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糖尿病性腎症重症化予防
糖尿病性腎症重症化予防の意義
糖尿病は、血液中のブドウ糖(糖分)が慢性的に高い状態です。最初は自覚症状がなく進行し、症状が出た段階で受診した時は、重症と診断される場合も少なくありません。
糖尿病をそのまま放置して重症化すると、糖尿病網膜症、糖尿病神経障害、糖尿病性腎症などを引き起こすおそれがあり、最終的には視力の喪失、足の切断や人工透析になる可能性があります。
人工透析が必要になった場合、生涯にわたって週3日、1回当たり4~5時間の透析が必要となり、身体的・精神的な負担によるQOL(生活の質)の低下、さらに年間医療費は約500万円ほどかかるため、経済的な負担が懸念されます。
大分県の人口100万人あたり透析患者数は3546.3人と全国5番目の高さで、そのうち約4割が糖尿病に起因する透析です(平成30年12月31日時点)。
また、新規透析患者数も393.4人と全国3番目の高さで、そのうち原疾患が糖尿病性腎症の者は約4割を占めています。
そのため、県民の健康保持・増進と経済的負担の軽減につなげるため、糖尿病性腎症の重症化予防に向けた取組を推進する必要があります。
糖尿病性腎症重症化予防事業の取組
大分県では、平成27年度から大分県医師会や大分県糖尿病対策推進会議と協議を重ね準備を開始し、平成28年5月17日付けで「大分県糖尿病性腎症重症化予防プログラム」を策定しました。
さらに、令和元年12月25日に、糖尿病性腎症及び慢性腎臓病の重症化予防を図ることを目的として、大分県医師会、大分大学と「大分県糖尿病性腎症及び慢性腎臓病の重症化予防に係る連携協定」を締結しました。
令和2年度は、前年度の連携協定を踏まえ、
「かかりつけ医と専門医、かかりつけ医と市町村・保険者の連携体制の強化」
「未受診者・治療中断者への医療機関受診勧奨の徹底」
「重症化予防に向けた県民の行動変容を促す広報・普及啓発の徹底」などの取組を実施しました。
平成28年度に策定した「糖尿病性腎症重症化予防プログラム」を改訂しました。
市町村の具体的な取組
市町村では、医療機関への受診勧奨やかかりつけ医と連携した保健指導等を行う対象者の抽出基準を明確にし、糖尿病性腎症重症化予防に取り組んでいます。
具体的には、
○40歳から74歳を対象にした特定健康診査※の結果、糖尿病が強く疑われる方へのかかりつけ医(おおいた糖尿病相談医)等への受診勧奨
○糖尿病が重症化するリスクの高い治療中断者や腎症機能が低下している方に対して、かかりつけ医と連携した生活習慣改善のサポート など
※特定健康診査とは、
○対象者は、40歳~74歳の保険医療加入者
○内臓脂肪の蓄積に起因した高血圧症、脂質異常症、糖尿病その他の生活習慣病に着目した年1回の健康診査
関連リンク
【令和元年度の取組】
・大分県糖尿病性腎症及び慢性腎臓病の重症化予防に係る連携協定締結について
【令和2年度の取組】
・糖尿病性腎症重症化予防のために、医療機関への早期受診と治療の継続を行いましょう。
・糖尿病を治療中の方もしくは血糖値が高いと言われたことがある方へ