に力を加えたり、長時間浸したままにしてはいけません。
    可能ならば、すぐにキッチンペーパーをはさみ、吸水処理を行います。
    吸水処理が不可能ならば、形を整えてそのままの状態でポリ袋へ入れます。
    緊急措置として家庭の冷凍庫に保存する方法もあります。
    その後、市町村や県の教育委員会の文化財担当か先哲史料館へ相談してください。

    参考文献『古文書保存・整理の手引き』(新潟県歴史資料保存活用連絡協議会)