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身近な相談医 大分オレンジドクター

印刷ページの表示 ページ番号:0000269915 更新日:2013年3月13日更新

   認知症は、65歳以上の高齢者のうち、10人に1人が発症する病気です。高齢化社会が進んでいる今、誰もがかかりうる身近な病気「認知症」を正しく知って、みんなが安心して笑顔で暮らすことができるよう、支え合いましょう。

オレンジドクター

認知症とは 

 認知症とは、何らかの原因で脳に障がいが出て、日常生活に支障が出ている状態のことをいいます。認知症はいくつかの種類に分かれており、中には治療すれば治るものもあります。しかし最も多いのは、脳の神経細胞が壊れて萎縮する「アルツハイマー型」の認知症で、完治させる根本的な治療法はまだ確立されていません。薬などによって病状の進行を遅らせることはできますので、早めに気づくことが大事です。

アルツハイマーグラフ

もの忘れとの違い

 もの忘れは、誰でもすることがあります。しかし、認知症によるもの忘れには大きな違いがあります。それは、「経験したこと自体を覚えているかどうか」です。例えば、「食事をしたことは覚えているが、何を食べたかという記憶の一部が思い出せない」と「食べたこと自体を思い出せない」の違いです。
 ヒントを出しても思い出せないことが多い場合は、認知症の可能性が高くなります。認知症は、早期発見・早期治療が大切です。「今までと様子が違う」、「ちょっとおかしいな」と思うことがあれば、早めに医療機関に相談してください。

早期発見の目安

相談しよう 

 「認知症について、どこに相談して良いか分からない」という声を受けて、県は1月28日から新たな取り組みを始めました。「大分オレンジドクター」です。これは、「ものわすれ・認知症相談医」のことで、登録プレートがある医療機関で認知症に関する相談をすることができます。現在、227名の医師が登録をしており、県庁ホームページ上で医療機関名などをお知らせしています。

 大分オレンジドクターの育成など、地域で認知症を支えるための総合的な支援の中核を担っている認知症サポート医連絡協議会会長である井上 雅公(まさき)先生にお話を伺いました。

オレンジドクターと登録プレート

 「日頃から接する機会の多いかかりつけ医であれば、患者やその家族が認知症について相談しやすく、早期診断にもつながるとの狙いで始まったのが大分オレンジドクターです。認知症は、長期に及ぶ治療と症状の進行状況に応じたさまざまな支援が必要となる病気です。
  治療を始める時期が早いほど、患者にとって良い状態を長く維持できますし、家族も、私達医師や介護サービス関係者と連携して早めに治療・介護計画を立てることができます。悩みを抱えこまずに、みんなで話し合いながら治療を進めていくことが大事です。まずは気軽に大分オレンジドクターに相談してくださいね」と井上先生は話ます。

 また、忘れてはいけないことがあるといいます。
 「目に見えない変化に戸惑い、不安を感じているのは、誰よりも患者本人です。記憶力が低下しても、喜びや悲しむ感情は心の中にあります。『ダメ』と注意された意味を理解できずに同じことを繰り返してしまいますが、患者は叱られたことで自尊心が傷つき、辛い思いをするのです。
 一番近くにいる家族だからこそ抱く複雑な気持ちはよく分かりますが、認知症の症状を理解して、相手に目線を合わせて優しい言葉で語りかけ、心にゆとりを持って接してください。おしゃべりや手先を動かすなどの脳を刺激するリハビリや好きなことを続けられる環境を保つことで、患者の情緒が安定しやすくなりますよ。地域の中で、認知症の患者とその家族を見守り、支え合う関係を築いておくことも大切ですね」。

 認知症になっても、住み慣れた地域でいつまでもその人らしく笑顔で暮らしていくために必要なこと。それは、医療機関への早めの相談、そして周囲の認知症に対する理解や温かい思いやりということが改めて分かりました。

認知症サポーターの案内等