特集 県産木材の家で快適な暮らし

地域の風だより
特集2 進んでいます 県内の情報化  
 IT(情報通信技術)が進み、ケーブルテレビの普及や携帯電話、パソコン、インターネットなどを使う人たちが増え、私たちの生活もずいぶん変わってきました。県内でも、高速・大容量の光ファイバーなどの情報通信網の整備が進み、これからも情報化の進展は私たちの暮らしと密接にかかわり合ってくることでしょう。
 今回は、県南地域の生活の中で情報化がどのように役立てられているのかを中心に県内の情報化について紹介します。

  ケーブルテレビ 
 
 県内には、現在13のケーブルテレビ局があります。県南地域では、難視聴地域の解消、地域の情報化の推進、防災情報の通信手段、多チャンネル化などの目的で、各市町村でケーブルテレビ局が整備され、それぞれの家庭までのネットワークができています。平成5年の佐伯市を皮切りに、12年に鶴見町、本匠村が、13年に臼杵市、弥生町、米水津村が開局し、来春には蒲江町が開局します。
 ケーブルテレビは、県内外の放送局の番組、天気予報、スポーツ、音楽、映画などの番組を放送しています。また、市町村議会や地域で行われた行事などを放送する自主制作番組、行政情報をお知らせする文字放送などがあり、地域や行政の情報が住民に直接伝わるようになっています。
敬老会を取材するケーブルテレビホタルサービス(本匠村)
 ケーブル網につながった各家庭の電話には、市町村役場や消防署などから防災情報が提供されます。本匠村では、番匠川に設置しているカメラの映像を家庭で見ることができるので水害に備えることができます。
 佐伯市、臼杵市、弥生町、鶴見町、米水津村ではケーブルテレビを利用した高速インターネット接続サービスもあります。サービスの対象となる約36,000世帯のうち、約2,600世帯が契約しています。通常の電話回線と比べて、通信速度が速く、動画などの映像をスムーズに見られ、いくら使っても毎月定額料金のみを払えばよいので、好きなときに好きなだけインターネットが楽しめます。
 
 
 こんな活用法もあります 
 
 鶴見町では福祉分野で先進的な活用をしています。町内の65歳以上の高齢者約1、260人の健康状態を保健婦が把握するのは難しいことです。そこで、それを補う一つの方法として平成12年4月から高齢者介護支援システムを取り入れています。町内の独居または夫婦のみの高齢者の世帯のうち、過去に長期入院をしたことがあるなど健康面に不安があり、町の中心部から離れた地域に住む10世帯にテレビカメラを設置して、テレビ画面を通じて保健婦と健康相談を行っています。毎週月曜日から水曜日の午前中に保健婦の方から連絡をして会話が始まります。一人につき、月2回程度、平均10分間、最近の体調などについて話をします。
テレビ電話で健康相談をする亀井さん
「表情がわかり、普段とのちょっとした違いなどにも気づくことができます」と保健婦さん。町内中越浦の亀井真喜江さんは「保健婦さんと話せてうれしい」と今ではすっかりテレビ電話に慣れています。
 本匠村では、緊急通報システムで50世帯に電話機や首から掛けられるペンダントの緊急通報機器を設置しています。急病やけが、事故、火災などの緊急時にボタンを押すと自動的に佐伯広域消防本部につながり、民生委員の派遣、救急車の出動などいつでも必要な対応ができます。
 
 
 臼杵市の情報化 
 
 臼杵市では、平成12年度にふれあい情報センターのほか、市役所、市立図書館、消防署、中央公民館などの公共機関、学校を光ファイバーで結ぶネットワークを整備しました。
 歴史的な街並みが残る中心地・二王座に、市民や観光客が最新の情報技術を体験できるふれあい情報センターがあります。合成写真を作りメールの配信などができる記念フォトコーナー、イベントのお知らせやライブ放送などを配信できるインターネット放送のためのスタジオ、インターネットの体験や研修のためにパソコン10台が備えられた研修室などが整備されています。
 学校の情報教育の環境整備にも積極的です。市内の小中学校、高等学校、養護学校22校すべてでインターネットが利用できるようにパソコンなどの通信機器を整備しています。そのうち、15校がネットワークで結ばれ、テレビ会議などを使った学校間の交流が行われています。今後は、残り7校についてもネットワークの整備が見込まれています。
(上)ふれあい情報センター(下)インターネット放送
 全校生徒66人の南津留小学校では、各学年の教室に1台ずつ、理科室に4台、職員室に2台、合計12台のパソコンがネットワークでつながっていて、生徒間、先生と生徒との間で自由にメールのやりとりをしています。「話しにくいことをメールに書けるのがいい」と生徒たちは楽しんでいます。6年生の社会科の授業では、6人で理科室の4台のパソコンを使い、歴史上の人物についてインターネットで調べます。「生徒一人に1台のパソコンがいきわたるとともに図書館も充実させるなど生徒たちが自由に情報を取り出せる環境づくりが必要です」と話す工藤憲治先生は、校内で情報教育を担当し、教職員のパソコン研修にも取り組んでいます。
 
