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大分県における食品の安全確保に係る基本指針

印刷用ページを表示する掲載日:2010年3月18日更新

大分県における食品の安全確保に係る基本指針

平成14年3月1日策定

 

I 前文

 
 近年、経済並びに科学技術の発展により食品の流通の広域化や国際化が進み、また、消費者ニーズの多様化及び高度化に伴い、多種多様の食品が流通し、県民の食生活は質的、量的にもかつてないほど豊かになっている。
 従来、県では、食品衛生法などにより、食品の生産、流通(販売)及び消費の各段階において、各種の農薬、抗菌性物質及び食品添加物の適正な使用や表示の指導並びに市販食品・輸入食品の検査を行うとともに、消費者に対しては食品衛生に関する知識の普及啓発などの諸施策を展開してきたところである。
 このような中、総合衛生管理製造過程承認施設で製造された乳製品による大型食中毒、多くの学童に被害が生じたO157による集団食中毒など微生物が原因となった事件や、大量消費により生じたゴミを焼却することで発生するダイオキシン類などの化学物質による食品汚染問題の発生、また、BSE(牛海綿状脳症)や遺伝子組換え食品の安全性等に対する不安感などもあり、県民の食品の安全性に対する関心が高まっている。
 そこで、県では、食品の生産から消費に至るまでの各段階における安全性の確保を図るため、生産者・流通業者(販売者)・消費者が一体となって、食品の安全性の確保を進める上での基本的な考え方、施策の方向を示すものとして「大分県における食品の安全確保に係る基本指針」を策定し、食品安全対策の一層の推進を図ることとした。
  今後、県の食品の安全確保に関する施策は、本指針に基づいて実施することとし、もって県民の安全な食生活の維持、向上に寄与するものとする。
 

II 基本的な考え方

 
 食品の安全性を確保することは、県民の生命と健康を維持・増進するために必要不可欠な事項であり、県政の基本的な重要課題でもある。また、食品の生産から販売に携わる者は、常に安全な食品を提供する義務を有し、消費者は安全な食品を享受できる権利を有している。このことから、生産・製造・加工から流通・販売、消費に至るまでの各段階において、適切かつ十分な安全対策を講じなければならない。
  また併せて関係者は、生産から消費の各段階で発生する食品の残渣等が、環境に与える影響などについても十分配慮する必要がある。
 食品の安全性確保には、生産者と製造者等による安全な食品の供給、消費者が安全に食品を摂食するための知識の修得及び国・県等による食品衛生施策の実施など、それぞれが主体性を持って総合的に取り組むことが重要である。
  大分県は、食品の安全性確保のために、生産から販売に至る各段階において監視・指導するとともに、積極的に消費者等へ情報を公開することに努める。
 このため、大分県は食品の安全性を確保するため当面する課題について、次の考え方に立ち各種施策を進めるとともに、調査・研究、支援・連携の推進を図る。
なお、この基本指針については、食品の安全性を確保するため、適宜、見直しを行う。 
 
1 食品に起因する事故の発生を防止し、食品の安全性を確保するため、生産・製造・加工、流通、販売段階において監視・指導及び適正な助言を行い、危害分析重要管理点方式(以下「HACCPシステム」という。)の考え方の導入を推進する。
2 生産・製造・加工段階において、農薬、抗菌性物質、食品添加物などを使用する場合は、使用基準等を遵守し、さらにできる限り削減するよう指導する。
3 販売段階における表示に関しては、食品を選択する際の重要な目安となることから、消費者の立場に立った適正な表示を指導する。
4 消費者が購入した食品の衛生を確保するために、積極的な衛生思想の普及啓発に努める。
5 県民が参加する各種行事等を活用して食品の安全確保に関する県民ニーズの把握に努め、その意向を施策に反映する。
6 消費者自らが必要とする食品を選択できるよう情報の提供を推進する。
7 遺伝子組換え及びクローン技術を利用した食品に関する情報の提供を推進する。
8 内分泌かく乱化学物質(ダイオキシン類等)などの化学物質についての調査・研究を行うとともに情報の提供を推進する。
9 食品(輸入食品を含む。)の安全性を確保するため食品検査体制の充実に努める。
10 生産者と消費者の顔が互いに見える関係づくりを支援し、地場産業の振興を図ることにより安全で安心な県産一次産品の生産の推進を図る。
11 食品の安全性の確保について、国や他自治体等との連携強化を図る。

