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県は、大分大学医学部附属病院を基地病院として、10月1日からドクターヘリの運行を開始します。ドクターヘリは、救命救急用の医療機器を装備しており、搭乗した医師や看護師が現場などで患者に救命医療を行うことができる専用のヘリコプターです。これまでの空路による救命救急は、大分県防災ヘリ「とよかぜ」と県北西部(中津市・日田市・九重町・玖珠町)を運航範囲として共同運航している福岡県ドクターヘリでしたが、今回のドクターヘリ導入により3機体制となります。これにより、広域救急医療体制が大きく前進します。
救急医療は時間との勝負です。1分1秒でも早く医師が患者に接触し、診断・治療を行うことが求められます。病院で患者の搬入を待つのではなく、我々が現場に駆けつけてその場で初期治療を行い、医療機関に搬送中も経過観察ができるドクターヘリの導入は、とても有効です。これにより、救命率の向上と後遺症の軽減に一層つながると確信しています。県内どこにいても、緊急時に適切な治療と迅速な搬送が可能となるので、地域医療の格差解消にも大きく貢献するものと思います。 救急現場は病院とは違う過酷な場所での対応となりますので、安全確保を第一に、医療スタッフが一丸となって救命救急に全力を尽くします。 |
ドクターヘリ導入後は、私達消防本部職員が出動要請をすることになります。訓練で石井教授に「判断に迷った時でも連絡をすること。不要になれば素早くキャンセルすればいい。何より人命救助が最優先」という指示を受けました。それを胸に、責任重大ではありますが、現場で患者にとって最適な手段を判断していきます。救急車両では到着までに時間のかかっているへき地などでは、特に有用と考えています。医師と信頼関係を築きながら、空と陸の円滑な連携を図っていきます。 |
ドクターヘリが離着陸する際は、騒音や強い風が発生して危険です。現場への立ち入りは控え、消防職員の指示に従ってください。安全運航にご理解とご協力をお願いします。