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2000~2009年度に実施した主な調査研究の成果

印刷用ページを表示する掲載日:2010年11月19日更新
施策名取組名課題名調査研究の背景成果の概要研究論文論文数
危機管理への対応輸入感染症や人獣(畜)共通感染症対策への取組新興・再興感染症に関する研究1990年頃から、今まで見られなかった(新興)、又はいったん廃れた疾病が再び出現してきた(再興)の感染症が社会問題化してきた。グローバル化に伴う人の移動や輸出入の増加、森林伐採による環境破壊など様々な要因があげられており、本県においても新興 ・再興感染症対策が必要となった。1輸入感染症対策:西ナイルウイルスと日本脳炎ウイルスとを鑑別できる迅速な遺伝子検査法を確立した。
2新興感染症対策:2007年に幼稚園で集団発生した腸管出血性大腸菌O111感染症、公衆浴場水のレジオネラ属菌及びノロウイルス等の下痢症ウイルスの汚染状況を調査し、発生原因等の究明を行った。
3興感染症対策:2003~04年の県内地域流行時に妊婦が初期罹患し、発生した先天性風疹症候群の新生児2症例についてウイルス学的検討を行い、原因が風疹ウイルスによることを明らかにした。
ウエストナイルウイルスと日本脳炎ウイルス1の同時鑑別について(年報33,29-31,2005)
23施設に拡大した腸管出血性大腸菌O111による集団発生事例(年報35,30-34,2007)
 ・大分県における浴用水中のLegionella属性の分離状況(年報35,35-42,2007)
 ・大分地方におけるノーウォークウイルスの侵淫状況,2(年報28,24-47,2000)
 ・大分地方におけるノーウォークウイルスの侵淫状況,3(年報29,21-27,2001)
 ・2003-2004に流行したノロウイルスについて(年報31,23-25,2003)
 ・2004/2005年シーズンに流行したノロウイルスについて(年報32,33-35,2004)
 ・胃腸炎ウイルスの流行状況について,2002-05年度(年報33,25-27,2005)
3先天性風疹症候群の2例,大分県(年報32,23-24,2004)
9
人獣(畜)共通感染症に関する研究近年、森林伐採など環境の激変によって野生動物と人との距離が狭まり接触する機会が増えたことや、種々の動物がペットとして輸入され飼われる機会が増えたことなどにより、人と動物に共通な感染症に対する対策が必要となった。1玩動物による感染症等への対策:犬や猫等の愛玩動物から人に感染する寄生虫や、ジフテリア毒素を産生するコリネバクテリウムの汚染状況、老人健康施設で感染した東洋眼虫症例について調査し、県内で初めて犬からクリプトスポリジウムを検出するなどの成果を得た。
2水系感染性原虫症等への対策:水系感染を起こすクリプトスポリジウム等の原虫やカワニナに寄生するセルカリア吸虫について、県内河川水系における汚染実態を調査し、河川への雨水流入がクリプトスポリジウム汚染の原因となり得ることなどを明らかにした。
1大分県における犬の寄生虫調査(年報28,74-87,2000)
 ・大分県で見出された東洋眼虫の人体寄生例(臨床検査46,1173-1175,2002)
 ・ジフテリア毒素産生コリネバクテリウムの検査法について(年報37,72-77,2009)
2大分県内主要2河川水系におけるクリプトスポリジウム及びジアルジア汚染実態調査(水道協会雑誌69,11-16,2000)
 ・大分川水系のカワニナに寄生するセルカリアの観察(医学検査52,45-51,2003)
5
健康危機管理体制の構築感染症や食中毒の動態及び疫学に関する研究感染症及び食中毒の発生を防止するためには、動物・環境・食品・人に関わる各種原因微生物の動態とそれらに関連する諸要因等を生態学的・疫学的視点から包括的に調査解析する必要がある。1リケッチア感染症対策:秋に、豊肥及び日田地区で発生する恙虫病の発生状況や要因を調査分析してツツガムシに刺されないように広報するとともに、日本紅斑熱リケッチアを媒介するマダニについて県南地域の分布状況を調査した結果、媒介種は採取されず、患者発生の可能性は低いと考えられた。
2ビブリオ食中毒への対策:腸炎ビブリオ等の食中毒起因菌汚染地域からの輸入魚介類について汚染状況を調査し、検査した362検体の54%から病原ビブリオを検出した。
1大分県のつつが虫病,1998-07(年報35,19-24,2007)
