ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 新時代おおいたのページ > 農業を支える新たな担い手~地域農家と共に伸びゆく企業の農業参入を応援します~

本文

農業を支える新たな担い手~地域農家と共に伸びゆく企業の農業参入を応援します~

印刷ページの表示 ページ番号:0000286261 更新日:2014年2月17日更新

 農業の担い手の高齢化や後継者不足が深刻になりつつある今、耕作放棄地の解消、農地の有効活用のほか、新たな雇用の創出など、地域農業の再生と活性化に大きく貢献すると期待されている企業の農業参入。県では、農地の確保や施設の整備、農業技術の指導など、企業の実情にあわせ一貫した支援を行っています。
 今回の特集では、農業参入した企業の取り組みや、新たな担い手に期待する地域の声などを紹介します。

農業参入の現状

大分県では平成19年度より企業の農業参入を積極的に推進しています。昨年12月末現在の参入件数は166件で、これは全国でもトップレベルです。参入企業の業種は「建設業」が最も多くなっています。

グラフ

経営革新からの新たな挑戦~地域農家を支えたい

 国東市で建設業を営む、有限会社安部組代表取締役安部徹さん。公共事業の減少と、高齢化により農作業が困難になりつつある地域の現状から、「このままではいけない、何かできることはないか」と考え、平成18年、大分県から「経営革新計画」の承認を得て、地域の基幹産業である農業で経営の多角化に取り組み始めました。

 最初に取り組んだのは、水稲苗と椎茸原木の販売で、その翌年からは、ラジコンヘリコプターによる害虫駆除を始めました。

 平成21年に農業生産法人を設立。経営の安定化を図るため、年間を通じて出荷できる『大分味一ねぎ』の生産を始めました。栽培を開始して3年、今では建設業に並ぶ収入の柱となっています。栽培管理の徹底、地元農家の協力もあって、平成24年度第22回大分県野菜経営コンクール新人部門の最優秀賞(県知事賞)を受賞しました。

大分味一ねぎを収穫する様子  大分味一ねぎ
「大分味一ねぎを収穫する様子」             年間47t生産する「大分味一ねぎ」

「このような賞をいただくことは、従業員たちの励みになります」と安部さんは目を細めます。これからの目標を聞くと、「やっとレールができたところ、これからが本当のスタートだと思っています。他との差別化を考えて、もうかる農業を考えていきたい」と語る安部さんに、地域農業を支えていく強い決意を感じました。

有限会社安部組の皆さん 「有限会社安部組の皆さん」

有機農業の発展を目指して~安全安心を届けたい

  ワタミ株式会社のグループ会社で、農業生産法人有限会社ワタミファームが臼杵市に農業参入したのは、平成20年4月。臼杵農場7・8haの、2/3以上は耕作放棄地でしたが、現在では、有機野菜(にんじん、大根、レタス、さつまいも、水菜など)を栽培する農地として復活しています。 

有限会社ワタミファーム臼杵農場長  レタス栽培の風景
有限会社ワタミファーム 臼杵農場長の岡田さん

 栽培された野菜の一部は臼杵市内の小中学校の給食に提供されています。「地元の子どもたちの『おいしい』という声を聞くとうれしいですね」と、臼杵農場長岡田拓也さんは微笑みます。

 大分県で農業参入したきっかけは、臼杵市が有機栽培を推進していたことと、県の一貫した支援があったこと。有機栽培には、何より土づくりが大切なので、独自の有機堆肥を提供して土づくりを支援している臼杵市は、農業を始めるためのよい条件がそろった場所だったそうです。

 岡田さんにとって、地元農家の皆さんが先生です。「周囲に有機栽培をしている人が多いので、霜の降りる時季、種まきに適した時季などを教えていただきました。地元農家の皆さんの支えがあって、今があります。また、農業青年活動にも積極的に参加して情報交換をしています。参入後もきめ細かなフォローアップをしてくれるので助かっています」と岡田さん。

 これからの目標は、「生産性の向上と収益性のある事業の拡大です。経営が安定するよう、加工品も検討していきたいと考えています。将来は、大分県で採れたものを一次加工して全国へ配送できるようにしていきたいです」と、力強く語ってくれました。

地域の声(1)

 退職後、地元国東市に戻ってきた蓑さんは、「先祖代々受け継いできた田んぼを守りたいのですが、自分は農業の経験もなくできません。安部さんのような会社組織があってありがたいです」と言います。また、「高齢で体調も良くないので、個人ではなかなか出来ません。とても助かっています」と門口さん。お二人の声に安部さんは、「新たな設備投資はできないけれども、土地を守っていきたいという地元住民の声に答えたい。一歩一歩取り組んでいきたい」と真剣な眼差しで語ってくれました。地域農業の担い手として今後益々の活躍が期待されます。
地域の声蓑 孝(みの たかし)さん【左】、門口 文男(かどぐち ふみお)さん【右】

地域の声(2)

 事務所の隣で商店を営む村田さんは、「私は農家ではありませんが、農場で働く若い人との交流が増えたことで地域に活気が出てきてうれしいです。多くの耕作放棄地を活用してくれてよかったです」と笑顔で語ってくれました。ワタミファームの皆さんが、地域としっかり結びついて、互いに支え合いながら、農村の担い手の新たな一員として活躍していることがうかがえました。
地域の声村田 三佐子(むらた みさこ)さん

一貫した支援体制で応援します!

【ワンストップ対応】

・農地の確保

・営農計画支援等

【補助金の活用】

・農地の基盤整備

・ハウスの建設

・農機具の購入等

【フォローアップ】

・技術支援

・販路開拓等

 

県では耕作放棄地の解消や、地域農業の維持、雇用の創出など、地域農業の再生につながる企業参入を今後も進めていきます。

 

問い合わせ:大分県農林水産部 農山漁村・担い手支援課 企業参入支援班

☎097-506-3587