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特集2 大分っ子学力・体力アップ大作戦

印刷ページの表示 ページ番号:0000245177 更新日:2011年11月21日更新

大分っ子学力・体力アップ大作戦 

 特集2表紙

 将来、子ども達が将来夢や希望を実現するためには、小・中学校の義務教育期間中に基礎学力や体力を身につけることが大切です。今回の特集では、子どもの学力・体力向上に向けて奮闘する現場を追いました。

表紙写真その2

ナビットくんで授業をナビゲート

 県教育委員会は、3年前から小中学生の学力向上策として「学力向上支援教員」を配置し、優れた授業方法を広げていく取り組みを行っています。

 学力向上支援教員は、特定の科目を受け持ち、赴任した学校だけでなく、近隣の学校を巡回して授業をしたり、学級担任や教科担任に対して授業方針の助言をしたり、指導方法を共有する機会として公開授業を行うなど、地域全体の指導力向上に向けて支援をしています。

 今年度は72名が配置されており、九重町立淮園(わいえん)小学校に勤務する飯田孝子先生もその一人です。

 授業では、飯田先生が自ら考案した「ナビットくん」というオリジナルの学習計画表を活用しています。ナビットくんは、単元ごとにこれから行う学習項目などが示されており、子ども達自身が、授業が終わるごとに理解度を◎、○、△で評価し、学んだ内容を記録するものです。

 飯田先生は、「平成21年に教育の先進地である秋田県に視察に行った際、先の見通しを持って授業を受けることが子ども達にとって大事だと感じ、ナビットくんを考え出しました。子ども達が大切なポイントを再確認することにも役立っているようです。教える側にとっても、○や△を付けた子どもが多い項目を、次の授業でじっくり指導できます」と語ります。

 また、巡回授業をしている2つの小学校でもナビットくんを活用しているそうです。

 「週に1度、南山田小学校に伺っています。いつも授業を受け持っている担任の先生と授業の進め方を話し合う時などにも役立ち、一貫した授業展開ができるようになりました」と飯田先生。

 一方、担任である岩下先生は、こう言います。
 「子ども達は、事前に学習計画がわかるようになって、安心して授業に集中できるようです。また、飯田先生から、全体発表の前に隣の人と話し合う「ペア学習」の方法を教わりました。そのおかげで、子ども達も手をあげやすくなったようです。飯田先生の授業から、たくさんのヒントをもらっています」。

 よりわかりやすい授業で学力向上を目指して、試行錯誤しながらさまざまな工夫をしている学力向上支援教員。更なる活躍が期待されます。

 

ペア学習の様子          飯田先生と岩下先生
     ペア学習の様子                  協議中の飯田先生と岩下先生

 

   飯田 孝子先生
    飯田 孝子先生
ナビットくん
        ナビットくん

 

熱意あふれる!体育専科教員

 体を動かすことは、筋力や持久力などの体力向上につながると同時に、健康の保持増進や、意欲と気力の充実にも大きく関わっています。

 そこで、県教育委員会は、2年前から小学校に「体育専科教員」を配置して、体力の向上にむけて取り組んでいます。

 「教え込むのではなく、子ども達の力を引き出せるような授業になるよう心がけています」と言うのは、日出町立日出小学校の体育専科教員である河野 理(こうのおさむ)先生です。今年度16名配置された体育専科教員の一人です。

 河野先生は、いろいろな運動課題に次々と挑戦させ、運動量を確保しながら、運動のポイントを自然に習得させる指導方法を取り入れているそうです。

「毎回、小さな『できた』という達成感を持たせ、その都度ほめることを大切にしています。小さな達成感の積み重ねによって意欲が高まり、できる運動が増えれば、苦手意識を持っている子どもでも、徐々に好きになってくれると思っています。運動が好きになれば外で遊ぶ機会が増えて、日常的に体を動かす習慣ができるといういい循環が生まれます。校庭の遊具のさび落としやペンキの塗り替えをして、遊びやすい環境も整えました」と、河野先生。

 また、定期的に職員会議で、体育の必要性や指導方法について定期的に話をしているそうです。

「小学校の先生は、体育の専門的な指導方法を学ぶ機会が多くありません。だから、担任の先生と一緒に授業を進めることで指導のポイントを伝えたり、職員会議で情報を共有していくことも重要な役目だと思っています」と語ってくれました。

 熱意あふれる授業で、子ども達に体を動かす楽しさと重要性を教える体育専科教員。  

体力アップで、いきいきと生活する子どもの笑顔が広がります。

 

   河野先生
     河野 理 先生

 体育の授業風景

 

体育の授業風景

 

地域力で育つ!「学びの教室」

 

「先生、これわからんけん教えて~!」

 放課後、そんな声が聞こえてくる場所があります。それは「学びの教室」です。放課後や週末に、学校の教室や公民館を活用して、地域の人々が子ども達に勉強を教えています。

 中津市にある鶴居コミュニティーセンターでは、毎週水曜日に「学びの教室」が開催されています。地元の有志5、6人が先生となって、国語や算数の問題を解いたり、数字を使ったパズルなどに取り組みます。

 この教室を始めるにあたって、学校、地域、子どもを結ぶ架け橋となったのは、コーディネーターの田口政博さんです。田口さんは、「以前から、週末に子ども達と一緒に体験交流をする『子ども教室』に携わっていました。その中で「学びの教室」のことを知り、自分の地区でもできないかとみんなに協力を求めて、昨年から3~4年生を対象として始めることができました。子ども達の姿を見ることが元気の源ですね!」とほほえみます。

 また、この教室の代表で、先生の一人でもある松本幸高さんはこう言います。

 「私は教師をしていたので、再び子どもに勉強を教える機会ができて嬉しいです。授業でつまずいているところがあればフォローをしています。復習することはとても大事なので、きちんとした学習習慣を身につけてほしいです」。

 学校とはひと味違った雰囲気の中で、学ぶことの楽しさや、主体的に探求する力を育くむ「学びの教室」。ここに火曜子ども達にとっては、人生の先輩である地域の人から多くのことを学び、絆を深める大切な場所になっています。

 学びの教室

田口 政博さん
  田口 政博さん

  松本幸高さん 
  松本 幸高さん