 ・Epidemiological characteristics of tsutsugamushi disease in Oita Prefecture, Japan(Microbiol Immuno.,52,135–143,2008)
 ・大分県におけるマダニの分布状況及びマダニからのリケッチアの検出,第1報(年報37,19-23,2009)
2輸入魚介類からの病原ビブリオの検出状況,1990-06年度(年報34,36-39,2006/臨床と微生物33,305-306,2006)
4
危機管理マニュアルの作成毒劇物等の検査方法の確立中毒や健康被害の発生に備えて、自然毒や化学物質及び健康食品中の医薬品成分等を迅速かつ正確に検出するための検査マニュアルを整備し、常に最新のものに更新して行く必要がある。1自然毒等への対策:フグ毒のテトロドトキシン、植物毒のスコポラミン・ヒヨスチアミン、ヒスタミンの各定量法をマニュアル化するとともに、実際の食中毒事例等に際しては分析を行って原因物質の究明とその発症量を確認した。
2化学物質等への対策:健康食品中の瘦身成分及び強壮成分について、LC/MS/MSによる分析法を検討し、市販品の行政検査を行ったがいずれも検出しなかった。
1チョウセンアサガオによる食中毒事例について(年報29,48-50,2001)
 ・天然化学物質による食中毒事例について(年報32,29-32,2004)
 ・フグ食中毒事例におけるTTX分析について(年報36,39-42,2008)
 ・化学物質による食中毒及び苦情等の事例,2005-10年(年報37,33-38,2009)
2健康食品の医薬品成分分析事例について(年報31,27-29,2003)
 ・健康食品からのヒドロキシホンデナフィル検出事例について(年報35,25-46,2007)
6
地域課題への対応地域密着型課題への取組県内温泉に関する調査研究大分県は、源泉数、湧出量とも全国一の温泉大県であり、近年はほとんどの市町村で温泉開発が行われている。一方、温泉資源の枯渇等の問題も浮上してきていることから、県内温泉に関する調査研究は益々重要となっている。1温泉の衛生管理対策:温泉の公共利用施設について飲用の衛生管理面を調査するとともに、飲泉の目的や期待する効果等を利用者にアンケート調査した結果、利用者は慢性消化器系や慢性便秘、肥満症の改善に期待していることが判った。1大分県内の飲用温(鉱)泉について,第2報(年報28,67-73,2000/大分県温泉調査研究会研究報告51,53,2000) 1
健康及び栄養の評価に関する研究海洋汚染や魚介類への残留が問題となり、1990年に事実上使用禁止となった有機スズ化合物は、魚介類の安全性を評価するうえで食品衛生上重要である。また、食品から摂取する栄養素の一つであるミネラルは、生活習慣病等の予防に重要であり、県民の栄養摂取状況を評価する指標になっている。1魚介類中の有機スズ化合物対策:船底や魚網の塗料として使用されたが現在は禁止されている有機スズ化合物について、近海産魚介類を調査した結果、県内で流通する魚介類中の濃度は食品衛生上問題ないと考えられた。
2県民栄養摂取量等の評価:各種生理作用や酵素作用、代謝調節機能等に密接な関連のある食事中の無機質(ミネラル)について、40~50才代の男性を対象に栄養摂取状況を調査し、所要摂取量が過・不足となっている成分等を明らかにした。
1大分県近海産魚介類の有機スズ化合物調査結果について(年報34,31-35,2006)
2大分地域における健康・栄養状況等の評価に関する調査(年報28,61-66,2000)
2
環境リスク低減への取組水質汚濁の改善に関する研究大分県は河川や湖沼、湧水に恵まれた豊富な水資源と、県北から県南に至る広範な海域を有しており、これらの水質環境を守り、汚濁の改善を図るには、栄養塩類等の汚濁負荷量の削減とそのための計画的な対策が必要である。1海域等の富栄養化防止対策:富栄養化や燐の循環機構を解明するため、河川、湖沼及び海域における全燐の濃度を調査するとともに、芹川ダムのアオコ防止対策として下竹田小学校の協力により空心菜の筏栽培実験を行った。1芹川ダムの生態系を利用した水質改善(淡水赤潮対策)について(年報33,58-59,2005)
 ・大分県の公共用水域におけるリンの測定結果について(年報35,76-78,2007)
1
