効率的な生産システムの再編
個別経営規模の拡大を図るとともに、個別の生産形態から、地域を単位とした効率的な生産システムへの再編を進め、生産性の高い地域農業を確立する必要がある。
水田の耕地利用率は、生産調整に加え、高齢化や担い手不足などにより、裏作の麦や転作作物である野菜の作付け面積の減少により、94%と低迷している。
このため、麦、大豆などを加えた土地利用型作物の定着を目指し、集落営農体制づくりを進めるほか、今年度、新たに条件不利益地域の農作業受託や管理耕作を促進する。
地域一丸で耕地利用率アップ
竹田市の九重野地区担い手推進協議会は、8月の農地高度利用推進コンクールで、最優秀賞に選ばれた。耕地の利用率は160%だ。構成員数は118戸。89.5haの水田に、水稲52.5ha、麦2.3ha、大豆16.1ha、野菜4.2ha、花き1.4ha、飼料作物8.5ha、菜の花やそばなど58.1haを作付けしている。また、農作業の受託を進め効率化を図る一方、女性グループ「若葉会」などによる加工・販売、地区の盆踊りの復活など、所得向上はもとより、集落の活性化に積極的に取り組んでいる。
生産調整で生産量が減少する米だが、裏作に菜の花を植え、土を肥えさせ、減農薬・有機肥料米として付加価値を高めている。
10月末には大分や福岡の人々を対象に自然観察会や収穫物を味わう交流会を開き、消費者ニーズの把握などにも力を入れる。
「今年の耕地利用率は173.3%は確実。行政の補償制度がなくなってもやっていける農業の確立が目標。そのために、地区内にある7つの集落(谷)がそれぞれの特性にあった生産体制“谷ごと農業”を進めていきたい」と、熊谷会長と後藤事務局長は力強く語り、まとまりの良さと結束力の強さがうかがえる。この取り組みは近隣地区へも広がりをみせている。
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最優秀賞の九重野地区担い手推進協議会の
メンバー(竹田市) |
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転作作物のそばの収穫 |
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