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epi.70働く女性応援企業 キツキハーネス有限会社を取材しました!

印刷ページの表示 ページ番号:0002055435 更新日:2024年3月21日更新

女性活躍の先駆け的企業

 

「キツキハーネス有限会社」は、自動車や産業機械において神経や血管に例えられる電線や端子、コネクタなどの集合体であるワイヤーハーネスを製造している会社です。女性が約8割を占める会社ということもあり、女性活躍には早くから取り組んでおり、1982年には、他企業に先駆けて事業所内託児施設を設置しました。また長年の「男女共同参画社会づくり」への貢献が認められ、1991 年に杵築市から、2010 年に県知事から表彰を受けています。

女性目線で社長を支える

豊田さん画像 豊田里美さんは、製造課長として生産管理を担当。機械による自動化が難しく、手作業に頼りがちなハーネス加工部門を、熟練の技術で支えています。

結婚を機に前職を退職。子育てをしながら働ける場として「キツキハーネス」を選びました。事業所内託児施設があり安心して働けることや、短時間の勤務が認められていたことが応募の決め手に。子どもの通う学校にも近く、作業を抜けて授業参観などの学校行事に参加することが可能だったことも、大きな魅力だそうです。

初めての挑戦となる製造業でしたが、体力的な負担が少なく、製造業でありながら静かでクリーンな職場だったことや、社員のおよそ8割が女性ということもあり、不安を感じることなく楽しく働けたそうです。 多くの女性部下を抱える管理職として気をつけているのは、「職場内の風通し」。男性社長が立ち入りづらい女性従業員の人間関係にも気を配り、積極的にコミュニケーションを取りながら、部下のモチベーションや仕事のパフォーマンスが向上するよう努めています。

「今までは自分を高めるために仕事をしてきたけれど、今後は後継者の育成に注力したい」と語る豊田さん。3人の子どもを立派に育て上げた手腕を、これからは会社の未来のために振るいます。

人間関係を大切にするチームリーダー

後藤さん画像

「自分が最終チェックを担当しているという責任感が、仕事のやりがいにつながっています」と教えてくれたのは、製造課主任で検査業務を担当する浦浜智美さんです。手作業が多く、人為的なミスが発生しがちなワイヤーハーネスの検査に、高い集中力で取り組んでいます。

浦浜さんも仕事をしながら2人の子育てをしてきたワーキングママです。働く母親にとって、事業所内託児施設は社会で活躍するための大きな支えになったそうで、「残業が必要になっても、仕事が終わるまで預けられるので助かりました」と当時を振り返ります。また同世代の女性社員が多く在籍し、悩み事を共有できたことも、モチベーションの維持につながったそうです。

現在は検査業務のチームリーダーとして、また子育てと仕事を両立した先輩として、若い女性従業員たちが働きやすい環境づくりに取り組んでいます。「職場では他部署とのコミュニケーションを取る機会が少ないので、その隔たりがなくなる場が必要」と、会社から懇親会費用の補助が受けられる制度を利用して、コミュニケーションの場を積極的に設けています。

次世代のリーダーとして、会社から期待を掛けられている浦浜さん。豊田さんという大きな目標に、少しでも近づけるように今日も奮闘しています。

初代から受け継ぐ「やさしさ」

社長画像 初代の父、2代目の母の後を継ぎ、「キツキハーネス」の3代目社長を務める石山剛一さん。「ハーネス加工は、どこの国でも女性技術者の割合が多い仕事で、女性が働きやすい施策を取る企業が一般的ですが、弊社のように手厚く福利厚生を行う会社は聞いたことがなかった」と言います。「キツキハーネス」は、企業主導型保育事業の助成金などがない時代から、すべて自社の資金で託児所を運営してきました。

現在は認可保育園が増えてきたことと、「パート従業員は完全週休2日制(土・日曜、祝日)で、残業なし」と規定したことで、託児のニーズが低下。希望者の多い、長期休暇中のみで学童保育メインの受け入れにしています。それでも新型コロナの感染拡大中には臨時で託児所を開設するなど、従業員の働きやすさを重視する考え方は創業以来変わっていません。また従業員の利便性を考え、商業施設や公共交通機関の集中する杵築市の中心部に工場を構えたという経緯からも、従業員への思いが伝わってきます。

創業の理念を新しい未来に

福利厚生が充実していた一方で、「自営業から始まった会社だということもあり、組織としての体を成していなかった」と、石山さんは入社当時を振り返ります。先代は子育ての経験を持つ母親で、女性従業員の気持ちに寄り添えた反面、組織運営の経験がなかったことが原因で従業員の不満が高まり、退職者が増えたこともあったそうです。

ハーネス加工は、経験が物を言う仕事、早期の離職は業務効率の低下につながる一大事です。そこで石山さんは社長就任以降、「公平」をモットーに組織改革に取り組みました。まず男性が無条件に高い責任と給与を与えられていた状態を改め、本人の能力に見合った職責と待遇を与える「同一労働同一賃金」を徹底。また女性が多いゆえの問題、“お局様”が生まれがちな職場環境を改善するため、「風通しの良さ」への取り組みを強化し、コミュニケーションの活発化やハラスメント行為への注意喚起には常に気を配っているそうです。

ほかにも扶養内で働きたい人向けに就業規定を別途整備し、パート従業員の有給休暇利用を推奨するなど、さらなる労働環境の整備を推し進める石山さん。「あくまでも会社にメリットがあることが前提です」と念を押しながらも、創業以来の「人にやさしい」理念を引き継ぎ、会社と従業員双方が幸せになることができる未来に向かい、舵を取っています。

会社概要

企業名キツキハーネス有限会社
事業内容自動車用、産業用ワイヤーハーネス製造
設 立1976年
所在地〒873-0001
杵築市杵築755番地の6
TEL0978-62-5656

※ 2024年3月現在