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地中に水を蓄え、私たちに貴重な飲み水を提供してくれる森林。
地球温暖化を緩和し、建築材料として使われ、災害を防ぐ役割も果たしています。
この貴重な森林を荒廃から守ろうと、大分県では4月から「森林環境税」を導入しました。
なぜ森林を守ることが重要なのか、森林インストラクターで、都市の住民に水と森林の重要性を 訴える「水の森の会」の活動を行っている日田市の財津忠幸さんにお聞きしました。 |


管理できず、間伐されていない森林。日光が入らず、下草も生えない。曲がって生長し、今にも倒れそうな木もある。 |
山村の過疎化や林業従事者の高齢化による後継者不足など、林業は大変厳しい状況にあります。
一方では、安価な輸入材に押され、国産材の価格は昭和五十五年の三分の一程度にまで下落しています。これでは、木を植え、育てるために必要な経費をまかなえるだけの収入が得られません。
こうしたことから、森林づくりの意欲が失われ、間伐の遅れや伐採跡地の放置による人工林の荒廃が進んでいるのです。 |
大分県の林業就業者の推移
(スギ14〜22cm、4m、1リッポウメートルあたり) |
大分県の
林業就業者の推移 |
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手入れの行き届いた人工林は、地表面まで日光が届き、背の低い樹木(かん木)や草が育っています。
土には多くの空気が含まれ、微生物や小動物などが生息しています。この森林生態系を維持することで、長く雨水を蓄える保水力も上がり、山地の崩壊を防いでいます。
しかし、間伐を怠ると、地表面に光が届かずかん木も枯れていきます。土が露出し、雨水が直接地肌をたたき、土の流出が始まります。
すると、土の中の空気が少なくなり、小動物なども絶えて森林生態系が壊れ、保水力も落ちてしまいます。
また、土をしっかりとつかむ根も張れず、台風や集中豪雨で、山崩れや土石流が発生する恐れもあります。 |

水源かん養など森林の公益的機能回復を支援するための税として、県民の皆さんに森林の恵みを考え直してもらうきっかけになればいいですね。
特に下流域の方に「水の恵み」を知ってもらい、関心を持ってもらいたいです。「樹木は2度役に立つ」のです。生えている時に環境を良くし、木材となって役に立ちます。手入れの行き届いた森林でなければ環境効果は発揮できないことを知ってもらって、県民みんなで健全な森林づくりに参加してほしいと思います。 |

よく手入れされた森林。
日光が入り、かん木が生えている。
保水能力も十分ある。 |

間伐直後の森林 |

「水の森の会」では、筑後川下流域の都市部の住民に下草刈りや植樹、シイタケのコマ打ちなどを通して、森林と水の大切さを理解してもらおうとしている。 |

「植樹したあとは回りの土をよく踏みつけて、植えた木を強く引っ張っても動かないようにして」3月11日、由布市湯布院町で地元の方と協力しながらの大分銀行による「企業参画の森づくり活動」。 |
「いい汗をかいた」植樹の後は、地元婦人部の皆さんが作ってくれた豚汁などで交流会。 |
森林が持つ機能をすべてお金に換算することは不可能ですが、日本学術会議の試算によると、森林機能の一部だけで全国で70兆円、大分県では1兆258億円となります。私たちの暮らしに大きな恵みを与えてくれる森林づくりのために、皆さんのご理解とご協力をお願いします。 |
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「大分方式乾燥材」をご存じですか?
県林業試験場が開発した乾燥方式で、時間をかけてていねいに乾燥させるため、割れが少なく、木の持つ本来の色や香りを有した高品質の乾燥材です。
「大分方式乾燥材」普及のため、県では家1棟分の「大分方式乾燥スギ柱材」を無償提供しています。 |
対象者 |
大分県内に事業所を有する建設業の許可業者で、大分県木材協同組合連合会と事業に関する協定を締結した工務店 |
補助要件 |
1) 構造材のおおむね8割以上に県産材を使用すること
2) 原則として、梁・桁に県産スギ材を使用すること
3) 平成19年3月までに上棟できる県内に建築される住宅 |
お問合せ先 林業振興室 Tel.097-536-1111 内線3832 |
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納める人 |
個人/
法人/ |
県内に住所・家屋敷等がある人
(県民税均等割の納税義務がある人)
県内に事務所・事業所を有する法人等 |
納める額 |
個人/
法人/ |
年額 500円
均等割額の5%相当額(1,000円〜40,000円) |
納める方法 |
個人/
法人/ |
給与所得者は給与からの天引きにより、事業所得者等は市町村からの納税通知書により納めていただきます。(森林環境税は、均等割額1,500円の中に含まれています)
法人県民税均等割として森林環境税を加算した額を申告納付していただきます。 |
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平成18年度の森林環境税関係の予算は、次のとおりです |
○歳入 |
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税収見込額 ―――――2億2,500万円
うち基金積立金 ――――2億1,000万円
(残りの1,500万円は徴収費用)
※積立金の80%、1億6,800万円を18年度事業に活用します。残りの20%は引き続き積み立て、19年度以降の事業等に活用します。 |
○歳出(主な税の使い道) 1億6,800万円 |
1 県民意識の醸成 2,890万円 |
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「豊かな国の森づくり大会」の開催、おおいたの森写真コンクール |
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森林づくりボランティアの活動支援 |
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森と海をつなぐ環境保全活動(流木の片付け等) |
2 環境を守り、災害を防ぐ森林づくり 7,940万円 |
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荒廃した人工林の緊急整備 |
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美しい里山づくりの推進 |
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新たな育林技術の研究開発 |
3 持続的な経営が可能な森林づくり 4,470万円 |
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アイデアあふれる木製品や木造施設への助成(公募) |
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県産材を使用した学校机等の設置 |
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木製ガードレールの設置 |
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林業機械のリース料への支援 |
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牛の放牧による下刈り作業の省力化(モデル事業) |
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木材等の需要拡大を図るための研究開発 |
4 遊び、学ぶ森林づくり 1,500万円 |
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子供が気軽に学び遊べる森林の整備、森林体験活動への助成 |
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森林環境学習の指導者養成 |
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