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特集2 つながり、支え合う地域社会づくり

印刷用ページを表示する掲載日:2010年11月19日更新

 人々に大きな衝撃を与えた、高齢者の所在不明問題。
 人と人とのかかわりが薄れてしまった現代社会を”無縁社会“と呼ぶ声も。
 福祉のあり方そのものが問われる中、かつて当たり前に存在していた「ご近所さん」の力を見直そう、そんな動きがあります。
 今回の特集では、「ここに住んでよかった」と誰もが思えるような温かい地域づくりの事例を紹介するとともに、県の新たな取り組みをお伝えします。
 ”支え合う“こと、”共に生きる“こと、あらためて考えてみませんか?

タイトル画像


「支え合い」先進地を訪ねて
~みんなで寄ろうち生きていく~

 訪れたのは、中津市にある一軒の民家。
 部屋の中ではこの地区に住む80〜90歳代のお年寄りが集い、大きなテーブルを囲んで談笑しています。
 ボランティアのスタッフが音頭をとり、皆で歌を歌い始めました。手拍子を打つ人あり、踊り出す人あり、小さな部屋は大変なにぎやかさです。ここ、沖代寄り合い所「すずめの家」は、地区の住民が和やかな時間を過ごす”寄り合いの場“なのです。
 県は、市町村や市町村の社会福祉協議会の職員を対象に、「支え合い活動コーディネーター養成講座」を開講しています。これは県内の先駆的な地域活動の事例を通じて、福祉関係者の専門性の向上や地域福祉活動のノウハウの習得を目的としたもの。 
 この日は研修の一環として、沖代地区の「地域サロン」と呼ばれる活動を視察しました。
 実際のサロンの様子を見学した後は、受講生も輪に交じり、利用者やボランティアとの意見交換を実施。自らの地域に置き換えてどう生かすか、行政は地域活動をどう支えるかなど、ひざを交えて意見を交わしました。

研修会 画像

すずめの家とは?

 「すずめの家」は、地域のボランティアグループ「沖代すずめ」によって運営されています。
 立ち上げは平成5年。地区の高齢者が引きこもっていることを知った代表者の吉田日出子さんが、「誰かに会える場をつくろう」と考えたのがきっかけでした。
 現在は週2回開所し、地域のお年寄りが集う憩いの場として親しまれています。
 こうした寄り合いの場ができたことで、「地域に顔の見える関係が生まれた」と吉田さん。それが孤独感の解消や生きがいづくりにつながり、支え合いの意識が生まれる土壌にもなっていきます。
 運営に携わるボランティアにとってもこの活動が生きがいになっている様子。「『すずめの家』があるから元気でいられる。いずれ利用者としてお世話になりますよ」とほがらかに笑うのは、80歳代のボランティアです。 
 「『みんなで寄ろうち生きていこうえ』、これが「すずめの家」の趣旨です。利用者もボランティアも同じ”すずめ“として、みんなで運営し、支え合っているんですよ」と吉田さんは笑顔でおっしゃいます。
 「すずめの家」では運営にも一工夫。年間経費の多くの部分を、少額の会費、そして春と秋に行うバザーの売り上げでまかないます。これも自分たちで考え編み出した ”沖代方式“です。
 住民が寄り添い、知恵を出し合ってはぐくんできた「すずめの家」。
 「沖代に住んでてよかった」。利用者は口をそろえてそうおっしゃいます。

 

 広がる活動 深まる安心

 「沖代すずめ」はサロン活動に加えて、さまざまな地域活動を行っています。公民館で月に数回行うミニデイサービス、住民同士が低料金で助け合う家事支援サービスなどもその一環。住民の困りごとを解決しようと、活動の幅を広げてきました。
 また、昨年度は沖代校区に「沖代校区ネットワーク協議会『あいがも』」が設置されました。「沖代すずめ」を含め、校区内でさまざまな地域活動を行う15団体が、一緒に地域の課題を話し合う”場“が誕生。
 共に生きる地域づくりに向け、沖代地区は一歩ずつ前進を続けています。

 

吉田さん画像吉田日出子さん

すずめの家とボランティア画像


沖代ネットワーク協議会画像

受講者の声

 「皆さんが、それぞれの生きてきたさまを認め合いながら、自分の居場所を持っていることに胸を打たれました。デイサービスではなくて家族といるような、こんな居場所づくりが必要なんだなと実感しました」

「施設は若い人が入って運営していますが、ここは地域の人が地域の力だけでやっています。しかも、利用者だけじゃなくてボランティアも楽しみながら運営しているところが素晴らしいです。自分たちの仕事に取り入れていこうと思います」

住民と行政
手を携え新しい福祉を目指す

  

県では「地域の福祉力」再生に向け、新たな取り組みを始めました。                              
県の支え合い活動支援員、河野千代子さんにお話を伺いました。

 河野さん画像

 


 ~取り組みの内容~

 住民主体の「支え合い」を実現するために、新たなしくみづくりを行っています。
 まずは、小学校区や自治区単位でのサロン活動をもっと広めたいと考えています。さらに、自治委員や民生委員、ボランティアなどの関係者で構成され、地域活動の協議の場である「小地域ネットワーク会議」の設立を支援していきます。
 最終的には、サロン活動などの取り組みの中で浮き彫りになった課題の解決策を「小地域ネットワーク会議」の中で話し合い、住民では解決できない課題を行政や専門機関に相談する、といった一連のシステムの構築を目指しています。
 また、地域福祉活動の担い手育成も重要な課題です。民生委員、自治委員、NPO法人など、地域の核となるリーダー育成の研修にも力を注いでいます。

 ~取り組みの背景には~

 地域や家庭の助け合い機能が低下し、人と人とのつながりが希薄になっています。こうした中、介護保険などの行政サービスだけでは、多様化する生活課題に対応できなくなっています。そこで住民が主体的にかかわり、支えあう「共助」のしくみづくりが必要になってきたんです。
 今は便利な世の中ですから、若いうちは一人で解決できることも多いでしょう。しかし、年を重ねると自分一人ではできないことが増えていきます。病気や一人暮らしなど予期しなかったことも起こります。支え合いは自分自身のためでもあるんです。

 ~支え合う地域社会づくりのために~

 まずは、隣近所を気にかけてほしいですね。例えば新聞受けに新聞がたまっているな、とか、カーテンが開いていないな、とか。そうしたささやかな思いやりが、温かい地域づくりにつながっていくのではないでしょうか。

 

支え合いイメージ図

 


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