特集 地産地消 地域の農産物は地域で消費する

地域の風だより


大分の米をもっと食卓に
 
ヒカリ ごはんってこんなに身体にいいのね。
米ジイ そうじゃな。それにな、大分の米は、全国有数のブランド米に劣らずうまいんじゃ。
ヒカリ でも、どうやって大分の米を選んだらいいの?
米ジイ 今年の4月から、お米の表示方法が新しくなったんじゃ。袋には、産地、品種、産年の三点セットを表示しなきゃならんし、米を混ぜて売るブレンド米の場合も、どこの米をどれだけ混ぜてるかが分かるように割合を表示するんじゃ。
ヒカリ じゃあ、その表示を見て買えば安心ね。



12年産水稲の作付面積(%) (大分県)

県産米の品種
ヒノヒカリ
九州を代表する良食味米。全国3位の面積を誇る実力派。大分県の主力品種。
【収穫時期】10月上旬〜中旬
ひとめぼれ
ヒノヒカリと並び大分での知名度が上昇中。コシヒカリを親にもち、県内の中山間地を中心に栽培されています。
【収穫時期】9月中旬〜下旬
コシヒカリ
良食味米の代表品種。全国一の作付面積を誇っています。早期栽培にも適し、県内でもっとも早く収穫されます。
【収穫時期】平坦地域 8月上旬〜下旬、高冷地域 9月中旬〜下旬
ユメヒカリ
作りやすさが光る良食味品種。品質が安定しています。収穫時期が遅いため他の品種と組み合わせて栽培できます。
【収穫時期】10月中旬〜下旬
はえぬき
山形生まれの秘蔵っ子が他県よりいち早く大分に登場。早く収穫でき他の品種と組み合わせて栽培できます。
【収穫時期】9月中旬〜下旬
 
給食で「食」を考え、「農」に親しむ
 
米ジイ ヒカリは学校でちゃんと給食を残さず食べちょんか。
ヒカリ うん。毎日楽しみ。好き嫌いもないよ。
米ジイ そうか、おりこうさんじゃ。給食はな、子どもたちの成長にかかわる重要な食事じゃし、食べ物について学ぶ大事な時間じゃ。地元の安全な農産物を給食に取り入れれば、子どもたちが農業を身近に感じて、食べ物に関心を持って、地元に愛着を持ってくれるようになるんじゃなかろうか。
 
米ジイ どうじゃ。少しは、食べ物と農業のことが分かったか?
ヒカリ うん。知らなかったことばかりですごく勉強になったよ。
米ジイ 最後にひとつ。今はわしが、みんなが食べる米や野菜を作っちょんが、ヒカリやらみんなが食べんようになったら、わしは作る気力がなくなってきて、そのうち、生きがいの農業をやめてしまう。そうすると田や畑も荒れてくるんじゃな。一度やめるとすぐには作れんのじゃ。わしも一生懸命おいしい、安全なものを作るけん、いっぱい食べちょくれ。
ヒカリ うん。ジイちゃんのつくったものをいっぱい食べるよ。


  臼杵市では、昨年9月から中学校6校、小学校13校、幼稚園1校に地元の農産物を使った給食を提供しています。地元で採れた新鮮・安全なものを子どもたちに食べてもらい、農業への理解、地元への愛着、心身の健全な育成、また、生産者の有機農産物生産への意識の向上、農業の振興を目指しています。  
 JA大分のぞみ女性部の会員の中の19人が、「給食畑」の看板が立てられた総面積195aの畑で、地元の風土に合った野菜を減農薬栽培で作っています。これまで玉ねぎ、きゅうり、じゃがいもなど12品目を供給し、多い月では野菜全体の5割、月平均で2割が「給食畑」の野菜です。  
 市内徳尾の高橋ケサコさんは「地元の小学校に通う孫から『今日は、ばあちゃんがつくったじゃがいもを食べた。ばあちゃんずっと作ってね』と言われるとうれしいです」と楽しく野菜作りをしています。  
 学校では、「今日の給食には、○○さんの玉ねぎが使われています」と子どもたちに知らされます。子どもたちは給食畑の野菜と知って残さないようになったといいます。10月には、小学生と生産者が交流し、給食畑での収穫体験も予定されています。
おいしそうに給食を食べる臼杵市立北中学校1年生の生徒たち
野菜作りを楽しむ高橋ケサコさん




 

山里の温泉で少し長めの滞在を
 疲れた心と身体を癒したい方におすすめなのが、山に囲まれた閑かなスポット・西谷農村公園です。平成8年にオープンした温泉、ログハウス8棟の施設に、今年5月から、いろりを備えたかやぶき屋根の宿泊施設4棟、主に子どもの団体が利用できる研修棟が加わり、ますます利用しやすくなりました。肌がスベスベになると人気の温泉には、県内、北九州などから毎年約60,000人が訪れます。平日の利用客を増やそうと、日曜日から木曜日(年末年始などを除く)の間に2日以上連続で宿泊すると2日目以降の宿泊料を半額にするサービスを始め、評判は上々です。施設を運営する倉藤国義さんは「利用したお客さんが次のお客さんを連れてきてくれるような施設にしていきたい」と魅力づくりに励んでいます。10月にはさつまいもの収穫体験など楽しい企画もあります。
TEL 0979−53−2100

素朴な味を守り続けて10年

 朝倉文夫記念公園内のやすらぎ茶屋のかりんとうは、朝地町の隠れた美味です。平成3年にグループ「風味一景」で運営していましたが、メンバーが減り、今では萩原淳さん、久美子さんご夫婦が切り盛りし、10年間その味を守ってきました。かりんとうは、小麦粉、ベーキングパウダー、あわせみそ、卵、砂糖で作られ、水を一切使わないため、カリッとして香ばしく、食べ始めたらやめられないおいしさです。  
 東京のデパート、姉妹都市・浅草での祭りなどで実演したこともあり、東京から注文を受けることもしばしば。町のPRには欠かせない存在です。町内の道の駅「あさじ」や農林産物直売所「やさい畑」でも売られていて、多いときには月に500袋も売れています。「かりんとうでお客さんを引きつけたい」と萩原さんご夫婦。
(100グラム入り200円)
店休日/毎週月曜日(月曜日が祝日のときは翌日)
問 やすらぎ茶屋рO974−72−0860


村のよさを子どもたちへ
 村を訪れる人を温かく迎えようと、県道673号沿いの壁画づくりに取り組んだのをきっかけに出野地区の34人がまとまり、まちづくりグループ「いづの倶楽部」が平成7年に結成されました。今年で5回を迎えた「筑後川源流いづの川祭り」では、地元や福岡県内の小学生など約300人が参加し、鯉の稚魚の放流、川遊びを楽しむほか、川の大切さを知ってもらおうと、参加者全員でごみ拾いなど川の清掃作業も行っています。また、夏祭り、クリスマスにはサンタクロースに扮して村内の子どもたちへプレゼントを贈るなど子どもたちの思い出づくり、地域の賑わいづくりに力を入れています。  
 代表の原田俊郎さんは「イベントなどの活動を通して、子どもたちに村のよさを伝え、村を誇りに思ってもらいたい。若者の会員も増やし、後継者を育てていきたい」と語ります。