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大分の「みりょく」再発見

印刷ページの表示 ページ番号:0000274599 更新日:2013年5月31日更新

 

日本一のおんせん県おおいたには、温泉だけでなく、県内外さらには国外に誇る地域資源がたくさんあります。

今回は、その「みりょく」をご紹介します。

見力 みりょく ~大分と世界の芸術・文化が出会う場所~

 美術館の模型 新見教授
 ↑県立美術館模型                  ↑武蔵野美術大学教授 新見 隆さん

 4月12日からいよいよ大分県立美術館の建設が始まりました。「大分らしい」美術館を目指し、企画展などのソフト面も本格的に動き始めています。起工式に先駆けてiichiko総合文化センターで行われた「大分らしいユニークな新しい美術館を語る夕べ」では、館長の就任予定の新見 隆(にいみ りゅう)さん(武蔵野美術大学教授)が新しい美術館のコンセプトなどを説明しました。

 「テーマは『出会い』です。大分の魅力である世界性と豊かな人間性をさまざまなジャンルのものとの出会いによって国内外に発信します。例えば、高山 辰雄さんや福田 平八郎さんなどの県出身者の作品と海外の芸術品が融合した伝統とモダンとの出会いなど、今までにないような展覧会を考えています。産業や地域とも結びつけ、大分にしかない美術館にしたいです。工夫のしがいがあります」と新見さん。

福田平八郎 水     シンボルマーク
↑福田 平八郎 「水」            ↑大分県立美術館の英語表記の頭文字「O P A M」を使ったシンボルマーク

 また、今後の意気込みとして、「美術館は決して敷居の高い場所ではなく、第二の我が家であり、芸術・文化と気軽に出会える『心の遊び場』です。訪れるたびに新たな驚きがある美術館を目指し、全身全霊をかけて構想を練っていますので、ご期待ください」と語ってくれました。

 ロゴデザインも決まり、新たな芸術・美術の発信拠点として着実に準備が進んでいる大分県立美術館。平成27年春の開館が待ち遠しいですね。

魅力 みりょく ~世界に売り込む別府竹細工~ 

岩尾 一郎さん  ←大分県竹産業文化振興連合会長 岩尾 一郎さん

 県内で唯一伝統的工芸品に指定されている別府竹細工。その技術と魂は若手の後継者にも脈々と受け継がれています。しかし、マダケ生産量日本一の本県でも、良質な竹を育成・伐採して工芸家等に竹材を供給する業者が年々減少しており、原材料の調達が困難になってきているといいます。

 そこで件と大分県竹産業文化振興連合会が協力し、今年度から森林環境税を活用した取り組みを始めました。会長である岩尾一郎さんは、「竹工芸品の生産量が増えれば竹材の取引量が増え、良質な竹を育てるために竹林の手入れも行き届くといういい循環が生まれると考え、販路開拓のために海外に挑戦することにしました。ターゲットはアメリカです。今年は、多くの人に竹工芸品の良さをPRし、日常生活に取り入れてもらうための足掛かりにしたいです」と話します。

 海外進出をする時に最も重要なのは、商品づくりです。アメリカの生活様式に合ったものを作るために、講師を招いて研修を行ったそうです。岩尾さんは、こう言います。「研修では、茶系の竹が好まれること、ジュエリーなどの異素材と組み合わせた商品は販路の広がりがきたいできることなどのアドバイスを受けました。これを生かし、現在9名の職人が新商品の開発に取り組んでいます。私達は、いつも使ってくれる人のことを考えながら製作していますので、アメリカでの生活スタイルに受け入れられると嬉しいです。今年の8月には、アメリカで唯一の竹工芸品専門店「タイギャラリー」で「大分の竹工芸展」を開催し、展示販売をする予定なので、ここが正念場と思って連合会が一丸となって頑張ります」。

 伝統産業である別府竹工芸を守り伝える新たな展開が始まる今、地元大分でもその魅力を再確認して、生活に取り入れたいですね。

味力 みりょく ~太陽の色をした果実~

 味力のハウスみかん 太城さん
 ↑味力のハウスみかん        ↑JAおおいた柑橘研究会 ハウスみかん部会長 太城 好昭さん

 温暖な気候に恵まれた本県は、ハウスみかんの生産量が全国第3位。出荷は、日本一早く4月から行われています。

 昨年5月には、県内の2大産地(県北・県南地域)の生産者が一緒になりJAおおいた柑橘研究会ハウスみかん部会が設立。品質の統一や量の拡大、リレー出荷など、生産出荷体制の強化に向けた取り組みが進められています。部会長の太城 好昭(たき よしあき)さんは、「組織を一本化したことで量が確保でき、バイヤーからの品質や規格に関する細かい要望にも対応できるようになりました。このほか、消費者のニーズを聞くため、自分達で東北や関東方面にも売り込みに行っています。『おんせん県おおいた 味力も満載』というキャッチフレーズを追い風にして、高品質で安全・安心なものを売り込んでいきたいです」と語ります。

 充実した土づくり、水や温度の細やかな管理、太陽光がまんべんなく当たるような樹づくりといった生産者の豊富な経験に裏打ちされた技術が、ハウスみかんの『味力』につながっています。

 「手塩にかけて育てたみかんを出荷する時は、毎回娘を嫁に出すような心境です」と微笑む太城さんを見ると、ハウスみかんが一層おいしく感じられました。