III 施策の方向

 
 基本的な考え方と当面の課題に基づき、その対策を明らかにし、施策の方向を次に示す。
 

1 生産・製造・加工段階での監視・指導 

 生産・製造・加工段階においては、監視・指導が食品の安全性確保のために最も重要である。
 

(1)生産段階における指導 

 農林業では、農林産物の安全性を確保するため、農薬取締法に基づき農薬の適正使用の徹底を指導する。また、「豊の国農業・農村ビジョン21」(平成12年3月策定)等に基づき有機物の土壌還元による土づくりなど化学肥料等、化学物質に過度に頼らない環境にやさしい生産方式を推進するとともに、農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(以下「JAS法」という。)に基づく有機農産物及び特別栽培農産物に係る表示ガイドラインにそって栽培された農産物に対する認証制度の適切な運用を図る。
畜産業では、畜産物の安全性を確保するため、生産段階における家畜衛生対策の充実強化、飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律に基づく飼料、飼料添加物及び薬事法に基づく動物用医薬品の適正使用の徹底を図り、さらに動物用医薬品の使用量を極力減らすことを目的として、家畜の疾病予防等のモニタリング調査に基づく飼育の指導を早期に実施する。
 水産業では、養殖水産動植物の食品としての安全性を確保するため、「大分県養殖指針」(平成12年12月策定)に基づき、養殖資材の適正使用の徹底を図る。特に、人の健康に悪影響をあたえる可能性が否定できない物質の使用を禁止し、薬事法に基づく水産用医薬品の適正使用についても徹底を図る。また、定期的に二枚貝の貝毒モニタリング調査を実施し、二枚貝の毒化を監視する。
 また、玄米、野菜、果物、しいたけ、食肉、魚等の農林水産物にあっては原産地表示の指導を徹底するとともに、中でも牛については移動歴が把握できる体制づくりを推進する。
 

(2)食品製造業等の製造・加工・調理段階における監視・指導

 
 食品の製造業等に対しては、食品衛生法等に基づく監視・指導を強化し、併せて、食品衛生の最新の知識を普及・啓発するため衛生講習会等を開催する。また、食品に対する正しい意識の醸成を育成し、もって食品取扱い関係者のモラルの向上を図る。
 保健所の食品衛生監視機動班(以下「監視機動班」という。)は、新開発技術等に対応した科学的・専門的な監視を積極的に進めるとともに、細菌やウイルス、化学物質等による食中毒の発生防止、異物混入の防止等のため、HACCPシステムを取り入れた製造方法の導入を指導する。
  給食施設、飲食店等に対しては、原材料、アレルギー物質、栄養成分等について、適正に表示された食品を使用するよう指導する。
 

2 流通・販売段階での監視・指導及び表示の適正化

 
 流通・販売段階においては、生産・製造(加工)された食品がその特性に基づいて適正に取り扱われているか監視・指導を強化することが、食品の安全性確保の重要なポイントである。
 

(1)監視・指導 

 大量かつ広域的に流通する食材、食品及び輸入食品の安全対策を推進するため監視機動班を主体として卸売市場、量販店等に対し、食品等の表示、衛生的な取扱い及び適正な温度管理等の監視・指導の充実強化を図るとともに、食品の取扱いに関するモラルの向上を図る。
 特に、主食である玄米及び精米の品質保持の適正化について、食糧事務所及び県はJAS法に基づき、販売店等に対し巡回点検、モニタリングによる監視体制の充実強化を図る。
  さらに、食肉の衛生確保については、食肉衛生検査所などの検査施設における食肉衛生検査体制の充実強化を図る。
  また、有毒・有害な動植物性食品(ドクサバフグ、毒キノコ等)が市場に流通することを防止するため、関係機関が連携し、監視・指導の充実強化を図る。
 

(2)表示の適正化 

 表示は食品を選択する重要な目安であることから、食品衛生法、JAS法、栄養改善法、薬事法、不当景品類及び不当表示防止法や大分県民の消費生活の安定及び向上に関する条例の的確な運用を図るとともに、消費者に正しくわかりやすい表示をするよう関係機関と連携しながら、事業者の指導・啓発並びに必要に応じて立入検査等を行う。
 また、新しく表示が義務化された遺伝子組換え食品、保健機能食品(特定保健用食品、栄養機能食品)及びアレルギー物質を含む食品の表示について指導を強化し、適正な表示を徹底させるとともに、技術革新に伴う新たな食品に関する情報の表示及び有機農産物の適正な表示等の推進に努める。
 

3 消費段階での指導・啓発

 消費段階においては、食品の特性に応じた取扱いの指導、食品衛生意識向上の啓発が必要である。
 

(1)指導 

 消費者が安全な食生活を営むためには、食品の温度管理や調理方法などに留意するなどの必要がある。このため、衛生講習会等を開催して、食品を適正に保存し、安全に摂食するための指導を充実する。
 

(2)啓発 

 県民の健康づくりプランである「生涯健康県おおいた21」(平成13年3月策定)に基づき栄養成分表示等についての啓発講座等の開催や「食生活指針」に基づいた日本型食生活の推進など、県民の健康に考慮した食生活に関する啓発を行う。
  食品に関する様々な風評に惑わされることなく食生活が営めるよう、食品衛生に関する正しい知識の普及・向上を図る。
 

