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豊予海峡ルートについて
今日の日本は、東京を起点として東海道から山陽道を経て北九州に至る太平洋ベルト地帯(「西日本国土軸」と呼びます。)に人口や産業が集中し、環境問題等の様々な問題を抱える一方で、それ以外の地域では深刻な過疎化が進んでいます。
こうした様々な問題を解消し、私たちがどこに住んでいても生活の豊かさ、自然環境の豊かさを同じように実感することができ、世界に開かれた活力ある国にするためには、複数の新たな国土軸をつくり、人口や産業が適度に分散する国土へと転換する必要があります。
また、災害などで西日本国土軸が通行不能になった場合でも、複数の国土軸があれば、人や物の流れが東西で分断されるリスクが減少します。
平成10年3月、全国総合開発計画「21世紀の国土のグランドデザイン」が策定され、その中で示された4つの国土軸構想の一つとして、「太平洋新国土軸構想」があります。
この構想は、東海から伊勢湾口、紀伊半島、紀淡海峡、四国、豊予海峡を経て九州に至る地域を高速道路や高速鉄道などで結ぼうとするもので、その一翼を担うのが「豊予海峡ルート」です。
豊予海峡ルートは、大分県佐賀関半島と愛媛県佐田岬半島間の豊予海峡を海底トンネルや架橋で結ぼうとするもので、西瀬戸地域全体の発展を支えるとともに、豊かな国土づくりに大きく貢献する21世紀のビッグプロジェクトです。
中国・四国・九州の西瀬戸7県と関係経済団体では「豊予海峡ルート推進協議会」を組織し、このプロジェクト実現に向けて様々な活動を行っています。
現在の厳しい経済・財政状況のもとでは急速な進展は望めませんが、協議会では、掲げた灯を消すことなく長期的な取組を継続していくこととしています。
1.豊予海峡ルートの概要
位置 | 愛媛県佐田岬半島~大分県佐賀関半島 |
海峡幅 | 約14km |
最大水深 | 約195m |
鉄道軸 | S63鉄道建設・運輸施設整備支援機構の「地形・地質等に関する調査」により、「建設可能」と報告 H7から同機構が経済社会調査を実施 |
道路軸 | H7から国土交通省が新交通軸基礎調査を実施中 H7から愛媛県、大分県が長大橋に係る基礎的な技術調査を実施、H10に「技術的可能」と報告 |
推進体制 | H5豊予海峡ルート推進協議会設立 |

2.豊予海峡ルート推進協議会
(1)会員
大分県、愛媛県、広島県、山口県、高知県、福岡県、宮崎県、四国経済連合会、(一社)九州経済連合会、(一社)中国経済連合会、広島県商工会議所連合会、山口県商工会議所連合会、愛媛県商工会議所連合会、高知県商工会議所連合会、福岡県商工会議所連合会、大分県商工会議所連合会、(一社)宮崎県商工会議所連合会
(2)設立
平成5年8月
(3)活動内容
・国への政策提言・要望活動の実施
・豊予海峡交流圏交流促進事業の実施
3.実現による効果
平成11年に開通した中国と四国を結ぶ西瀬戸自動車道や、中国横断自動車道、四国横断・縦貫自動車道、東九州自動車道など高速交通ネットワークの整備と合わせて、西瀬戸地域の環状交通体系が形成されることとなり、中四国地域連携軸や東九州軸などの広域的な交流・連携が促進され、中国、四国、九州が密接に連携する広域交流圏が構築されます。