循環型地域社会の構築廃木材の有効利用に関する研究循環型社会の構築に向けて、廃棄物の減量化や資源の再利用・有効利用が不可欠となっており、解体住宅等から出る廃木材は再生可能資源であり、木材循環システムの構築に有用として近年注目を集めている。1廃木材の有効利用:廃木材の再資源化を図るため、解体住宅の柱、梁等の主要部材に加工を施して再利用する手壊し工法を考案し、現行の分別法と環境及び経済的側面から比較検討した結果、再製材等へ有効利用できることがわかった。 1手壊し法による住宅解体廃木材の有効利用システムについて(年報30,39-42,2002)
 ・住宅解体廃木材の有効利用をめざした手壊し解体工法の提案(廃棄物学会論文誌,14,219-227,2003)
2
水環境の保護に関する研究調和のとれた自然環境を守り、次世代に残すためには、希少な動植物の生息状況、生態調査に基づく保護対策のみならず、その生物が成育する環境の保護についても必要な対策をたてる必要がある。1水環境の保護対策:準絶滅危惧種のカワノリは淡水産緑藻類で、河川上流域の清澄な水域に生育が限られており、近年では開発や水質汚濁等により消滅した箇所も多い。竹田市荻町内のカワノリ生育地域について、生育のための水環境要件を調べた。1大分県におけるカワノリ生育地の水環境について(年報34,40-43,2006)1
効率的な試験検査手法の開発及び確立食品一斉分析法の確立改正食品衛生法により、平成18年5月から食品中に残留する農薬等に関してポジティブリスト制度が導入され、残留基準のない食品にも0.01ppmの一律基準が設定されたことから、多成分を一斉に分析できる方法の確立が急務となった。1品一斉分析法の開発:厚労省通知に準じて加工食品の残留農薬一斉分析法を検討した結果、みそ等の一部食品の前処理方法を改善することにより、多くの加工食品に適用できることが判った。1加工食品における残留農薬等一斉試験法の検討,1(年報36,29-38,2008)1
遺伝子による迅速検査法の確立近年、食中毒や感染症等の原因微生物を、少量の検体で迅速かつ正確に検出する方法として、各種のPCR法やPFGE法等の遺伝子解析法が広く用いられている。PCR法は、食品原材料中のアレルギー物質の検査でも公定法とされており、今後はフグ種鑑別など更に広範な分野において遺伝子を用いる検査手法の導入が見込まれている。1PCR法やPFGE解析等による迅速検査:PCR法やPFGE解析による遺伝子検査手法を確立するとともに、これらの手法により、従来の方法では検出が困難な病原大腸菌等の下痢症原因菌の究明や、食品を介した溶レン菌の集団感染事例の解析、サルモネラの散発症例解析に基づく流行予測を行った。
2遺伝子による迅速なウイルス検索:遺伝子学的手法を用いることにより、小児疾病の原因ウイルスやノロウイルス等を迅速に検索し、同定できる検査方法を確立した。このうち、アルタイムPCR法では23種の病原ウイルスが検出可能であり、PCR産物を遺伝子解析することによりインフルエンザウイルスのタミフル耐性株等を同定できた。
1常法では下痢起因菌を検出し得なかった事例報告,第1報(年報29,72-74,2001)
 ・A群溶血レンサ球菌の細菌学的特徴および遺伝子解析の検討(年報32,36-39,2004)
 ・Salmonella Braenderupによる小児重症感染事例と大分県感染症発生動向調査におけるサルモネラ検出状況,2004-08年(年報36,48-50,2008)
2シークエンスによるA群コクサッキーウイルスの同定(年報31,21-22,2003)
 ・リアルタイムPCR(インターカレーター法)を用いたウイルス等の迅速検査について(年報34,19-22,2006)
 ・ウイルスのRT-PCR検査に用いる逆転写酵素の比較検討(年報34,23-25,2006)
 ・2008/09インフルエンザシーズンにおけるインフルエンザ(A/H1N1),オセルタミビル耐性株(H275Y*)の県内発生状況(年報36,19-20,2008)
 ・低特異性PCR法よる高感度ウイルス検出法の確立(年報36,43-47,2008)
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環境汚濁物質の効率的な検査手法の確立環境水の汚濁を評価する代表的な検査指標としてCODやBODがあるが、清澄域での評価の正確性や検査日数が長いなどの難点が指摘されており、新たな検査手法による迅速な水質評価の確立が求められている。1環境汚濁物質分析法の開発:環境水中汚濁物質の質を評価できるろ紙吸光法を用いて、既存検査法と比較検討した結果、COD等と高い相関が確認され、試料ろ紙を長期保存しても測定値の変化は見らないことから有用な水質評価法であることが判った。1ろ紙吸光法による河川水質評価手法の検討について(年報34,26-30,2006)1
