
県民の皆様へ(平成25年度のスタートにあたって)
県民の皆様へ(平成25年度のスタートにあたって)
昨年7月の豪雨災害から早くも9カ月が経過しました。この間、被災地で水害対策会議を開催するなど市町とも連携を密にし、全庁を挙げて復旧・復興に取り組んでまいりました。その結果、何とか軌道に乗り、農地は約8割が今年の作付けに間に合いそうですし、道路・河川も約7割が梅雨時期までに復旧できる見込みです。絶えず進行を管理し、最優先で取り組みます。
併せて東南海、南海地震に対する備えにも「災害に上限はない、何よりも人命」との覚悟で万全を期してまいります。
今ひとつ気がかりなのは、景気、雇用です。
新政権の経済再生への取組により、国内経済は、過度な円高から抜け出し、株価も上昇するなど、このところ改善の動きが見え始めています。県内経済は、観光、宿泊施設利用の回復傾向など、明るい兆しも現れつつありますが、全体として横ばいの動きとなっています。雇用面でも、有効求人倍率は九州一位を維持しているものの、このところ足踏み状態にあります。
そのため、国の緊急経済対策に呼応し、本県も投資的事業を前倒しで行うなど需要の喚起に努めるとともに、農林水産業や商工業等が前向きに事業を拡大していける環境を整えてまいります。
こうした喫緊の課題に対応しながら、本県の基本的な戦略である「安心・活力・発展プラン2005」の推進も急ぎます。
安心の大分県に向けて、子育て満足度日本一の実現、高齢者の見守り、障がい者への支援に力を注ぐとともに、地域の実情に沿った小規模集落対策を進めます。
地域活性化に向けては、農林水産業の構造改革を進めるとともに、中小企業の足腰を強め、産業集積の深化を後押しします。
さらに、発展する大分県の基盤づくりを目指して、将来を担う人材の育成に力を入れ、県立美術館の開館準備など芸術・文化、スポーツの振興を図ります。発展の布石として、東九州自動車道など社会資本の整備も急ぎます。
県政推進に当たって大事なことはやはり「県民中心の県政」です。県民の皆さんの県政に対する様々な思いをしっかり受けとめて、それを県政に活かしていくよう全力で取り組んでまいります。
どうぞよろしくお願いします。
平成25年4月8日
大分県知事 広瀬 勝貞