110番について
みなさんは「110番」のことについてご存知ですか?
子どものころから耳にしている電話番号ですね。
警察だけでなく「○○の110番」などと、お店の名前に使われているくらいに有名です。
最近は「フリーダイヤル」「何でも相談ダイヤル」のように思って利用する人もいるようですが、それは間違いです。
警察では、みなさんに「110番」について正しく理解してもらい、有効に利用していただきたいと考えています。
そこで、このページから、知っているようで知らない「110番」のことを説明します。
110番って何?
「110番」は何のために設けられたダイヤルなのか知っていますか?
「110番」は、緊急の事件・事故の通報用の緊急電話です。
最近は
・ 警察署の電話番号がわからないから
・ どこに電話をかけていいのかわからないから
という理由で「110番」をダイヤルする人が増えています。
しかし、「110番」は「何でも相談窓口、フリーダイヤル」ではありません。
このような利用が増加すれば、本当に「緊急の事件・事故」の通報をする人の電話を受理できなくなり、警察が困るのではなく「住民のみなさんが迷惑する」ことになります。
・ 「緊急の事件・事故」通報用の「110番」
・ 相談・問合せ用の各種ダイヤル
は、きちんと使い分けてください。
どこにつながるの?
「110番」にダイヤルしたら、どこにつながるか知っていますか?
あなたが、もし、大分駅前から携帯電話で「110番」にダイヤルしたとします。
すぐ近くに大分駅前交番がありますが、「110番」ダイヤルは「大分県警察本部の通信指令センター」につながります。
大分県内のどこからでも「110番」にダイヤルすると「大分県警察本部の通信指令センター」につながるようになっています。
「110番」がスタートした当時は携帯電話などありませんでしたから、電話をかけた場所を管轄する警察署に「110番」ダイヤルがつながる仕組みで作られていました。
ところが、
・車社会となり、犯罪の広域化、スピード化の傾向が進み、事件発生警察署だけでなく、周辺の警察署や隣接都道府県警察とも連携を取りながら捜査を進める必要性が高まった
・緊急重大犯罪が発生した場合、都道府県警察のパトカーや白バイ、ヘリコプター、警備艇など、陸海空の警察官に無線指令手配を行うなど、都道府県警察全体の警察官を動員して捜査等を行う必要があるときに「110番」通報の情報などを取りまとめて全体に指令するまとめ役が必要になった
・移動電話(自動車電話、携帯電話など)が利用され始め、どこからでも電話がかけられるようになってきた
などの理由から、現在では各都道府県警察本部の通信指令課(室・センター)に「110番」が集中されるようになっています。
携帯電話からは?
携帯電話から「110番」に電話するとどこにつながるのかご存知ですか?
実は、携帯電話から「110番」にダイヤルすると、その携帯電話の電波をキャッチした中継局の所在地にある都道府県警察本部の通信指令課(室・センター)につながります。
ですから、まれに隣の県の「110番」につながるケースがあります。これはシステム上、仕方ないことですが、特に県境付近で起きるものです。
実際に、大分県の通信指令センターには、陸続きで福岡県、熊本県、宮崎県からだけでなく、海を越えて愛媛県の「110番」が入ってくることがあります。逆に大分県の県境付近で「110番」にダイヤルすると隣の県の通信指令センターにつながることもあります。
事件・事故の通報の際に、まず場所を、それも「町名」だけでなく、省略しないで「都道府県、市町村名」から話してくれると場所がわかりやすくなります。
もし、「110番」が隣の県につながった場合でも、「110番」をかけなおす必要はありません。通信指令センターで管轄都道府県警察に電話を転送できます。
お金がかかるの?