先進的、横断・融合的な試験研究環境ホルモン対策への取組環境ホルモンの環境影響評価1998年に環境庁は、「環境ホルモン戦略計画 SPEED '98」に基づき「内分泌攪乱作用を有すると疑われる化学物質」67物質を公表した。環境ホルモンは極めて低濃度でも生体に悪影響を及ぼす可能性があるため、高濃度に蓄積されて初めて問題になる従来型の有害物質を前提とした環境汚染の濃度基準では規制できない恐れが指摘され、社会問題化した。当所は、1999年度から3か年の環境ホルモン等化学物質調査研究事業を開始した。1大気中の環境ホルモンに関する調査:大気中環境ホルモン等化学物質の捕集方法や分析方法を検討するとともに、県内各地の実態調査を行い、地域特性や季節変動を明らかにした。
2環境ホルモンの総量に関する調査:スクリーニング法として「遺伝子組換酵母法による女性ホルモン様物質の総量測定法」を検討し、その有用性を確認するとともに、同法を用いて県内環境水を調査した結果、対応を必要とするレベルでないことが判った。
3水質・底質中の環境ホルモン様物質に関する調査:県内沿岸域の水質や底質中の環境ホルモン様物質を調査した結果、直ちに問題となる濃度レベルでないことが判った。
1大気中環境ホルモン等化学物質の分析方法および調査結果について,第1報:ベンゾ(a)ピレン類、フタル酸エステル類、農薬類(年報28,24-47,2000)
 ・大気中環境ホルモン等化学物質の調査結果について,第2報:ベンゾ[a]ピレン類、フタル酸エステル類、農薬類(年報29,37-44,2001)
2環境ホルモンの総量に関する調査:遺伝子組換酵母法による女性ホルモン様物質の総量測定(年報28,48-58,2000)
3河川水質中のビスフェノールA及びアルキルフェノール類の実態調査(年報28,80,2000)
 ・海域の水質及び底質中の有機スズ化合物の実態調査,第1報(年報28,78-89,2000)
 ・海域の水質及び底質中の有機スズ化合物の実態調査,第2報(年報29,45-47,2001)
6
高度先進的な試験研究への取組ダイオキシン類の動態に関する研究ダイオキシン類は塩素を含む物質が不完全燃焼したときに発生する物質である。1997年に大阪府下の清掃センターとその周辺地域で高濃度のダイオキシンが検出され、社会問題化した。1999年にはダイオキシン類対策特別措置法が制定され、その対策が急務となった。2000年度からは、当所にダイオキシン類専用の分析棟と組織部門を新設して試験研究を開始した。1人のダイオキシン類暴露調査:大分県人の腹部皮下脂肪組織中のダイオキシン類濃度は、関東地域の調査結果とほぼ同じレベルであり、加齢とともに増加の傾向がみられた。
2環境中のダイオキシン類調査:大分県の大気、水質、底質及び土壌中ダイオキシン類の同族体と異性体の解析を行った結果、汚染の程度は全国平均に比べて低かったが、過去に使用された除草剤やPCB製品の影響を強く受けていることが示唆された。
3河川におけるダイオキシン類調査:県北から県南の9河川水を対象にダイオキシン類を調査した結果、全ての河川において田植え時期に一時的な上昇傾向が認められ、同族体の組成比パターンは水田農薬由来のパターンに類似していた。
1ヒト脂肪組織中のダイオキシン類濃度について(年報29,21-27,2001)
2環境におけるダイオキシン類の同族体・異性体組成の特性について (年報33,19-24,2005)
 ・PCBに汚染された底質試料分析に伴う工程別相互汚染リスクの検討(年報35,63-67,2007)
3河川水中のダイオキシン類濃度について(年報32,19-22,2004)
 ・河川水中のダイオキシン類濃度特性について(年報36,21-28,2008)
 ・河川水中のダイオキシン類濃度特性について,第2報(年報37,21-32,2009)
6
大腸菌の病原遺伝子に関する研究腸管出血性大腸菌O157で有名な病原大腸菌は、人に下痢等の胃腸炎症状を起こす一群の大腸菌で、一般的には5種類に分けられる。このうち3種類は病原性を現す原因物質とその遺伝子が確定しているが、2種類の病原大腸菌については血清型別等の菌性状や臨床症状等で判定されている現状であり、病原因子の解明が急務となっている。1病原大腸菌における病原性関連遺伝子の保有状況調査:病原因子が解明されていない病原大腸菌について、下痢原性の指標を明らかにするため、患者と健康者から分離した菌株を用いて遺伝子学的検討を行った結果、血清型別検査のみでは病原性の有無は断定できず、典型的なEPECの遺伝子パターンを示す血清型はO157:H45など極めて稀であるとともに、ast A保有大腸菌O6:H10の関与を強く疑わせる食中毒事例を報告した。1大分県における下痢症由来大腸菌の病原性関連遺伝子の保有状況調査(年報29,51-55,2001)
