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高校の文化系の部活動、いわゆる「文化部」では、高校生たちが書道や茶道、吹奏楽など様々な分野で日々努力を重ねています。
また、伝統文化の継承など地域に根ざした活動や、他にはない特色ある活動を行っている部も数多くあります。
将来の大分県の文化を担い、未来に羽ばたいていく高校生たちの文化部の活動を紹介します。
第42回大分県高等学校総合文化祭が、「Open the door~扉の向こうの未来~」をテーマに11月14 日~17 日まで、iichiko総合文化センターで開催され、他校との交流を深めるとともに、日頃の成果を披露しました。
県は、文化部の活動が、生徒それぞれの個性を伸ばし、豊かな情操を育むうえで大きな役割を果たすと考え、大分県高等学校文化連盟と連携し、高等学校における芸術文化活動の充実・振興に努めています。
今年、佐伯市で行われる国民文化祭の催し「大分 大自然 大茶会 ~お茶ガールズ~」には、佐伯市内の2つの高校の茶道部が出演を予定しています。昨年、佐伯市直川の正定寺で行われたプレイベントでもお点前を披露し、お茶の文化や伝統をたくさんの方々に体験してもらいました。
【学校法人 文理学園 日本文理大学附属高等学校 茶道部】
河野友稀部長(左)、中川千鶴副部長(右)(いずれも2年)に話を聞きました。
入部のきっかけは、仲の良い先輩からの勧誘だった。それまで茶道の経験はなく、高校から始めた。それでも、練習を重ねるうちに、自然と作法や礼儀が身について、日頃の生活でも所作が美しくなった。
正定寺で行ったプレイベントでは、皆で決めた「竹取物語」のテーマに沿って、道具を選び、和装でお点前を披露した。「『ごちそうさま。美味しかったよ。』って言ってくれてうれしかった。」と、二人でにっこりと顔を見合わせる。
他にも地域との関わりは多く、佐伯春祭りなどでもお点前を披露する。作法を知らない人には、少し敷居が高く感じられる茶道だが、「何も知らなくても、大丈夫。私たちがお手伝いします。」と、心強いサポートを申し出てくれた。
【大分県立佐伯豊南高等学校 茶道部】
永谷美侑部長(3年)に話を聞きました。
「茶道は、堅いイメージがあるけれど、そんなことは気にせず参加して大丈夫です。」その言葉に惹かれたのか、豊南高校の茶道部には、男子生徒も多い。部活動では、夏休みには、ボランティアで学童保育の子どもたちを対象とした地域の茶道体験活動の手伝いをしている。「自分も小学生の時、児童館で茶道を教えてもらって楽しかった。まずは茶道を楽しんでくれれば良いと思います。」
正定寺で行ったプレイベントでは、「感傷の秋」をテーマに演出を考えた。「大変だったけど、たくさんの人が来てくれて、うれしかった。来年の国民文化祭の時は卒業しているが、何かの形で関わりたい。」と話してくれた。
【大分県立大分南高等学校 書道部】
「書の甲子園」と呼ばれる第26回国際高校生選抜書展 団体の部で優勝。 野崎しずく部長(2年)に話を聞きました。
「今までもチャレンジしていましたが、入賞も少なかったので、まさか優勝するとは思っていませんでした。」と野崎しずくさん。「書道には様々な書体があり、そこが楽しい。大きい作品を書くのが好き。」と、のびのびとした風景画のような作品を見せてくれた。
指導担当の鹿苑顧問から様々な書体を見せてもらい、生徒はそれぞれ自分に合った書体を見つける。最も時間をかけるのは筆遣いの練習。夏休みからは、「全国優勝」を目標に練習を重ね、お互いの作品を見てアドバイスをしあうことでチームとして成長した。
「今後の目標は?」と聞くと、「個人でも結果を残したい。団体では、来年も優勝を狙います。」と、笑顔で答えてくれた。
【大分県立大分上野丘高等学校 化学部】
2013年日本学生科学賞の最高賞「内閣総理大臣賞」受賞のほか、全国高等学校総合文化祭では、4度の全国一を獲得。
牧功大部長(中央)、松本有紀副部長(右)、金田ひな乃副部長(左)(いずれも2年)に話を聞きました。
「中学生の時に上野丘高校の化学部の活動を知り、自分もやってみたいと思った。」と、入学前から化学部に憧れていた。「地道に研究を続ける先輩の姿が印象的だった。」とも。たくさんの賞をとり、一見華やかに見えるがすべては日々の努力が実を結んだものだ。
「僕たちの研究は、教科書には載っていない。学年や専攻に関係なく、科学的な知識がなくても発想の転換で素晴らしいアイディアが出てくる。」1・2年生が合同で、自由に意見を交換し、様々な発想から研究を進め検証していく。
「化学部の楽しさって何?」と聞くと「自分たちで自由に実験できること。」と教えてくれた。
今後の目標は、全国大会での優勝。個人としてもさらなる高みを目指していく。
問 大分県教育委員会 文化課 ☎097-506-5499