4 情報の共有 

 食品の安全性に対する不安の解消及び危害発生防止等のためには、食品に関するあらゆる情報を生産から消費に至るまでの関係者で共有することが重要である。
 
 食品の安全性確保及び消費者の食品に対する信頼性の確保のために、国内外の食品に関する幅広い情報の収集・蓄積を行い、インターネット等を活用 した食品の安全性に関する情報の共有を行う。
  地産地消「とよの国食彩」運動やグリーンツーリズム、ブルーツーリズム、 産地直売などを通じて、生産者と消費者の互いの顔が見える交流の場を設けることにより、食品の安全性についての情報の共有を行う。
  また、食品の安全性確保に関する県民の意向を施策に反映するため、県民参加型の各種行事やインターネット等を活用して、広く県民ニーズの把握に努める。
 さらに、収去検査、商品テスト等で得られた食品の安全性等に関する情報を消費者に提供するとともに、食中毒の発生しやすい気象条件にある時は、「食中毒注意報」を発令し、マスコミを通じて食中毒への注意を喚起する。

5 調査・研究及び試験検査

 遺伝子組換え食品の登場など高度な科学技術の応用が食品分野で進む一方で、内分泌かく乱化学物質や牛海綿状脳症の問題など最新の科学技術を持って対応すべき問題が生じてきていることから、食品の安全性確保のため調査・研究を推進する必要がある。

(1)調査・研究

 残留農薬、残留動物用医薬品、遺伝子組換え食品、クローン技術、食品添加物、容器包装及び食中毒起因病原体等の情報の収集・蓄積を図るとともに、内分泌かく乱化学物質(ダイオキシン類等)などについて食品等の安全性に関する調査・研究を推進する。
 環境にやさしい農業の推進を図り、減農薬・減化学肥料栽培のための研究及び技術開発を推進する。また、安全で豊かな食生活の実現のために、良質な農産物の品種開発やHACCPに対応した高度な食品管理技術の調査・研究を推進する。
  家畜や養殖魚介類の病気の発生を未然に防止し、安全・安心な畜産物や水産物を供給するための研究及び技術開発を推進する。
 県民の栄養状態や健康状態の調査結果等の健康関連情報と新たな食品開発など食品の生産や製造等の情報を関係者相互で交換し、食品の安全性確保に関する調査・研究を推進する。

(2)試験検査体制

 生産から流通・販売、消費に至る各段階での監視・指導に係る試験検査体制については、より高度な検査用機器の導入・整備及び検査業務管理基準(GLP)の充実を図ることにより、正確・迅速な検査に努める。
  また、年々増加する検査対象項目についても迅速に対応できる検査手法を導入し、試験検査の一層の機能強化を図る。
  特に、BSE検査を充実強化し、厳正な検査を実施するとともに、流通・販売量が増加している輸入食品の検査についても充実を図る。

6 支援・連携 

 食品の安全を確保するためには、県民(消費者、生産者等)の主体的な活動に対する支援と国や他の自治体との連携が重要である。
 

(1)自主活動の支援 

 また、消費者が風評に惑わされることなく正しい食品衛生の知識の修得に努めることも重要なことから、地域及び団体等での研修会や食文化・食習慣を子供の頃から大切にする教育活動などの自主的な取り組みについての支援を推進する。
 

(2)自主衛生管理体制の推進 

 生産者、製造業者及び流通業者等に対して、食品の安全性確保のため自主衛生管理体制の構築について、積極的に支援する。このため、HACCPの考え方を取り入れた生産・製造等を行うよう技術的な支援を行う。
 

(3)農業・林業・畜産業・水産業の支援 

 「地域で産したものは、地域で消費する。消費あるところに産地が生まれる。」を基本理念として、生産者の顔が消費者に見える地産地消「とよの国食彩」運動を展開し、安全で安心な県産一次産品の生産を支援する。併せて、食品の安全性を確保するため環境に優しい農業等に対しての技術的な支援も行う。
 

(4)都道府県・市町村等との連携 

 広域に流通する食品の安全性を確保するためには、関係自治体、関係団体及び大学・研究機関等との相互の連携と理解と協力が不可欠であることから、情報交換を行い効果的な普及啓発に努める。
 

(5)国への働きかけ 

 輸入食品の増加、食品流通の広域化及び食品の安全基準の国際化が進む中で、食品の安全性の確保はひとつの自治体の守備範囲を超えるものがあり、国の役割は極めて大きくなっている。大分県は、国との情報交換に努めるとともに、我が国の食文化・食習慣を配慮した食品の安全性確保対策の推進について働きかけを強める。
 
 

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