 ・健康人由来大腸菌における病原性関連遺伝子の保有状況調査(年報30,47-52,2002)
 ・既知の病原因子を保有しない大腸菌O6:H10(astA保有)が検出された下痢症集団発生事例について(年報31,33-34,2003)
 ・下痢症患者および健康人から分離されたeaeAおよびaggR遺伝子保有大腸菌におけるその他の病原性関連遺伝子の分布、並びに、afa遺伝子保有大腸菌検査(年報31,35-40,2003) 
4
県試験研究機関や他の研究機関等との横断的試験研究や融合領域への取組県試験研究機関との共同研究大分県では2001年度に「大分県貝毒被害防止対策マニュアル」を策定して貝毒や原因プランクトンのモニタリング調査を実施し、毒化の回避及び出荷管理等により、食品としての安全確保に努めている。当所は1984年度から、農林水産部との共同研究として、この事業の毒力検査を担当している。1麻痺性貝毒モニタリング:県南海域で養殖されているヒオウギ貝等の麻痺性貝毒モニタリング調査の結果、毒化の頻度には経年変化が認められ、その原因として毒化プランクトン種の交替があったこと、また毒力減衰の半減期を算定し、これを用いることにより出荷規制解除までの日数が推定可能なことなどを明らかにした。1蒲江町沿岸における二枚貝の麻痺性貝毒について(年報30,43-46,2002)
 ・大分県の南部海域における二枚貝の麻痺性貝毒について,2003-07(年報35,25-46,2007)
2
地方衛生研究所との共同研究1991年度以来、九州地区では地方衛生研究所のレファレンス業務の一環として、「九州ブロック溶レン菌感染症共同調査要領」に基づき共同でA群溶血レンサ球菌感染症の調査を実施しており、当所はそのセンターとなっている。1九州地方における臨床材料由来溶血レンサ球菌の動向:九州地方におけるA群溶レン菌T型別の流行菌型は、4~5年間隔で主要菌型が交代しており、全国の動向と比較すると、主要菌型の推移はよく類似していたが、新しい流行菌型の出現時期は全国より1~2年遅れる傾向がみられた。沖縄県では、九州3県とは異なった様相を示し、県内では、中津市の流行状況は地理的位置を反映して北九州市と大分市の中間的な動態の傾向を示すことが判った。1九州地方において1993~2002年の過去10年間に分離された臨床由来A群溶血レンサ球菌の菌型推移(年報30,66-71,2002)/(Jpn.J.Infect.Dis.,55,89-90,2002)
 ・九州地方における臨床由来溶血レンサ球菌の血清型別の動向,2006年(年報34,70-77,2006)
 ・九州地方における臨床由来溶血レンサ球菌の血清型別の動向,2008年(年報36,71-77,2008)
 ・九州地方における臨床由来溶血レンサ球菌の血清型の推移と薬剤感受性について,2009年(年報37,64-71,2009)
4
行政施策に生かされる試験研究環境行政施策に生かされる試験研究大気環境モニタリング近年、全国的に光化学オキシダント濃度が増加傾向にあり、県内でも光化学スモッグ注意報や予報が発令される事態となっており、春先の黄砂の飛来現象とともに、大陸からの移流による影響評価が必要である。1環境大気調査:2007及び09年度に県内で発令された光化学スモッグ注意報事例を検討した結果、一部の事例は中国大陸から移流した高濃度オキシダンによることが示唆され、大気汚染常時監視において冬季から春季に浮遊粒子状物質濃度が上昇する事例は、黄砂飛来に伴う現象であることが判った。1豊後大野地域の環境大気調査,2009年度(年報37,78-84,2009)
 ・黄砂飛来時における浮遊粉じんの粒系分布の一例について(年報31,53-55,2003)
 ・大分県における高濃度光化学オキシダント発生メカニズムの検討(年報37,43-48,2009)
3
