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知事からのメッセージ 風紋 -春は曙・・・

印刷ページの表示 ページ番号:0001001792 更新日:2012年5月17日更新

春は曙・・・

大分県知事 広瀬勝貞

 今年の桜はいかがでしたか。

 「開花が遅れたけれど、その分花は艶やかだった」とか、「花見に友人が帰ってきて久しぶりに旧交を温めた」とか、今年もいろいろ花をめぐる思い出が出来たのではないかと思います。桜はやはり日本人の心の古里ですよね。

 ネットで検索してもいろいろ歌われています。花の雅びて明るい姿に心酔う思いがするものから、凛として寂しいような美しさに心打たれるものまで様々です。

  槙の戸は軒端の花のかげなれば床も枕も春の曙(定家)

 願わくば花の下にて春死なむその如月の望月のころ(西行)

  桜はやはり日本人の心の古里、自ずと人を誘います。津久見の四浦半島では半島いたるところに河津桜を植えて今や全国から一足先に春を楽しもうというお客さんを呼ぶ観光名所をつくりあげています。

 そして今は萌えるような新緑です。森を通り抜ける風が本当においしく感じられます。私たちは春夏秋冬、四季を楽しむことができる幸せを実感します。

 春は曙、夏は夜、秋は夕暮、冬はつとめてと移りゆく季節の風情を愛でた清少納言でなくても、四季折々、時々刻々そのおもしろさを楽しむのは日本人の特権のような気がします。日本の古来固有の文化もそこから生まれています。

 「茶の湯には 梅寒菊に黄葉み落ち 青竹枯木 あかつきの霜」(利休道歌)と四季の自然を楽しみます。

 「蕗」という特に大分県で有名な俳句の会がありますが、そこでも自然を大切にすることが第一だと言われています。

 先日、いけばなは池坊の花展がありましたが、そこで京都から来られた宗匠が「いけばなは自然を活かすことが大事、そのためには自然を愛でる心を磨く事が大切」とおっしゃっていました。

 春眠暁を覚えず 惰眠をむさぼるには今は絶好の時期でもありますが、年度始めでもあります。皆さんとともにつくりあげた新「安心・活力・発展プラン」の実現に向けて、いよいよ動き出す時、なかなか寝ている暇はありません。

 皆さまも、畑仕事も本格化することと思いますし、ビジネスの方も年度初めの仕込みで大忙しのことと存じます。

 ご健勝にてご活躍を祈ります。

 県政だより新時代おおいたvol.82 2012年5月発行