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稲葉ダム詳細

印刷ページの表示 ページ番号:0000009431 更新日:2014年4月15日更新

<標準断面図>

標準断面図

<下流面図>

下流面図

1.ダム諸元
2.貯水池容量配分図
3.稲葉ダムの効果
4.代表的な技術
  ・造成アバットメント工法
  ・Csg工法
  ・遮水工

ダム諸元

(型式)重力式コンクリートダム(集水面積)53.8km(設計洪水位)標高460.9m
(調節方式)自然調節(湛水面積)0.48km(サーチャージ水位)標高455.3m
(堤高)56.0m(総貯水容量)7,270,000m(常時満水位)標高437.8m
(堤頂長)233.5m(有効貯水容量)6,190,000m(最低水位)標高434.0m
(堤体積)223,000m(洪水調節容量)5,640,000m  
(ダム天端標高)標高462.0m(不特定容量)  550,000m  
  (堆砂容量)1,080,000m  

貯水池容量配分図

貯水池容量配分図

稲葉ダムの効果

ピークカット

代表的な技術

代表的な技術

造成アバットメント工法

 稲葉ダムのダム軸位置は、下写真のように堅岩部の間に弱層部となるD級岩盤を挟んだ状態となっています。

ダム軸岩層

 このようなD級の盤軟質層への対策として、従来では箱形地中連壁やトンネル等によるコンクリート置換を行っていましたが,これらの対策工法を採用するにあたっては、(1)工期の長期化 (2)地山との密着性確保 (3)多大なコスト といった点が課題となります。
 そこで稲葉ダムでは,“軟質層の上下に堅岩層が存在する”という特徴を活かし,『傾斜型造成アバットメント』を採用致しました。

傾斜型造成アバットメント

Csg工法

 稲葉ダムでは、強度や透水性の異なる堆積物が複雑に分布しているため、通常の止水工法(カーテングラウチング)は困難であると判断し、貯水池表面遮水工(Csg工法)を採用しました。
 Csg工法を採用することで、資源を有効利用した構造物を築造するとともに、従来のコンクリート工法にくらべて建設費用の削減、工期の短縮、環境への負荷の軽減が図られています。
 ※「Csg工法(Cemented Sand and Gravel)」・・・現地で発生した砂、礫に少量のセメントと水を加えて練り混ぜた材料

<貯水池対策工におけるCsg>

Csg施工箇所


(1)鞍部Csg
鞍部Csg

(目   的)コンクリートフェーシング背面基礎造成
(必要強度)1.8~2.7 N/mm2
(透水係数)問わない
(使用母材)A1-w(Aso1) 輝岩2
(混合方法)プラント


(2)河床部Csg
河床部Csg

(目   的)コア材の施工性向上、コア材の流出防止
(必要強度)2.3 N/mm2
(透水係数)10-4 cm/sec
(使用母材)I-w(今市)
(混合方法)プラント


(3)転流水路Csg
転流水路Csg

(目   的)転流水路基礎
(必要強度)1.4 N/mm2
(透水係数)問わない
(使用母材)河床砂礫
(混合方法)バックホウ混合


遮水工

 稲葉ダムでは、強度や透水性の異なる堆積物が複雑に分布しているため、通常の止水工法(カーテングラウチング)は困難であると判断し、上記のCsg工法を含め、貯水池表面遮水工を採用しました。
 各施工部における採用工法は以下のとおりです。


(1)斜面部 ・・・ 「コンクリートフェーシング工」

 鉛直方向の浸透破壊に対する対策が必要なため、安全性・施工性・工期短縮および工事中の出水に対する被害が小さい構造である「コンクリートフェーシング工」を採用しました。


(2)河床水平部 ・・・「土質ブランケット(Csg)」

 浸透水に対する対策が必要なため、対策工法としては土質ブランケットを基本としています。しかし、稲葉ダムは高透水性の基礎を有し、コア材の吸い出しが懸念されたため、Csgを併用した工法を採用しています。
 ※上記“Csg工法”の(2)河床部Csgに相当します。


(3)中段水平部 ・・・ 「アスファルトフェーシング工」

 中段水平部では、軟質層が分布しているため、変形性の問題があることから、Csgの採用にはクラックの発生が懸念されました。また、土質ブランケットとした場合には、浸透破壊を防止するためには相当な厚みが必要となりました。
 そこで、浸透破壊に対し十分な安全性を有し、かつ変形に対する追随性を有する「アスファルトフェーシング工」を採用しました。

<アスファルトフェーシング工の構造>
アスファルトフェーシング工の構造