雨水調査雨水の化学的性状を把握し、酸性雨発生機構解明の基礎資料を得るため、1985年度から継続して雨水成分調査を実施し、その概要を当所年報に掲載している。1大分県における雨水成分調査(1985年以来の継続調査:2001年度を除く2000-09年度の9論文):県内3箇所でろ過式雨水採取法による1週間(地点により2週間)の雨水を採取し、雨水成分及び成分沈着量を分析したところ、pHの年平均値は4.5~4.8の範囲で推移している。成分沈着量については1月から5月にかけてCa2+の沈着量が多い傾向にあり、これは大陸からの季節風により飛来した黄砂に含まれるCa成分によるものと推察された。また、冬季にNa+及びCl-の沈着量が多く観測される地点もあり、道路凍結防止剤の影響と考えられる示唆を得た。1大分県における雨水成分調査,2000-01年度(年報29,75-81,2001)
 ・大分県における雨水成分調査,2002年度(年報30,72-80,2002)
 ・大分県における雨水成分調査,2003年度(年報31,56-63,2003)
 ・大分県における雨水成分調査,2004年度(年報32,57-64,2004)
 ・大分県における雨水成分調査,2005年度(年報33,50-57,2005)
 ・大分県における雨水成分調査,2006年度(年報34,78-85,2006)
 ・大分県における雨水成分調査,2007年度(年報35,68-75,2007)
 ・大分県における雨水成分調査,2008年度(年報36,78-87,2008)
 ・大分県における雨水成分調査,2009年度(年報37,85-99,2009)
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保健衛生行政施策に生かされる試験研究食品の化学的検査食品の安全を確保するため、食品安全・衛生課が策定した年間計画に基づき、食品衛生監視機動班や保健所等が収去した食品の理化学検査を実施し、その概要を当所年報に掲載している。1食品添加物等の調査(2000年度以来の継続調査:2000-09年度の10論文):加工食品の保存料、甘味料、発色剤、漂白剤の検査を継続的に行っており、検査結果が添加物の適切な使用や表示につながっている。添加物を使用していないにもかかわらず検出された県産加工品の事例では、混入が加工工程で生成することを明らかにした保健所の原因究明調査に協力した。2003年度から加工食品の特定原材料を対象にして、ELISA法によるスクリーニング検査を行った結果、使用及び注意喚起の表示が無いものが多数判明した。
2残留農薬等の調査:国産及び輸入農産物の検査では、残留基準のある農薬類は基準値に比較して低濃度を示したが、残留基準のない農薬で有機りん系殺虫剤が検出される事例があった。動物用医薬品の残留検査では、鶏卵から合成抗菌剤が検出される事例があった。
1食品の化学的検査結果について,2000年度(年報28,92,2000)
 ・食品の化学的検査結果について,2001年度(年報29,62,2001)
 ・食品の化学的検査結果について,2002年度(年報30,57,2002)
 ・食品の化学的検査結果について,2003年度(年報31,41,2003)
 ・食品の化学的検査結果について,2004年度(年報32,41-42,2004)
 ・食品の化学的検査結果について,2005年度(年報33,33-34,2005)
 ・食品の化学的検査結果について,2006年度(年報34,45-46,2006)
 ・保存料等の食品添加物の収去検査結果について(年報34,47-49,2006)
 ・食品の化学的検査結果について,2007年度(年報35,47-48,2007)
 ・食品の化学的検査結果について,2008年度(年報36,55-56,2008)
 ・食品の化学的検査結果について,2009年度(年報37,49-50,2009)
 ・食品中に含まれるアレルギー物質(特定原材料)の検査結果について,第1報(年報37,39-42,2009)
2農産物中の残留農薬について(年報29,59-61,2001)
 ・大分県産鶏卵中の動物用医薬品(SDM)の検出事例について(年報31,30-32,2003)
14
食品の微生物学的検査食品の安全を確保するため、食品安全・衛生課が策定した年間計画に基づき、1982年度から継続して食品衛生監視機動班や保健所等が収去した食品の微生物学検査を実施し、その概要を当所年報に掲載している。1食品細菌等の調査(1982年度以来の継続調査:2000-09年度の10論文):食肉からサルモネラ、カンピロバクター、黄色ブドウ球菌が検出され、輸入エビから病原ビブリオ、エロモナスが、食用2枚貝(カキ)からノロウイルスが検出されている。1食品の微生物学的検査成績について,2000年度(年報28,92,2000)
 ・食品の微生物学的検査成績について,2001年度(年報29,71,2001)
