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稲葉ダム (一級河川大野川水系稲葉川)

印刷用ページを表示する掲載日:2010年11月9日更新
 昭和57年7月24日、長崎県に大洪水をもたらした梅雨末期の集中豪雨が、竹田地方も襲い、7名の尊い人命を奪い、家屋の全半壊、道路・鉄道の流失など、稲葉川・玉来川の氾濫などにより、大正12年7月以来59年ぶりの大水害となり、未曾有の大惨事をもたらしました。
 この水害を契機に稲葉川・玉来川などで災害復旧工事やダム建設の調査・計画を進めていましたが、八年後の平成2年7月には、昭和57年の水害を上回るかつてない豪雨が、再び竹田地方を襲い、家屋の流失・全半壊、道路、鉄道の流失など市民生活に大被害を与えるとともに、再び尊い5名の人命を奪いました。
 この大水害を契機に、市街地上流に稲葉ダム・玉来ダムを建設する「竹田水害緊急治水ダム建設事業」が平成3年度事業採択され、河川改修とダム建設を組み合わせた治水対策を行うことになりました。
 河川改修については平成12年度に槪成し、稲葉ダムは平成15年3月に本体工事に着手し、平成22年11月7日に竣工しました。
稲葉ダム

(型式)重力式コンクリートダム(集水面積)53.8km(設計洪水位)標高460.9m
(調節方式)自然調節(湛水面積)0.48km(サーチャージ水位)標高455.3m
(堤高)56.0m(総貯水容量)7,270,000m(常時満水位)標高437.8m
(堤頂長)233.5m(有効貯水容量)6,190,000m(最低水位)標高434.0m
(堤体積)223,000m(洪水調節容量)5,640,000m  
(ダム天端標高)標高462.0m(不特定容量)  550,000m  
 (堆砂容量)1,080,000m  

<標準断面図>

標準断面図

<下流面図>

下流面図

容量配分図・容量曲線・流量配分図

稲葉ダム諸元図

代表的な技術

代表的な技術

造成アバットメント工法

稲葉ダムのダム軸位置は、下写真のように堅岩部の間に弱層部となるD級岩盤を挟んだ状態となっています。

稲葉の地質

 このようなD級の盤軟質層への対策として、従来では箱形地中連壁やトンネル等によるコンクリート置換を行っていましたが,これらの対策工法を採用するにあたっては、(1)工期の長期化 (2)地山との密着性確保 (3)多大なコスト といった点が課題となります。
 そこで稲葉ダムでは,“軟質層の上下に堅岩層が存在する”という特徴を活かし,『傾斜型造成アバットメント』を採用致しました。

造成アバットメント

Csg工法

稲葉ダムでは、強度や透水性の異なる堆積物が複雑に分布しているため、通常の止水工法(カーテングラウチング)は困難であると判断し、貯水池表面遮水工(Csg工法)を採用しました。
 Csg工法を採用することで、資源を有効利用した構造物を築造するとともに、従来のコンクリート工法にくらべて建設費用の削減、工期の短縮、環境への負荷の軽減が図られています。
 ※「Csg工法(Cemented Sand and Gravel)」・・・現地で発生した砂、礫に少量のセメントと水を加えて練り混ぜた材料

<貯水池対策工におけるCsg>

Csg施工箇所


(1)鞍部Csg
鞍部Csg

(目   的)コンクリートフェーシング背面基礎造成
(必要強度)1.8~2.7 N/mm2
(透水係数)問わない
(使用母材)A1-w(Aso1) 輝岩2
(混合方法)プラント

(2)河床部Csg
河床部Csg

(目   的)コア材の施工性向上、コア材の流出防止
(必要強度)2.3 N/mm2
(透水係数)10-4 cm/sec
(使用母材)I-w(今市)
(混合方法)プラント

(3)転流水路Csg
転流水路Csg

(目   的)転流水路基礎
(必要強度)1.4 N/mm2
(透水係数)問わない
(使用母材)河床砂礫
(混合方法)バックホウ混合

遮水工

稲葉ダムでは、強度や透水性の異なる堆積物が複雑に分布しているため、通常の止水工法(カーテングラウチング)は困難であると判断し、上記のCsg工法を含め、貯水池表面遮水工を採用しました。
 各施工部における採用工法は以下のとおりです。

(1)斜面部 ・・・ 「コンクリートフェーシング工」

 鉛直方向の浸透破壊に対する対策が必要なため、安全性・施工性・工期短縮および工事中の出水に対する被害が小さい構造である「コンクリートフェーシング工」を採用しました。


(2)河床水平部 ・・・「土質ブランケット(Csg)」

 浸透水に対する対策が必要なため、対策工法としては土質ブランケットを基本としています。しかし、稲葉ダムは高透水性の基礎を有し、コア材の吸い出しが懸念されたため、Csgを併用した工法を採用しています。
 ※上記“Csg工法”の(2)河床部Csgに相当します。


(3)中段水平部 ・・・ 「アスファルトフェーシング工」

 中段水平部では、軟質層が分布しているため、変形性の問題があることから、Csgの採用にはクラックの発生が懸念されました。また、土質ブランケットとした場合には、浸透破壊を防止するためには相当な厚みが必要となりました。
 そこで、浸透破壊に対し十分な安全性を有し、かつ変形に対する追随性を有する「アスファルトフェーシング工」を採用しました。

<アスファルトフェーシング工の構造>
アスファルトフェーシング工の構造


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