「110番」ダイヤルの約8割が携帯電話からになっており、携帯電話の普及が進んでいることがよくわかります。
携帯電話は便利な物ですが、その通話料金が高めなので通話料金を気にする人も多いようです。通常、電話をかければお金がかかります。
しかし、「110番」は「緊急の事件・事故」の通報用の緊急回線ですから、通話料金はかかりません。これは携帯電話からのダイヤルでも同じです。
通話料金は発生しませんから、慌てず落ち着いてお話してください。
ただし、通話料金が発生しないからといって、「総合案内」「フリーダイヤル」ではありません。
「タダでできる相談ダイヤル」「免許証の更新手続案内ダイヤル」などでもありません。
「緊急の事件・事故」の通報用に設けられた特別の緊急電話なのです。
「ちょっと電話番号を聞こう」「タダだから電話しよう」なんて思って電話をかける人が増えると、回線がふさがって本来かかってくるはずの緊急通報を通信指令課(室・センター)で受理できなくなります。
どんな時にかけたらいいの?
「110番」通報は内容が千差万別です。
たとえば、
刑事関係
・強盗、殺人などの凶悪事件
・空き巣、万引きなどの窃盗事件など
交通関係
・ひき逃げ、当て逃げなどの逃走事件
・死亡事故や道路を通行止めにしなければならないような重大事故
・軽傷事故や物損事故など
災害関係
・火災や風水害(天災)など
その他
・不審者の通報、人が倒れているなど
緊急の事件事故を通報する時にかけてください。
これ以外に
・間違い、いたずら、無言電話
・電話番号の問合せ、相談など
の不要不急の電話がたくさんかかってきます。
現在、大分県内では、1日に200~300件程度の「110番」通報が入りますが、このうち約3割は不要不急の電話です。
「110番」にダイヤルするときは、
緊急の要件なのか?警察に通報しなければならない事件・事故の情報なのか?を、ちょっと考えてみてください。
何を話せばいいの?
「110番」に何度もダイヤルしたことのある人はまれで、ほとんどの人が初めてです。
事件・事故に遭遇することも、目撃することもまれなことですし、こんな時に落ち着いて話しなさいと言われても「できない」と言われそうです。
不安や心配で、心に浮かんだことを、とにかく、たくさん話してくれる方も大勢います。
たくさんお話してくれるのですが、話が飛ぶし、何を伝えたいのかわからない、ヒステリックになって電話を切ってしまうこともあります。
しかし、話してくれないと、警察は何が起きているのかさっぱりわかりません。
では、「どうしたらいいんだ!」と怒鳴られそうですが、通報している人がいろいろと考えてお話してくれなくても大丈夫なんです。
最初に「何が起きているのか」を簡潔に話してくれれば、「110番」の警察官からあなたに質問します。
「110番」の警察官から通報内容に応じて必要なことを質問しますし、質問の受け答えをしている間にパトカーなどに手配を行っているのです。
通報者の中には、「いろいろ聞かないで、とにかく早く来い」と怒り出す人もいますが、心配しなくてもパトカーがあなたの所に向かっています。
例えば、あなたが「110番」にダイヤルすると
(110番) 110番警察です。事件ですか?事故ですか?
と聞きます。
この時にあなたは、
(あなた) ・交通事故です。 ・泥棒に入られました。
などと答えてくれれば、「110番」の警察官から必要なことを質問します。
あなたが、その質問に答えている間にパトカーがあなたの元に向かって走り始めています。
なぜ110番なの?
「110番」というダイヤルですが、なぜ「1」「1」「0」なのか知っていますか?
元々警察の通報用ダイヤルは全国統一ではありませんでした。
これを昭和23年に統一して、通報用ダイヤル「110番」ができたのです。
「1」「1」「0」に決まった理由は、当時のダイヤル式電話で
- 「かけやすい」 ・・・・「1」(最初の番号)
- 「おぼえやすい」・・・・「1」(最初の番号)
- 「間違いにくい」・・・・「0」(最後の番号)
を組み合わせたことです。
これが全国統一の緊急の事件・事故受付ダイヤル「110番」のスタートです。