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少雨・高温対策マニュアル(畜産)

印刷ページの表示 ページ番号:0000292121 更新日:2014年8月19日更新
1.高温障害の様相
(1)大家畜
    一般的に大家畜の臨界温度は、乳牛で26℃~27℃、肉用牛では臨界温度は正確な高温  領域は判っていないが、肉牛においては湿度60%の場合は気温22℃ですでに暑熱ストレスを受けるとされている。したがって、この温度領域よりさらに高い状況の中では熱産生量が増大するため、食欲、増体等が減少し、飼料効果は低下する。体温以上の光熱波が続くと致命的であり、平成22年は異常な猛暑によりかなりのへい死があった。
 
 
(2)中小家畜
    豚は特に高温に弱く、体温上昇や呼吸数増加、飲水量増加、水遊び、横臥時間の増加などが見られ、成豚の直腸温度が普通38.5℃~39.5℃であるが、これが3℃も上昇すると致命的な影響を受ける。
    鶏についての適温範囲は大スウで20~30℃、ブロイラーでは、35℃以上になると死亡する鶏が急増し20~30%のものが死亡する。又飼料要求率も著しく高くなる。
 
  
2.高温障害対策
(1)大家畜
ア.畜舎の断熱対策
 牛舎屋根裏に対して断熱材を使用する方法は一般的であるが、応急的な方法としては、シルバーシートや発泡スチロール等の断熱材を屋根裏から30~50cmの空間を設けて設置し幅射熱を最小限にとどめる。
    この場合、空間の高温になった部分の空気を排除するよう通気孔、又はファンをとりつける。
  
イ.屋根への石灰等の散布
 畜舎の屋根を白色塗装することで、太陽光を反射させ、屋根の温度を下げます。
 工業用消石灰特上を用い、ドラム缶内で水に溶かして、動噴で散布する。20頭牛舎で5~6袋(20kg入り)使用、希釈は1袋にっき504の水を使用常に撹拌しながら散布する。散布作業は滑り易いので事故に注意する。
    効果:スレート屋根の場合表面温度差10℃、裏面温度差15℃、3~4ケ月効果が持続する。
 消石灰の散布は安価ですが、毎年塗り直しが必要です。白ペンキを使用することで、数年間維持する方法もあります。

 

ウ.屋根への散水

 灌水チューブ(エバーフロー)をセットし、散水する。雨どいが無い場合は、畜舎周辺の温度が高まり逆効果になるので注意する。
 また、水圧の関係で、屋根まで水が上がらない場合があります。揚水ポンプ等を活用して対処して下さい。
  
エ.牛体への散水
 ホースで蹄から肢、頸から胸といった流れで、皮膚の深部まで冷水が浸み込むように注ぐ。心臓の急冷は負担がかかるため、心臓から遠い場所から徐々に冷やす必要がある。
 単純な暑さが原因で呼吸が速く飼料摂取量が低下している牛であれば、20~30分間冷水をかけていると体温が約1℃下がり、反芻を再開する。
 しかし、その他の疾病を併発している場合は効果が見られないこともある。
 
オ.軒先の寒冷紗の設置
    パドックに設置することで、牛床への直射日光防止、、水槽内の水温の上昇防止となる。 
    寒冷紗を設置する場合は、
     a. 牛の舌が届かないようにする。
     b. シワにならないようにピンと張る(シワができると風でたわみ、寒冷紗が飛ばされてしまう)。
     c. 適当な通風について配慮すること。
 
カ.送風による暑熱の排除
  大型扇風機の設置により畜舎内の熱風を排除する効果と畜体に対する体表熱の放射を助け効果が高い。又乳牛等については(スタンチョン及び緊留方式)パイプダクトによる牛体への送風を行うと体熱を下げる効果がある。
 大型扇風機の設置にあたっては、肥育牛の場合1頭当り2万円程度の費用がかかるが、牛房内の除湿や、アンモニアガス等の排除効果もある。
 鶏(ブロイラー)等は扇風機に集って圧死する場合があるので注意する。
  
 
3.飼養管理対策
(1)(乳牛の場合、熱射病等で倒れるケースが多く、特に高温時の分娩、泌乳によるストレスとそれに伴うエネルギー摂取不足が主原因である。分娩後の乳牛は良質飼料の給与と分娩房等での増し飼いを行うこと。
 
(2)日中に続き、夜間も暑い時は特に牛が疲労するので、冷たい水(井戸水)等の給水を行い、自由飲水できるよう対処する。
 
(3)豚については、放飼中のものには、日陰や水浴びできる水溜を用意し、体熱を下げ、できるだけストレスのかからないように対処する。
 また、飼料摂取量が減少するので、妊娠豚は朝夕の涼しい時間に1日3回に分けるなど給与方法を工夫する。
 暑熱期はエネルギーの高い授乳期用飼料の給与や、市販のサプリメントでのカロリー補給も効果的である。
 
(4)鶏、ブロイラーについても飲水量が多くなり、給水不足等を起こすと、生理的なすい弱を伴うとともに、断水があったりすると産卵に影響がでるのでとくに給水には注意すること。
 飼料の摂取量が落ちるので、高カロリーの餌に切り換え、カロリーの給与に努める。摂取量の低下は産卵及び発育に直接影響がでる。
 
 
4.飼料作物対策
(1)草地については、化放牧、過度の低刈りや短い間隔での刈取りを避け、貯蔵養分の消耗を軽減して走性の維持に努める。
  
(2)土壌条件等により高温及び晴天の影響が大きく現れる地域では、土壌の保水力を向上させるため有機質の多投等を行うとともに、今後播種する場合には、耐干性の優れた草種・品種を選定すること。
 
(3)青刈りトウモロコシ、ソルガム等については、収穫期が近い場合にはコストに配慮しつつ、冠水が困難ないしは回復が困難と思われる場合は、早期に収穫を行い、品質低下の防止に努める。
 

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