 ・食品の微生物学的検査成績について,2002年度(年報30,65,2002)
 ・食品の微生物学的検査成績について,2003年度(年報31,49-52,2003)
 ・食品の微生物学的検査成績について,2004年度(年報32,53-56,2004)
 ・食品の微生物学的検査成績について,2005年度(年報33,44-47,2005)
 ・食品の微生物学的検査成績について,2006年度(年報34,65-69,2006)
 ・食品の微生物学的検査成績について,2007年度(年報35,53-57,2007)
 ・食品の微生物学的検査成績について,2008年度(年報36,61-65,2008)
 ・食品の微生物学的検査成績について,2009年度(年報37,55-59,2009)
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飲料水に関する調査近年、全国の地下水調査で硝酸性窒素の環境基準超過が顕在化しており、本県においても井戸水の現状を把握するなどの対策が必要である。1井戸水の調査:調査井戸のある一部の地域では、畑を取り囲むように硝酸性窒素が高濃度の井戸が分布しており、肥料成分との相関関係から、当該地域の地下水汚染の原因は肥料からの溶出によるものであることが推測された。1大分県内の硝酸性窒素高濃度地域における地下水汚染の実態把握調査(年報36,51-53,2008)1
感染症発生動向調査「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」に基づき大分県感染症発生動向調査事業を実施しており、1984年度からその概要を当所年報に掲載している。1細菌性下痢症サーベイランス(1995年度以来の継続調査:2000-09年度の10論文):県内における細菌性感染症について小児科受診児童等を対象に原因菌を検索した結果、サルモネラ属菌、下痢原性大腸菌、カンピロバクター、黄色ブドウ球菌が多く検出された。2溶血連鎖球菌(溶レン菌)等の調査:県内における溶レン菌や髄膜炎菌等の感染症に関して、小児科受診児童等を対象に原因菌を検索した結果、髄膜炎菌は検出されず、溶レン菌及びインフルエンザ菌は小児患者を中心に健康成人からも検出された。
3病原性ウイルスのサーベイランス
(1984年度以来の継続調査:2000-09年度の10論文):県内のおけるウイルス性感染症について小児科受診児童等を対象に原因ウイルスを検索した結果、エンテロウイルスやアデノウイルス、インフルエンザウイルス、ノロウイルスが多く検出された。
1大分県における細菌性下痢症サーベランスの動向,2000年度(年報28,89-91,2000)
 ・大分県における細菌性下痢症サーベランスの動向,2001年度(年報29,67-70,2001)
 ・大分県における細菌性下痢症サーベランスの動向,2002年度(年報30,61-64,2002)
 ・大分県における細菌性下痢症サーベランスの動向,2003年度(年報31,45-48,2003)
 ・大分県における細菌性下痢症サーベランスの動向,2004年度(年報32,50-52,2004)
 ・大分県における細菌性下痢症サーベランスの動向,2005年度(年報33,35-38,2005)
 ・大分県における細菌性下痢症サーベランスの動向,2006年度(年報34,61-64,2006)
 ・大分県における細菌性下痢症サーベランスの動向,2007年度(年報35,58-62,2007)
 ・大分県における細菌性下痢症サーベランスの動向,2008年度(年報36,66-70,2008)
 ・大分県における細菌性下痢症サーベランスの動向,2009年度(年報37,60-63,2009)
2大分県における小児及び健康成人の髄膜炎菌等の保菌実態調査(年報30,53-56,2002)
3感染症発生動向調査からみたウイルスの流行状況,2000年度(年報28,86-88,2000)
 ・感染症発生動向調査からみたウイルスの流行状況,2001年度(年報29,64-66,2001)
 ・感染症発生動向調査からみたウイルスの流行状況,2002年度(年報30,59-60,2002)
 ・感染症発生動向調査からみたウイルスの流行状況,2003年度(年報31,42-43,2003)
 ・感染症発生動向調査からみたウイルスの流行状況,2004年度(年報32,48-49,2004)
 ・感染症発生動向調査からみたウイルスの流行状況,2005年度(年報33,48-49,2005)
 ・感染症発生動向調査からみたウイルスの流行状況,2006年度(年報34,51-53,2006)
