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学力向上対策
大分県知事 広瀬勝貞
先日、県内小中学校の校長先生方と懇談会を開きました。テーマは「大分県の小中学生の学力向上」です。
7月30日に全国小中学校学力テストの結果が発表されました。大分県は小中学校ともに全国40位程度、全科目が全国の平均以下でした。実は、この学力テストは昨年も同じような成績で、2年連続というところが深刻です。
懇談会では、私から県民あるいは保護者の声を受けて、「義務教育は誰でも平等に受けられるべきもので、どこに住んでいようと同じ水準の教育が受けられなければならない。どの学校に行こうと努力すれば将来自分の夢が叶えられる基礎的学力を身につけさせるようにしなければならない。そういう意味で大分県の学力不振は保護者や子どもに申し訳ない」と申し上げました。
校長先生方もこのことは大変真摯に受け止めておられ、活発な意見交換ができました。
皆さんが言っておられたのは、きちんとした生活習慣や学習規律を早くから身につけさせるということでした。それもあまり難しいことではなく、早寝早起き、挨拶、そして筆箱確認など学校への準備、授業開始1分前の着席等ごく当たり前のことです。学校側も入学の時には本人や保護者によく話をするのだけれど、2年生以降は誰も言わなくなる。やはり学校側も継続して指導するようにしないといけないといった議論もありました。
もう一つは、教える先生側の工夫ということもあげられました。一生懸命やっているけれど空回りしている先生も多いから、校長先生だけでなく、先輩、同僚先生が議論し、互いに授業を見学し合って、より良い教え方を作り上げていくことが大事です。何と言っても一人ひとりの先生方に協力してもらわなければならないと思います。
小・中連携さらには中・高連携などネットワークの大切さを訴える校長先生も多数おられました。
この懇談会を通じて、既に多くの学校が学力向上に向けて積極的に取り組みを始めていることを知り、頼もしく思いましたが、これを県全体の大きな流れにし、継続的なテーマとして定着していくことが大切だと思います。
かのEXILEも「愛すべき未来へ」で歌っています。
「子どもたちが夢を持ったまま生きていってほしいと願うから 今僕らはここで何をすべきか…」。
そんな思いで今こそ学力向上に取り組もうではありませんか。
県政だより新時代おおいたvol.72 2010年9月発行