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新時代おおいたNo.90

印刷ページの表示 ページ番号:0000283551 更新日:2013年9月30日更新

新時代おおいた90号表紙

特集1    ありがとう!北部九州総体 
特集2    お陽さんと新エネルギーの里づくりを目指して
風紋     モンゴル訪問
トピックス   おんせん県って言っちゃいましたけん!
県民ひろば 防ごう!高齢者の消費者トラブル
お薦め図書コーナー 心ひらいて  とよの国の食彩    

ありがとう!北部九州総体

 7月28日から、大分県、福岡県、佐賀県、長崎県の4県を舞台に行われた全国高等学校総合体育大会(以下北部九州総体という)が8月20日に閉幕しました。

 高校生アスリートや観戦者、運営スタッフなどが一丸となって大会を盛り上げ、各会場は歓喜の声に包まれていました。

 今回の特集では、汗と涙と感動に包まれた北部九州総体を振り返ります。。

 特集1扉絵

北部九州総体の様子

おもてなし

すべての方に感謝を

仲元さん

 総合開会式で歓迎のあいさつをした大分県高校生活動生徒実行委員会委員長 仲元 彩華さんに、大会を終えての今の気持ちを伺いました。

「 あいさつは、みなさんの視線を感じて少し緊張しましたが、2年間の集大成と思い、同じ実行委員19人の代弁者として精一杯選手達へのエールの気持ちを込めて話しました。
 1週間前のリハーサルで思いついて、手話も取り入れました。実質、練習期間は3日間だけでしたが、全身を使って思いを表現できたので良かったです。大会中は、陸上とバスケット、ソフトテニス競技を観戦しましたが、見ていると胸が熱くなりました。また、県外の選手から『あいさつをしていた人ですよね?ありがとう』などと声をかけてもらえて嬉しかったです。
 準備中は大変な時もありましたが、こうして無事大会を終えることができたのは、皆さんのおかげです。高校生だけではここまでできなかったので、多くの人に支えられてきたことを実感しています。本当にありがとうございました」と笑顔で語ってくれました。

仲元さんが思い描いていた「笑顔とあいさつがあふれる高井」は、多くの皆さんの協力によって実現され、思い出に残る夏となりました。

ひとときも目が離せないスピード感と選手間の駆け引き

 各地で高校生アスリート達が熱い戦いを繰り広げる中、今回訪れたのは8月3日~7日にかけて日田市総合体育館で行われたフェンシング競技会場です。フェンシングの魅力は、美しい剣と剣の渡り合い、一瞬も気が抜けない攻防です。試合が始まると、観客は場内に張り詰めた空気を肌で感じながら、選手達に熱い声援を送っていました。

 女子フルーレ(※)個人で、準決勝で敗れたものの3位決定戦で勝利し、見事3位に輝いた伊藤 理那(りな)さん(藤蔭高等学校3年)にお話を伺いました。「いまだに信じられなくて実感がわきませんが、とても嬉しいです。接戦でしたが、1本勝負で勝てた時には思わず涙ぐんでしまいました。みんなの声援が後押しとなって不思議とプレッシャーはなく、『自分の実力を出し切って、悔いが残らないように楽しもう』と思えたのが良かったのかなと思います。

 保育園の年長の頃からフェンシングを始めましたが、これを励みに大学でも頑張ります。そして何か一つでも人から尊敬される面が持てる人間になりたいです」と強い眼差しでと語ってくれました。
 伊藤選手の今後の活躍に注目したいですね。

 ※フルーレとは、フェンシング競技の1種目。軽量の直線型の剣を用い、突きの動作のみが認められている。有効面は頭、両手両足を除く胴体部分。

伊藤選手を支えた人たち

荻 祥子さん(藤蔭高等学校フェンシング部監督)

荻先生

 伊藤は大会前に手首を痛めており、直前まで足の練習しかできませんでした。しかし、その怪我があったからこそ集中でき、3位という結果に結び付いたのだと思います。これまでは、1つの技だけで勝ちを狙いにいったり、1本取られたら焦って追いつこうとしたりしていましたが、今大会では大きな成長が見られました。3分間の中で、相手がリードしても我慢をしなければいけない時や攻める時があって、その間合いを学んでいたのです。両者一歩の譲らない接戦の中で、最後に相手の動きを読んで技を変えたことも落ち着いたいい判断だったなと感心しました。

 試合終了後は、まず観客席に向かって礼をしていましたが、他校からの声援も受け、良い雰囲気の中で試合ができたと思います。

 最後に、すべての選手に言えることですが、勝負の世界なので勝ち負けは必ず決まり、誰しも光と影の部分を味わいます。選手人生は長いので、勝った時はそれを糧に、負けた時にはその悔しさをバネにして、さらに成長してほしいですね。

石井 聡さん(大分県フェンシング協会専属トレーナー(大分県地域成人病検診センタートレーナー)

 石井先生

 理那ちゃんとは、ジュニアフェンシングの頃から合宿やほとんどの試合でトレーナーとして関わっており、私にとっては娘のような存在です。怪我が多く、痛みなどで弱気になることもあり、これまで実力はあるのになかなか結果が出せずやきもきしていました。ですから、今大会は祈るような気持ちで応援していました。試合前にはテーピングを施し、終わった後にはアイシングをしましたが、試合中に痛いところを押さえる仕草をした時には大丈夫かなと不安になる局面もありました。しかし、見事3位を獲得できて自分のことのように嬉しいです。

何と言っても身体が一番大事なので、怪我をしないようにトレーニングを積んで、この結果を誇りに、これからも自信を持って頑張ってほしいです。