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知事からのメッセージ 風紋 -雨ニモマケズ

印刷ページの表示 ページ番号:0000262910 更新日:2012年9月30日更新

雨ニモマケズ

大分県知事 広瀬勝貞

 梅雨時の集中豪雨には随分やられました。私も何回か現地に出かけてみましたが、一番心配したのは、被災された方々が余りに大きな被害で気持ちまで挫けてしまわないかということでした。

若い夫婦でしたが、力を合わせてようやく整備したビニールハウスが全て流されてしまい、こちらの方がなんと声をかけていいか滅入ってしまいそうになりましたが、奥さんの方から「私たちはやります」と言われ、逆に勇気をもらいました。

土地改良区の用水路が寸断され、被災した自分の家のことは後まわしにして総出で復旧に当たる皆さんの心意気にも感銘を受けました。

ようやく後片付けが終わったところに二度目の水害に見舞われた自動車整備場の主人は後始末しながら「今晩から祇園囃子の稽古再開」と元気に祭りのことまで心配していました。

大きな痛手を被りながらも、乗り越えて再起していこうという意欲的な人々がいる限り、復旧・復興の前途は明るいし、何としても応援していかなければと思ったところです。

 ボランティアの皆さんにも大変お世話になりました。何しろ普段は大人ひとりで持ち運びのできる畳が、いったん水につかると大の男4~5人で運ぶのがやっとという程重くなりますから、被災直後の後片付けには本当に人手が要ります。県内はもとより県外からも多くの方が来て、途方に暮れていた被災地の助っ人として大活躍していただきました。

温かいお気持ちに励まされました。県や市の社会福祉協議会の皆さんがボランティアと被災地・被災者の継ぎ役をやっていただいたのもよかったと思います。

 今度の水害は人的被害が少なかったのが救いでした。これには市や町による的確な避難の勧告や指示もあったと思いますし、また、自衛隊による迅速な救出活動もよかったと思います。

しかしそれだけではなくて現場の防災リーダーがいち早く判断して住民を避難させたところもありましたし、切羽詰まった状況の中、自分で身を守った方々も沢山いました。皆さんが日頃から自助、共助の気概を持ち、時々訓練もし、防災の備えをしていただいているからだと思います。

 水害対策はなかなか気骨の折れることですが、様々なかたちで皆さんの逞しさと優しさを実感しながら励まされています。

県政だより新時代おおいたvol.84 2012年9月発行