ホームページアドレス
●臼杵市役所
    http://www.city.usuki.oita.jp/
●臼杵市ふれあい情報ネット
    http://fic.usuki.gr.jp/
●南津留小学校
    http://www.minamizuru-e.usuki.oita.schoolnet.gr.jp/
 
 
 豊の国ハイパーネットワーク 
 
 県の機関と市町村役場などを高速・大容量の光ファイバーで結ぶ「豊の国ハイパーネットワーク」を進めていますが、最初に県南ルートが完成し、9月から教育、防災、医療、福祉などの分野で活用されています。
 佐伯地域広域市町村圏事務組合では介護保険の認定事務について、現在使っている電話回線から豊の国ハイパーネットワークに替えて高速かつ安価なネットワークづくりを検討しています。
 医療面では、市町村の診療所からCTやエックス線の写真などを豊の国ハイパーネットワークを利用して佐伯市の南海病院や大分市内の専門病院に送り、テレビ会議で医療相談などができます。蒲江町の西野浦診療所の馬場宏敏医師は「へき地の診療所では対応できず、南海病院などの高次医療機関に救急車で搬送され治療を受けた場合に、高齢のため救急車に同乗できなかった家族にテレビ会議を使って患者さんの診療結果などを説明することができます。医療情報を患者さんにきちんと伝えることでお互いの信頼関係を高めていきたい」と話しています。
テレビ会議で南海病院と医療相談をする
馬場宏敏医師
 基本構想では、大分市から県内の5方向への光ファイバー網の整備が計画されています。県南ネットに続いて、今年度は大野・竹田ネットが完成するほか、県北ネットの整備に着手し、別杵・国東、日田・玖珠の各ネットの整備も早期の着手を目指します。
 
豊の国ハイパーネットワーク
豊の国ハイパーネットワーク






 
地域の風だより

弥生町炭の新しい魅力発見
 「尺間(しゃくま)炭焼きクラブ」(会員13人)が、パイナップル、かぼちゃ、まつぼっくりなどのかわいらしい形をした珍しい炭「お花炭(はなずみ)」を研究を重ねて作りあげました。かつては公家や茶人が観賞炭として愛好したと言われ、部屋のおしゃれな脱臭剤として人気が期待されます。「昔ながらの炭窯を作ることができる」という70代のメンバーの言葉をきっかけに、平成11年から黒炭と白炭の窯を作り地域の伝統を受け継いでいます。お花炭は、形を崩さないようにするためアルミホイルやもみがらで包むなど工夫し、800℃の黒炭窯の中で3日間焼かれ1週間かけて冷やされて完成します。代表の狩生早己さんは「茶の湯炭も作っていきたい」と炭の可能性を追求しています。お花炭は注文販売されています。
(パイナップル1500円ほか)
  TEL 0972−46−0265

豊後高田市自然の素材で勝負

 国宝富貴寺のすぐそばにある農産物加工直売所「蓮華(れんげ)」は、昨年10月にオープンし、蕗(ふき)地区営農組合(組合員67人)が運営しています。
 蕗地区は、全国的にも珍しい荘園跡地の景観を生かして地域づくりを進めている田染地区の山あいの地域です。
 お店のおすすめは、れんげハチミツ入りで自然な甘みの「れんげソフトクリーム」(300円)とよもぎ、黒糖などを使ったヘルシーな手作りまんじゅう(6コ入り300円)。この秋からは、豊後高田名物「豊後アイガモ」を復活させようと、同組合の豊後アイガモ部会が飼育に取り組んでいるカモ肉を使った「ご飯の素」を売り出します。組合長の小川寛治さんは「お店の横にある20aの体験農園を使い、お客さんと交流もしていきたい」と話していました。
  営業時間/9:00〜16:00、 店休日/毎週月曜日、
  TEL 0978−26−2607


豊後高田市住み慣れた地域が一番

 今年2月にNPO法人(特定非営利活動法人)の認証を受けたボランティアグループ「ともだち村」は、高齢者が住み慣れた地域の中で健康で生きがいを持って暮らせるように、毎月1回、町内松木の書曲公民館でお茶のみサロンを開き、ふれあい型の食事サービスをしています。約30人のお年寄りが集まり、血圧などを測って健康チェックを受けるほか、健康づくりについての講話、ゲームなどのレクリエーション、旬のものを使った食事を楽しみながら会話がはずみます。参加料は1回300円。参加者は「同じ地域に住んでいる人たちの集まりなので参加しやすい。毎月この日が待ち遠しい」と言います。春や秋には、県内の温泉、花見、紅葉狩りなどに出かけます。代表の尾方万亀子さんは「町内右田に建設された高齢者の共同生活所の運営にも携わっていきたい」と意欲的に活動しています。
 TEL 09737−6−2086