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4月28日、中津市と玖珠町にまたがる広大な景勝地「耶馬渓」の歴史や文化を物語る「やばけい遊覧~大地に描いた山水絵巻の道をゆく」が新たに「日本遺産」に認定されました。県内の認定は、日田市に続き2件目です。
「耶馬渓」は、山国川が溶岩台地を浸食した奇岩の渓谷で、断崖、岩窟、渓流が大パノラマをつくっています。その深く神秘的な地形は伝説と祈りの場所となり、山水画のような風景は文人画人の憧れの地でもありました。人々は岩から仏、石橋、洞門、庭園と、優れた作品を生み出し、大正時代には一本の絵巻物のようにまとめあげました。「耶馬渓」という山水絵巻に入り込み、遊覧の旅に出かけましょう。
吉田初三郎の鳥瞰図「天下無二 耶馬全渓の交通図絵」
中津城下町から耶馬渓、玖珠までの道路、線路を描き、自動車で遊覧できる名所を描き込んだ観光案内図。
岩窟の寺院「羅漢寺」では、崖をはい、仏をめぐりたどり着いた旅人を、室町時代に彫られた日本最古の五百羅漢石仏が迎えてくれます。
羅漢寺から下った山国川沿いに巨大な岸壁「競秀峰」が現れます。この岸壁沿いの道を安全に通ることができるようにと、禅海和尚が30年かけて掘って造ったトンネル「青の洞門」があり、当時のノミ跡を見ることができます。
青の洞門を発ち玖珠町に向かうと、石柱群に囲まれた神秘の空間「深耶馬渓」に入ります。天然の一枚岩が続く「大谷渓谷」は、沢歩きが楽しめる絶好の避暑地です。
深耶馬渓を抜けると森藩の日本一小さな城下町にたどり着きます。明治末から大正期の古い町並みが残る町の中心には、巨石を大胆に配した藩主の庭園があります。
県内には、おおいたの誇る文化財が数多くあります。今後も更なる日本遺産認定を目指し、地域の活性化につなげていきます。
問 文化課 ☎097-506-5498