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「働きたい」~若者の想いを実現するために~

印刷ページの表示 ページ番号:0000109830 更新日:2010年7月29日更新
厳しい状況が続く雇用失業情勢。
背景には、求人そのものの減少、
そして求職者の希望と企業の求人との
間にある「ミスマッチ」があります。
そこで、若者が                                 
自分の可能性を探る契機として、
県では就業体験事業を行っています。
模索しながら自分の道を追求する若者と、
それを支える現場を追いました。

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若年者就業体験事業とは学校卒業後5年以内の未就職者等を対象に、県内企業で就業体験の機会を設ける事業。
雇用機会の提供とともに、県内企業における雇用のミスマッチ解消を図ります。
若者の「職業観」「勤労観」を養い、地場産業を支える若い人材の育成につなげていくことが狙いです。

それぞれの「働く」
~就業体験の現場から~

 就業体験の受け入れ先企業の一つ、大分東洋ホテルを訪ねました。
 ここでは玄関先でお客さまをお迎えするベルボーイ・ベルガールとして若者2名が働いています。
 「毎日とても楽しく働かせてもらっています。最初と最後にお客さまにかかわるベルガールは、ホテルの印象を左右する重要な役割だと思いますので、誇りを持ち胸を張って接客するよう心掛けています」と語る、東玲香さん。いきいきと笑顔で接客する姿がとても印象的です。
 これまで飲食店の接客や保険の営業なども経験し、人とふれあうことが好きだという東さん。
 仕事のやりがいについて尋ねると、「やはりお客さまからの『ありがとう』の言葉です。ホテルに来ていただいてこちらがありがたいのに、と思いますけど(笑)。でも本当に嬉しいです」と笑顔で答えてくれました。
 東さんは、ここで正社員として働きたいという希望を持っています。今はその目標に向け、真摯に仕事を学ぶ毎日です。
 

 ベルボーイとして働くのは、衛藤健介さん。大学時代に東京で就職活動をしましたが、希望する職種は1000倍もの狭き門。厳しい現実に直面し、考え直さざるを得ませんでした。
 「両親からこのトライアル就業について聞き、いろいろな職種にチャレンジしてみようと思い受けました」。
 今回ホテルで働いてみて、どんな感想を抱いているのでしょうか。 「今はまだわからないことも多いです。お客さまへの対応一つにしても、宿泊される方と宴会のために来られる方とでは違ってきますから。ただ、社会人としてお金をいただいているわけですから、丁寧な仕事をしないと、という気持ちです」。
 「このトライアル就業を通して自分に一番合っている道を探していきたい」と衛藤さん。しっかりとした働きぶりが周囲に安心感を与えていました。

受け入れ先企業の声 

「ホテル業界は勤務時間も休みも不規則ですから慣れるまでは大変ですし、華やかそうに見えても実は体力勝負の部分も大きいです。そこで『雇用のミスマッチ』が起こり、すぐに辞めてしまう人も。今回のように、実際に働いていただいて、お互いに判断できるというのは助かりますね」とおっしゃるのは、大分東洋ホテルで人事関係の仕事をされている利光沙織さんです。
 今回の2名については、「2人とも評判がいいですね。当社では、やる気がある方が一番ですから、正式採用も考えています」と前向きな返事をいただけました。

東さんと衛藤さん          利光さん

東玲香さんと衛藤健介さん                                          大分東洋ホテルの利光沙織さん

 「自分の道」
見つけてほしい

 受け入れ先企業と若者とのマッチングは、県から委託を受けた派遣会社が行っています。その一つ、朝日キャリアバンク(株)の伊藤謙一さんにお話を伺いました。
|具体的にはどういった内容ですか?
 「まずは、事務や営業、接客などさまざまな職種で受け入れ先企業の開拓を行いました。一方で求人を出し、応募してきた方には1週間の事前研修を実施。その後面談を通して受け入れ先企業とのマッチングを行い、正式に就業先を決定するといった流れです。また、週に一度は面談を行い、この就業体験が安定雇用につながるようにバックアップを行っています」
|事前研修とはなんですか?
 「基礎的なビジネスマナーの習得や働くことへの心構えをしていただくものです。朝のゴミ拾いを日課として研修に組み入れました。汚い仕事もきれいな仕事も全部「仕事」であることを肌で感じてもらいたいという考えからです。1週間の研修を終えると、随分成長します。最初は『ただ給料をもらえれば』という考えだったのが、最後には『改めて社会や会社の一員として、自分の役割を果たしたいと思った』と、そんな言葉も聞けました」
|この事業に期待することはなんですか?
 「今の若者は、厳しい景気の中で、自信を無くして臆病になっている傾向があります。この就業体験を通じてまずは社会貢献をして、自分が役に立っていることを

伊東さん
伊東謙一さん

学校現場の声

高校生の就職内定率が低下する中、生徒の進路確保は最も重要な課題です。
この事業は対象者の生活保障にとどまらず、職業能力を高め、勤労観・職業観の育成を図る上でも、
大変意義があると思います。(県立学校 校長)

雇用のミスマッチや離職率の高さが問題になっていますが、この事業では実際の職場で就業しながら、
自分の能力や適性を深く考えることができます。本校の卒業生もこの事業で気持ちを新たに、
再チャレンジの精神で頑張っています。(県立学校 進路指導担当)