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特集2 「森林環境税」 ~導入から5年目を迎えて~

印刷ページの表示 ページ番号:0000112390 更新日:2010年9月15日更新

「森林」づくりをみんなで支えるため
平成18年に導入された森林環境税。
5年目の今年は一つの区切りです。
これまでの成果を検証し、
今後の課題と森林づくりのあり方を、
県民の皆さんとともに考えていきます。

 

 森林環境税とは

森林環境を保全し、森林をみんなで守り育てるために導入した大分県独自の税金。
県民税に上乗せして負担していただいています。
税額 個人/年額500円
      法人/年額1,000円〜40,000円
    (資本金等の額に応じて)
税収 約3億2千万円(平成22年度予算)

森林イメージ

森林環境税を活用した取り組み(18 〜21 年度)

1 森林づくりへの理解、関心の醸成と森林ボランティア活動への支援
●豊かな国の森づくり大会開催
●森林づくりについての情報発信 
●森林ボランティアの技術研修 
●企業参画の森林づくり支援 
●県民の森林づくり提案への支援 
●渓畦林の整備、流木等の処理

2 荒廃している人工林や里山の整備

●間伐放棄林の整備 
●再造林放棄地の広葉樹植栽
●荒廃竹林の伐採・整理 
●美しい里山づくりの支援 
●シカ被害防止の防護柵設置 

3 県産材の利用拡大や林業者の育成への支援

●県産材木製品の設置 
●県産材活用机・いすの導入支援 
●林業機械リース料への助成 
●作業道等の整備 

4 次代を担う子どもたちが、森林の役割を学び森林を大切にする心を育む取り組み

●「子どもの森」の整備 
●子どもの森林体験活動の支援 
●森林環境教育の指導者養成

取り組み写真1

取り組み写真2

主な成果

◎間伐など910haの森林整備が 進みました(大分銀行ドームの180個分の広さです)
◎NPO団体等が企画した森林づくりに、延べ43925人が参加しました(毎年、県民のおよ100人に1人の方が参加していることになります)
◎森林ボランティア団体数38団体が46団体に増加しました
◎森林づくりへの参加企業数11社が25社に増加しました
◎県産材を使用した机・いす4627セットの導入を支援ました

森林づくりの現場を訪ねて

NPO法人の森林づくりを支援


 NPO法人「碧い海の会」の活動拠点の一つ、大分市竹中の緑深い山中を訪れました。
 「森の荒廃の大きな原因の一つは竹です。竹が増殖すると日が差し込まず、下草も育たず土壌もやせてしまう」と、事務局長の古城修一さん。古城さんら会員は、豊かな雑木林を取り戻そうと、増えすぎた竹の伐採に日々汗を流しています。さらに、切った竹は炭焼き窯で竹炭に。厄介者である竹に付加価値をつけ、有効活用しているそうです。
 また、「今後は環境教育に力を入れたい」と考えている同会。「里山のことを知らない今の子どもに、少しでも森の楽しさ、豊かさを伝えられたら」と、この竹中の広場一帯を、自然観察や炭焼き体験ができる体験学習の場として提供しています。
 県では、こうした森林整備や子どもたちの自然体験などの活動を、森林環境税を活用して支援しています。
 「森林環境税のおかげで、豊かな体験の場ができつつあります。森林環境税は5年間で一区切りということですが、ぜひ継続していただきたいですね」と、古城さんは笑顔で語ってくださいました。

 

森の再生に向けて、再造林への助成

 
 森林環境税は、森林の「再造林」に対する助成金としても活用されています。
 「再造林とは、木を切ったところに新たに植林をすることです。しかし、今この再造林が放棄された山林が大変増加しています」とおっしゃるのは、佐伯広域森林組合の戸高壽生組合長です。
 今なぜ、再造林放棄地が増えているのか、戸高組合長はその理由を「戦後植栽されてきたスギやヒノキは今、伐採の時期を迎えています。しかし丸太の市場価格はピーク時の四分の一にまで下落しています。切ったのはいいが、新たに植えても収入が見込めないので、植林されないまま放棄されてしまうんです」と説明。
 では、放棄された森林はどうなるのでしょうか。
 「木がない山が増えれば、土砂災害の危険性が増し、水源のかん養機能も低下します。また、森がなくなれば生態系も破壊され、森の環境が守れなくなります」と憂慮します。
 森林組合では、再造林放棄地の増加を食い止めようと、所有者が放棄した山の植林を請け負っています。そしてその費用の一部に、森林環境税が使われています。
 「まずは、森林の必要性を県民の皆さんによく知っていただくことが大切です。森林環境税は森の大切さのPR手段としても、とても重要だと思いますね」。

碧い海の会の取り組み写真

古城さん写真
古城修一さん

戸組合長写真 
戸高組合長

 

5年目を迎えて

 大分県森林づくり委員会からの報告

  大分県森林づくり委員会では、4年間の税収やそれを活用した事業の検証、そして今後の課題の検討が行われました。
その結果、8月31日に委員会から知事へ、森林環境税を継続し、県民みんなで森林環境の保全に取り組むべきとの報告書が提出されました。
 報告書では、使途のあり方が次のとおり提案されています。
※大分県森林づくり委員会…学識経験者など幅広い分野の代表で構成。

【テーマ】県民生活を守り、地球環境の保全につながる森林づくり
(1)災害に強く、生物多様性に配慮した森林の整備
(荒廃森林の機能回復、荒廃里山林の整備と利活用、獣害対策の推進、森・川・海をつなぐ流域環境の整備)
(2)低炭素社会に向けた森林資源の確保と循環利用
(健全な人工林資源の再生、未利用資源の有効利用、木材の需要拡大、林業の担い手育成)
(3)県民参加の輪を広げ、次世代へつなぐ取組
(森林ボランティア活動の推進、森林環境教育・木育の推進、森林整備への理解と参加を広げる活動

森林環境税について、ご意見をお寄せください。
問 農林水産部 森との共生推進室 
097-506- 3872
FAX 506- 1766
メール a16210@pref.oita.lg.jp