 ・感染症発生動向調査からみたウイルスの流行状況,2007年度(年報35,50-52,2007)
 ・感染症発生動向調査からみたウイルスの流行状況,2008年度(年報36,58-60,2008)
 ・感染症発生動向調査からみたウイルスの流行状況,2009年度(年報37,52-54,2009)
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日本脳炎流行予測調査1982年度から厚労省委託による感染症流行予測事業として日本脳炎感染源調査を実施しており、、その概要を当所年報に掲載している。1日本脳炎感染源調査(1982年度以来の継続調査:2000-09年度の10論文):ブタの抗体保有率を調べ日本脳炎ウイルスの流行を監視している。ブタの抗体保有率が50%以上になる時期が遅くなる傾向が見られ、流行が小規模になっている。1感染症流行予測調査について,2000年度(年報28,84-85,2000)
 ・感染症流行予測調査について,2001年度(年報29,63,2001)
 ・感染症流行予測調査について,2001年度(年報30,58,2002)
 ・感染症流行予測調査について,2001年度(年報31,44,2003)
 ・感染症流行予測調査について,2001年度(年報32,47,2004)
 ・感染症流行予測調査について,2001年度(年報33,43,2005)
 ・感染症流行予測調査について,2001年度(年報34,50,2006)
 ・感染症流行予測調査について,2001年度(年報35,49,2007)
 ・感染症流行予測調査について,2001年度(年報36,57,2008)
 ・感染症流行予測調査について,2001年度(年報37,51,2009)
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インフルエンザ流行状況調査1982年度から厚労省委託による感染症流行予測事業及び感染症発生動向調査事業としてインフルエンザの流行状況等の調査を実施しており、その概要を当所年報に掲載している。1インフルエンザ流行状況調査(1982年度以来の継続調査:2004-06年度の3論文):学校の集団発生の原因ウイルスを調査し、ウイルスの型の変化を監視した。単独の型による流行は減少し、混合流行が主流となっている。12004/2005年シーズンの大分県におけるインフルエンザの流行状況について(年報32,43-46,2004)
 ・2005/2006年シーズンの大分県におけるインフルエンザの流行状況について(年報33,39-42,2005)
 ・2006/2007年シーズンの大分県におけるインフルエンザの流行状況について(年報34,54-57,2006)
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環境保健情報の発信環境保健情報の加工と情報発信感染症情報システムの開発及び提供1982年度から国で開始された感染症発生動向調査事業は'87年にオンライン化されたが、大分県は感染症情報を解析・提供するため、'99年に独自システムを作成し運用している。国システムの変更にあわせて、適宜、県システムの改訂を行う必要がある。1感染症情報の収集・解析・提供:感染症の累積相対度数を用いて流行規模を判断する基準値を作成し、感染症の流行開始や最盛期、終息等の判断が容易となった。また、2006年からの国の新システム移行にあわせて、大分県システムのソフト改訂を行った。1累積相対度数を用いた感染症判断基準値の作成について(年報29,31-34,2001)
 ・感染症法の改正に伴う感染症患者情報システムの改訂(年報34,58-60,2006)
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環境教育教材等の作成及び提供21世紀は「環境の世紀」ともいわれ、環境教育が重要となっている。当所では、6月の環境月間に一般公開や小学生の体験学習等を行っており、教育教材の作成等が必要である。1教育教材等の作成:学習教材として、細菌やウイルス、カビ等の微生物、昆虫や植物、繊維等の電子顕微鏡画像集を作成するとともに、インターネットやイントラネットで容易に画像を検索、閲覧できるよう公開した。1電子顕微鏡画像集の作成(年報32,25-27,2004) 1
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